「rat someone out」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S03E22で学ぶ英会話

「rat someone out」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

誰かの秘密や失敗を知ってしまったとき、それを上の立場の人に「言いつける」かどうかで、人間関係が試される場面があります。

そんなときに登場する「rat someone out」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン3第22話の終盤、レナードが過去にアパートで起こした騒動と、それを黙っていてくれたシェルドンについて語るシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「rat someone out」の意味とニュアンス

rat someone out
意味:(人を)密告する、チクる、売る

仲間や知り合いの悪事・秘密を、警察や上司など権威のある側に告げ口することを表す表現です。rat(ネズミ)が英語圏で「裏切り者・密告者」を指すスラングであることが背景にあり、強い非難や軽蔑のニュアンスを伴います。単に事実を伝えるのではなく、「信頼を裏切って当局に突き出す」という後ろ暗さが含まれるのが特徴です。rat me out(僕を売る)、rat out one’s friends(友達を売る)のように、誰を売るのかを目的語に挟んで使います。子ども同士の軽い「言いつけ」から、組織の内部告発まで、幅広い「告げ口」をカバーする口語表現です。

【ここがポイント!】

  • 「rat someone out」の核は、裏切り者を意味する rat(ネズミ)のイメージ
  • 「信頼を裏切って当局に突き出す」という、強い非難を含む一言
  • rat me out / rat out one’s friends と、売る相手を挟んで使うのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S03E22のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

レナードは、過去にロケット燃料を扱ってアパートのエレベーターを爆破してしまった一件を語り終えます。命を救われたうえに、当局へ通報もされなかったことが、彼があの厄介なシェルドンと住み続ける理由のひとつだった——そう打ち明ける場面です。ところがペニーの反応は、感動とは少し違う方向に向かいます。

Leonard: Not only did Sheldon save my life, he didn’t rat me out to the landlord. Or the police. Or Homeland Security.
(シェルドンは僕の命を救ってくれただけじゃない。大家にも、警察にも、国土安全保障省にも、僕を売らなかったんだ。)

Penny: Okay, so, basically, you’re the reason I have to walk up and down three flights of stairs every day?
(つまり要するに、私が毎日3階分の階段を上り下りしてるのは、あなたのせいってこと?)

The Big Bang Theory Season3 Episode22(The Staircase Implementation)

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シーン解説と心理考察

レナードは、シェルドンへの恩義を並べ立てることで、この厄介な同居人と暮らし続けてきた自分の選択を正当化しようとしています。命を救い、しかも当局に「rat out」しなかった——その忠義立てが、彼にとっては同居の十分な理由なのだと伝わってきます。一方のペニーは、その壮大な打ち明け話を一気に日常レベルへ引き戻し、「じゃあ階段地獄の元凶はあなたね」とツッコミを入れます。感動的な回想を、毎日の不便という現実に着地させるこの落差が、シーンに笑いを与えています。爆破事件すら「rat out しなかった美談」として語るレナードと、それを冷静にあしらうペニーの温度差が、会話の妙として響きます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

マフィア映画などで、仲間を警察に売った人物が “He’s a rat.”(あいつはネズミ=裏切り者だ)と吐き捨てられる場面を思い浮かべてみてください。英語圏では、rat(ネズミ)はそのまま「密告者・裏切り者」の代名詞です。そこに out(外へ、表沙汰に)が付くと、隠れていた秘密をネズミがこそこそと外へ持ち出す——そんな映像が浮かびます。劇中では、爆破事件を大家にも警察にも「rat out しなかった」シェルドンが、信頼できる人物として描かれます。「ネズミにならずに黙っていてくれた」=裏切らなかった、というセットで覚えると、この言葉のもつ後ろ暗さも一緒に染み込みます。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「rat someone out」

裏切りへの怒りから、秘密を守る誓いまで、感情のこもった場面で活躍するのがこのフレーズです。3つの場面で見ていきましょう。

I can’t believe he ratted me out to the boss.
(あいつが上司に僕のことをチクったなんて信じられない。)
同僚に裏切られた怒りを語る場面です。劇中と同じ rat 人 out to ~ の形で、「誰に売られたか」まで一息で言えます。

One of the employees ratted out the company for tax fraud.
(従業員の一人が、脱税で会社を告発した。)
内部告発のニュースなどを話す場面です。人だけでなく、組織を対象に「告発する」という使い方もできます。

A: Promise you won’t tell anyone what I just said.
B: Don’t worry, I’d never rat you out.
(A:今言ったこと、誰にも言わないって約束して。)
(B:心配するな、君を売るようなことは絶対にしないよ。)
秘密を打ち明けた相手を安心させる会話です。否定形にすると「絶対にチクらない」という信頼の誓いになります。

あわせて覚えたい関連表現

tell on someone
((人のことを)言いつける)
子どもっぽく軽い「告げ口」を表します。rat out ほど非難の度合いは強くなく、家庭や学校で「お母さんに言いつけるよ」のような場面でよく使われます。

snitch on someone
((人を)チクる、密告する)
rat out とほぼ同義のスラングです。snitch は「密告者」を指す名詞にもなり、rat と同じく強い軽蔑を込めて使われます。

turn someone in
((人を当局に)突き出す、通報する)
警察などに正式に引き渡すニュアンスです。必ずしも「裏切り」の悪い含みはなく、中立的に「通報する」という意味でも使えるのが rat out との違いです。

Note|”snitch” を嫌う文化 ― 密告への強い忌避感

rat out という言葉が持つ強いネガティブさは、英語圏、とりわけアメリカに根づいた「密告を嫌う文化」と深く結びついています。

英語圏には、”Snitches get stitches”(チクる奴は縫う羽目になる=痛い目を見る)という、韻を踏んだ言い回しがあります。これは主に街の文化や学校、刑務所といった環境で使われてきた表現で、「仲間を売る者は報いを受ける」という、密告者への強い敵意をあらわにしています。背景には、警察や権威への不信、そして「仲間内のことは仲間内で解決する」という共同体の論理があるとされます。実際、アメリカの映画やドラマでは、rat や snitch と呼ばれることが、登場人物にとって最大級の侮辱として描かれることが少なくありません。同じ「告げる」でも、turn in(正式に通報する)が必ずしも悪く響かないのに対し、rat out や snitch には「仲間を裏切った」という消えない汚名がつきまといます。こうした文化的な温度差は、日本語の「告げ口」「チクる」という言葉が持つ後ろめたさとも、どこか通じ合うものがあります。

この背景を知っておくと、レナードが「シェルドンは rat out しなかった」と語るとき、それが単なる「黙っていた」以上の、深い信頼の証として響いていることが見えてきます。

言葉の重さは、その社会が何を最も嫌うかを映し出しているのですね。

まとめ|レナードの回想から学ぶ「裏切らない」という信頼

rat someone out は、「(人を)密告する」「チクる」「売る」と、仲間の秘密や悪事を権威のある側に告げ口することを表す一言です。rat(ネズミ)=裏切り者というイメージが土台にあり、強い非難と後ろ暗さを含むのが、このフレーズの読みどころと言えます。

rat me out なら「僕を売る」、rat out one’s friends なら「友達を売る」。否定形にすれば「絶対にチクらない」という信頼の誓いにもなります。怒りや裏切り、あるいは固い信頼が交わる、感情のこもった場面で活躍する表現です。

爆破事件すら黙っていてくれたシェルドンを「rat out しなかった」と語るレナードのように、人と人との信頼の機微を表す言葉として、会話のレパートリーに加えてみてください。

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