「make it through」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S07E11で学ぶ英会話

「make it through」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

長くて退屈な会議や、終わりの見えない忙しい時期を、なんとか歯を食いしばって乗り越えた——そんな経験は誰にでもあるはずです。

そんなときにぴったりの「make it through」は、つらい状況を最後まで耐え抜く、なんとか切り抜ける、という意味の表現です。『ビッグバン★セオリー』シーズン7第11話の終盤、妹の出産に立ち会ったシェルドンが、まるで自分の試練だったかのように「乗り切った」と報告するシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「make it through」の意味とニュアンス

make it through
意味:(つらい状況を)乗り切る、切り抜ける

through(〜を通り抜けて)が効いていて、「苦しい何かを始めから終わりまで通過してやり切る」というイメージの表現です。試練、病気、退屈、多忙など、耐える対象を through の後ろに置いて使います。

make it だけでも「なんとかやり遂げる」という意味になりますが、through を足すことで「何を抜けてきたのか」が明確になります。重い闘病から、退屈な映画を最後まで見ることまで、耐える対象の重さを選ばず使える幅の広さが持ち味です。barely make it through とすれば「かろうじて切り抜けた」というぎりぎり感が、命令形の make it through なら「今を乗り切ろう」という励ましが表せます。

【ここがポイント!】

  • 核は「長く暗いトンネルを出口まで耐えて通り抜ける」という映像
  • 重い試練にも、退屈な時間にも使える、対象の幅が広い一言
  • through の後ろに「耐える対象」を置くと意味がくっきりするのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S07E11のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

妹の出産に付き添わされたシェルドンが、無事に立ち会いを終えてアパートの仲間にタブレット越しで報告します。まるで自分が産んだかのような大げさな口ぶりで、どう乗り切ったかを語るのが笑いどころです。

Sheldon: I wasn’t sure I was gonna make it. But my mother gave me some ice chips, my sister told me to breathe, and I just thought to myself, Sheldon, if you can make it through the Green Lantern movie, you can make it through this.
(乗り切れるか自信がなかった。だが母さんが氷のかけらをくれて、妹が「深呼吸して」と言ってくれた。そして僕はこう考えたのだ。シェルドン、グリーン・ランタンの映画を乗り切れたのなら、これも乗り切れるはずだ、とね)

Leonard: Well, good for you, buddy.
(へえ、よくやったな)

The Big Bang Theory Season7 Episode11(The Cooper Extraction)

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シーン解説と心理考察

氷のかけらや深呼吸といった、本来は出産する側が受けるはずのケアを、まるで自分が受けたかのように語るシェルドンの倒錯ぶりが伝わってきます。立ち会っただけの彼が、出産そのものを自分の試練として処理しようとしているところに、彼の徹底した自己中心的な世界観がにじみます。

極めつけは、自分を鼓舞した方法が「グリーン・ランタンの映画を乗り切れたのだから」という、いかにもギークらしい基準だった点です。出産という人生の一大事を、退屈な映画を耐え抜いた経験と同じ土俵で語るそのズレが、笑いの核になっています。レナードの「よくやったな」という気のない相づちが、シェルドンの大げさな語りをやわらかく受け流す役割として響いています。強烈な不快体験を理屈で乗り越えようとする姿が、この一言に重なっています。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

このフレーズは、長くて暗いトンネルを、苦しみながらも反対側の出口まで歩き抜ける映像で覚えるのが効きます。through(通り抜けて)が、入口から出口まで耐えて通過する感覚を運んでくれます。

劇中でシェルドンが「グリーン・ランタンの映画を make it through できたのだから」と、退屈な映画というトンネルを抜けた経験を引き合いに出していたのを思い出してください。退屈であれ苦痛であれ、ひとつの「通り抜けるべき暗がり」として捉えるあの発想ごと覚えると、つらい時間を耐え抜いたと言いたいときに、自然とこの表現が浮かんでくるはずです。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「make it through」

つらい時期や退屈な時間を「なんとか乗り切る」と言いたいときの定番です。重い場面から軽い場面まで、3つの使い方を見ていきましょう。

I don’t know how I made it through that meeting without falling asleep.
(あの会議、よく居眠りせずに乗り切れたものだよ)
退屈な時間をなんとか耐えた感想を漏らす場面です。過去形の made it through で、振り返って「よく持ちこたえた」という実感を伝えています。

She made it through chemo with incredible strength.
(彼女は驚くべき強さで化学療法を乗り越えた)
重い闘病を称える場面です。make it through は深刻な試練にも自然に使え、ここでは本人の強さへの敬意がにじみます。

A: This week has been absolutely exhausting.
B: I know. Just make it through today, and we can rest all weekend.
(A:今週、本当にへとへとだよ)
(B:わかる。今日さえ乗り切れば、週末はゆっくり休めるからさ)
疲れた相手を励ます会話です。命令形の make it through を使い、「あと少しだけ耐えよう」と前向きに背中を押しています。

あわせて覚えたい関連表現

get through
(切り抜ける、やり終える)
「困難や仕事を終わらせる」という意味で広く使え、「連絡がつく」など多義的でもあります。make it through が持つ「かろうじて耐え抜いた」というサバイバル感は、こちらにはやや薄めです。

pull through
(乗り越える、持ち直す)
特に病気や重大な危機から「回復して生還する」ニュアンスが強い表現です。退屈や多忙にも使える make it through より、対象が深刻な場面に偏ります。

survive
(生き延びる、なんとか切り抜ける)
一語で強い「生存」を表します。make it through はより口語的で、退屈な会議のような日常の小さな試練にも軽く使える点が違います。

Note|make it through / get through / pull through の使い分け

「乗り切る」を表す through 系の表現は複数あり、どれを使うかで対象や切迫度のニュアンスが変わります。シェルドンが出産の立ち会いを語った make it through を軸に、近い3つを整理してみます。

まず get through は、3つの中で最も中立的で守備範囲が広い表現です。「仕事を終わらせる」「試験を切り抜ける」だけでなく、「電話が通じる」「相手に話が伝わる」といった意味でも使われ、必ずしも「耐え抜く」苦しさを含みません。次に make it through は、「かろうじて最後まで持ちこたえた」というサバイバル感が中心です。退屈な会議から重い闘病まで対象の重さは問いませんが、「楽ではなかった」という含みが常にあります。そして pull through は、病気や事故、経営危機といった「生死や存続が関わる危機」から持ち直すニュアンスに偏り、医療や深刻な局面でよく使われます。つまり、対象が軽い順に get through、make it through、pull through と切迫度が増していくと捉えると、選び分けがしやすくなります。

今回のシェルドンの場面では、出産という重い出来事をあえて make it through で語ることで、「自分にとっての試練だった」という大げさな自己演出がにじみ出ています。

through 三兄弟として並べて覚えておくと便利な表現です。

まとめ|「なんとか乗り切る」を支える一言

make it through は、つらい状況や退屈な時間を、長いトンネルを抜けるように最後まで耐え抜くことを表す表現です。through の後ろに耐える対象を置くだけで、重い試練から軽い退屈まで幅広くカバーできるのが持ち味と言えます。

barely を添えればぎりぎり感が、命令形なら励ましが表せて、日常のいろいろな「乗り切った」を伝えられます。

退屈な映画を引き合いに出産を語る、あのシェルドンらしい一言とともに、会話のレパートリーに加えてみてください。

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