海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『ビッグバン★セオリー』シーズン7第12話「The Hesitation Ramification」は、出演シーンをカットされたペニーの落胆と、レナードの失言をきっかけにした立て直しを軸にした回です。同じ時間軸で、シェルドンが「笑いの統一理論」を作ろうと真面目に脱線し、ラージがモールで見知らぬ人に話しかける練習を重ねます。
台詞の意味だけでなく、誰が誰に向けて言葉を発しているかを追うと、この回特有の掛け合いのテンポが見えてきます。
あらすじ(ネタバレなし)
『ビッグバン★セオリー』シーズン7第12話では、出演シーンの全カットに落ち込んだペニーに対し、レナードがつい本音めいた一言をこぼしてしまう。
物語は、ペニーの落胆をどう受け止めるかというレナードの対応を軸に進みます。同時進行で、シェルドンは人に「面白い」と言われなかったことをきっかけに、単語ごとの面白さを比較検証するという奇妙な研究にのめり込み、ラージはモールで見知らぬ相手に話しかける練習を繰り返します。
どの登場人物も、相手を励ますつもりの一言が裏目に出たり、練習のつもりの行動が思わぬ空回りを見せたりと、意図と結果のずれが会話の随所に表れます。
結末の核心には触れず、The Hesitation Ramificationで描かれる関係の揺れと、そこから生まれる英語表現に絞って整理します。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. a long shot
望み薄の挑戦
Leonard: Look, maybe it is a long shot, but sometimes long shots happen.
(いいか、確かに望み薄かもしれない。でも、まれに大穴が当たることもあるんだ)
a long shot は、成功する確率が低い挑戦を表す言い方です。レナードは、ペニーを傷つけた失言のお詫びとして見つけてきたStar Warsのオーディションをすすめる際にこの表現を使い、ルーク・スカイウォーカーが一度きりのチャンスでデス・スターを破壊した例えまで持ち出して励まそうとしています。
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2. be intimidated by
呑まれてしまう
Howard: If you’re so intimidated by talking to attractive girls, maybe you should practice by talking to regular people.
(美人と話すのがそんなに気後れするなら、まず普通の人で練習したらどうだ)
be intimidated by は、相手に威圧されて気後れしてしまうことを表す言い方です。ハワードは、美人と話すのを怖がるラージに対し、まず普通の人を相手に練習するよう提案しており、これがのちにラージとスチュアートのモール練習につながっていきます。
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3. blow it
やってしまった
Raj: I almost met someone last night, but I blew it.
(昨夜あと一歩で出会えそうだったんだ。でも僕がぶち壊した)
blow it は、しくじって好機を台無しにすることを表す言い方です。ラージは、犬の散歩中に声をかけてきた女性に対し「話す代わりにお互いの匂いを嗅ぎ合ったほうが楽じゃないか」という珍妙な返しをしてしまったことをこの一言で振り返っており、失敗の内容まで自ら明かす自虐が続きます。
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4. have what it takes
能力がある
Penny: Do you think I have what it takes to really make it as an actress?
(私に、本当に女優としてやっていけるだけのものがあると思う?)
have what it takes は、目標を達成するために必要な資質を備えていることを表す言い方です。ペニーは出演シーンをカットされた直後にこの問いをレナードにぶつけており、素直に答えを求めたはずが、レナードの返答に傷つく結果につながっています。
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5. take it back
(発言を)撤回する
Leonard: I take it back.
(さっきの発言は撤回する)
take it back は、直前に自分が言ったことを取り消す言い方です。レナードは、シェルドンに「自分を面白いと思っているか」と聞かれて否定したものの、その直後にシェルドンが哲学者アンリ・ベルクソンを引き合いに出す妙な返しをすると、思わずこの一言で前言を撤回しています。
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6. go through
経験する、使い果たす
Amy: Sheldon, how many words are you gonna go through?
(シェルドン、一体あとどれだけの単語を試すつもり?)
go through は、一つひとつ順番に取り上げて確かめていくことを表す言い方です。エイミーは、シェルドンが「クワンタム」や「軟膏」のような単語を一つずつ出しては面白さを比較検証する様子にうんざりしており、この問いには付き合いきれないという本音がにじんでいます。
7. talk about
〜について話す
Sheldon: Would you like to talk about it?
(それについて話したい?)
talk about は、ある事柄を話題にして話すことを表す言い方です。夜眠れずにいるレナードに気づいたシェルドンがこの一言をかけており、普段は人の感情に無頓着なシェルドンにしては珍しく、相手の様子を気遣う場面になっています。
8. come up with
思いつく、考え出す
Amy: Okay, the notion that you can read a few books and come up with a definitive theory of comedy is absurd.
(本を数冊読んだだけで決定的な笑いの理論を考え出せるなんて、ばかげてる)
come up with は、考えを巡らせて何かを作り出すことを表す言い方です。エイミーは、シェルドンが数冊の本を読んだだけで「笑いの統一理論」を打ち立てようとしていることを、この一言で真っ向から否定しています。
9. the point is
要するに、重要なのは
Raj: The point is to talk to regular people and work our way up to pretty girls.
(要するに、まず普通の人と話して、それから美人を相手にできるようになろうってことだ)
the point is は、話の要点や本来の目的を示す言い方です。ラージは、スチュアートが最初から美人にばかり声をかけようとするのを制し、この一言で練習の本来の狙いを立て直しています。
10. go over
(場所へ)出向く、渡る
Stuart: We could go over to that department store, practice on the mannequins.
(あのデパートまで行って、マネキン相手に練習するのはどうだ)
go over to は、ある場所まで移動することを表す言い方です。モールで声をかける相手が見つからず苦戦するラージに対し、スチュアートはこの一言でデパートのマネキンを練習台にするという苦肉の代案を持ち出しています。
このエピソードの英語学習ポイント
この回の学習ポイントは、良かれと思って発した一言が相手を傷つけてしまう瞬間です。レナードは「三行しかセリフがなかった」と本音を口にしただけのつもりが、ペニーには「どうせ売れない」という宣告のように響いてしまい、悪意のない言葉ほど相手にどう届くかの見極めが難しいことが表れています。
一方でシェルドンとエイミーのやり取りは、感情ではなく単語そのものの比較実験というかたちで進みます。「クワンタム」と「軟膏」のどちらが面白いかを大真面目に尋ねるシェルドンの姿勢は、笑いという主観的なものを客観的な手続きで扱おうとするずれから生まれています。
フレーズ10選のうち前半はペニーとレナードのすれ違い、後半はラージとスチュアートのモール練習に対応しており、場面ごとに言葉の重さが変わります。a long shotのような表現は、確率の低さを承知のうえでなお挑む気持ちを支える言葉として使われています。
視聴時には、発言そのものよりも、直後に相手がどんな顔をして何を返したかに注目すると、フォローや謝罪がどこで挟まるかが見えてきます。
この回に限って言えば、失言とその立て直しという流れが二つの場面で繰り返されており、どちらも謝罪や言い直しのタイミングを英語の言い回しから読み取れる構成になっています。モールでのラージとスチュアートのやり取りも同じ構図を持ち、警備員に話しかけて「良い夜を」とだけ返された程度の小さな成功でも、practiceという言葉が持つ地道な積み重ねの感覚が伝わってきます。
キャラクター別|英語の特徴
ペニー|感情を短い言葉にして場の向きを変える
ペニーは、レナードが用意したStar Warsオーディションの話を「Come on Leonard, this is just a PR stunt.」の一言でいったん退けます。落ち込んでいる自分への慰めだと分かっていて、それでも素直に喜べない苛立ちが短い一言に凝縮されています。レナードが実在の応募例やルーク・スカイウォーカーの例え話を重ねて説得を続けると、最終的には矛を収めますが、最初の拒否の言葉が本音の重さを物語っています。出演シーンが消えたと知った直後には、実家に電話をかけ「容姿のせいでカットされたわけじゃない」「父親に相手役を殴りに来させなくていい」と、心配性の父をなだめる一幕もあり、身内には強がってみせる一面ものぞきます。
レナード|相手の反応を読みながら言い方を調整する
レナードは、ペニーへの慰めのつもりで放った「三行しかセリフがなかった」という一言が失言だったと気づき、素直に謝ります。オーディションの話を持ちかけたときも、ペニーに「So?」とだけ返し、PRの片棒だと分かっていてもなお挑む価値があると畳みかけていく粘り強さを見せます。失言を認めてから行動で埋め合わせる、という順番がこの回のレナードの発話の特徴です。シェルドンから「面白いと思うか」と聞かれた際にはいったん「思わない」と正直に答えており、ペニーには本音を隠そうとして裏目に出た一方、シェルドンには率直に答えるという、相手によって言葉の選び方を変える様子も見えます。
バーナデット|具体的な指摘で場の条件を整える
バーナデットは、ラージの女性への声のかけ方について「Or maybe just stop talking.」とだけ返し、遠回しな助言よりも直接的な一言で片づけます。モールでの練習相手にスチュアートが不適切な候補を挙げるたびに水を差す役回りも重なり、周囲の空回りをやわらかく、しかし短く止める言い方がバーナデットらしさとして表れています。
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