海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
格上の相手や立派な舞台を前にすると、なぜか体が縮こまって言葉が出てこない――そんな経験はありませんか。
その「呑まれてしまう」感覚を表す「be intimidated by」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン7第12話の中盤、女性が苦手なラージにハワードが練習法を勧めるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「be intimidated by」の意味とニュアンス
be intimidated by
意味:〜に気後れする、〜に萎縮する
be intimidated by は、相手や状況に「呑まれて」自分が小さく感じられ、思うように行動できなくなる状態を表します。by の後ろには、人・場所・状況のいずれもが置けます。
注意したいのは、相手が必ずしも威圧的とは限らない点です。実際に相手が高圧的な場合(威圧された)はもちろん、自分が勝手に気後れしてしまう場合(尻込みした)にも広く使えます。この一語が、能動的な「威圧」と受動的な「気後れ」の両方をカバーしているのが特徴です。否定の命令形 Don’t be intimidated by 〜(〜に気後れしないで)は、緊張している相手を励ます定番の言い回しです。feel intimidated by の形でも同じ意味で使え、面接・プレゼン・初対面など、心理的にプレッシャーのかかる場面で活躍します。
【ここがポイント!】
- 相手や状況に呑まれて体が縮こまる、それが「be intimidated by」の核
- by の後ろには人・場所・状況のいずれも置ける幅広い表現
- Don’t be intimidated by で「気後れしないで」と励ます使い方も定番
『ビッグバン★セオリー』S07E12のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
きれいな女性を前にすると固まってしまうラージに、ハワードが具体的な克服法を授けます。いきなり高いハードルに挑むのではなく、まず一般の人で場数を踏め、という段階的なアドバイスです。
Howard: If you’re so intimidated by talking to attractive girls, maybe you should practice by talking to regular people.
(美人と話すのがそんなに気後れするなら、まず普通の人で練習したらどうだ)Bernadette: Or maybe just stop talking.
(それか、もう喋るのをやめたら?)Howard: I’m serious. Go to the mall, talk to anybody, practice.
(本気で言ってるんだ。モールに行って誰でもいいから話せ、練習だ)The Big Bang Theory Season7 Episode12(The Hesitation Ramification)
シーン解説と心理考察
ハワードの “if you’re so intimidated by…” は、ラージの根っこにある弱点――美しい相手の前で固まってしまうこと――を、ずばり言葉にしています。からかい半分でありながら、相手の気後れを「練習で乗り越えられるもの」として扱う、友人としての実用的な助言になっているのが見どころです。
間に挟まるバーナデットの “Or maybe just stop talking”(いっそ喋るのをやめたら)が、温度を一段変えています。冷たい一刺しのようでいて、グループ内の遠慮のない空気を伝えています。ハワードがそれでも “I’m serious”(本気だ)と押し返し、モール巡りという実践へ話を進めることで、このあとのラージとスチュアートの珍道中につながっていきます。気後れを克服しようとする一連の流れの起点となる場面と言えます。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
大きな相手や立派な舞台を前にして、自分の体がスッと縮こまっていく――be intimidated by は、その身体感覚で覚えるのがおすすめです。
ヒントは単語の中に隠れています。intimidate の中に timid(臆病な)が潜んでいると気づくと、「相手に呑まれて臆病になる」という意味がぐっと近くなります。ラージが「可愛い子の前だと固まる」と指摘され、ハワードに練習を勧められる場面を思い浮かべれば、「相手に呑まれて動けない=intimidated」がそのまま結びつきます。by の後ろに「気後れの原因」を置く、と型で押さえておくと使いやすくなります。
例文で覚える「be intimidated by」
「相手や状況に呑まれる」感覚が、人・場所・状況それぞれでどう使われるかを見ていきましょう。
New employees are often intimidated by senior managers.
(新入社員は上級管理職に気後れしがちだ)
職場の上下関係を説明する、ややあらたまった場面です。by の後ろに「人(格上の相手)」が来る、典型的な使い方です。
I was totally intimidated by the size of the audience.
(聴衆の多さに完全に呑まれてしまった)
大舞台で緊張した経験を語る場面です。by の後ろが「状況・規模」でも自然に使え、人以外にも呑まれる対象が広がることがわかります。
A: I’m so nervous about meeting the new director.
B: Don’t be intimidated by her — she’s actually really friendly.
(A:新しいディレクターに会うの、すごく緊張する)
(B:彼女に気後れしないで。実はすごく気さくな人だから)
緊張している相手を安心させる会話です。Don’t be intimidated by 〜 が、励ましのひと言としてどう機能するかが見て取れます。
あわせて覚えたい関連表現
be overwhelmed by
(〜に圧倒される)
量や感情の「多さ」に呑まれることを表します。be intimidated by のような、相手に対して気後れし尻込みする恐れの要素は弱く、感情や情報の洪水に押し流される場面で使い分けられます。
be nervous about
(〜について緊張する、不安だ)
漠然とした緊張や不安を表す表現です。be intimidated by が「相手に呑まれる」上下関係の感覚を含むのに対し、こちらはもっと一般的な落ち着かなさを指します。
be daunted by
(〜にひるむ、気おくれする)
be intimidated by に近い表現ですが、daunted は「課題の困難さ」にひるむ文脈が中心です。相手(人)よりも、立ちはだかる物事の大きさに対して使われやすい点が違います。
Note|intimidate の中に隠れた timid(臆病)
be intimidated by を「呑まれて小さくなる」感覚として覚えると、なぜこの単語がその意味を持つのか、つくりを見ると腑に落ちます。
intimidate という動詞は、timid(臆病な、おどおどした)と語根を共有する同系の語だとされます。どちらもラテン語で「恐れる」を意味する timidus に由来するとされ、intimidate はもともと「相手を臆病な状態にさせる=おびえさせる、威圧する」という成り立ちを持ちます。つまり intimidate は「誰かを timid にする」働きかけであり、その受け身が be intimidated by なのですから、「相手によって臆病な状態にさせられる=呑まれて小さくなる」という意味が自然に導かれます。単語の中に timid という芯が見えると、この表現が単なる「緊張」ではなく、相手の存在感に押されて自分が縮こまる、という上下関係を含んだ感覚であることが見えてきます。英単語は、長い単語の中に短い基礎語が隠れていることが多く、それに気づくと意味を体ごと覚えやすくなります。
intimidate を見たら timid を探す――この一手間が、be intimidated by の温度感を記憶に残してくれます。
語のつくりから意味を体感できる、覚えがいのある表現ですね。
まとめ|ラージの気後れから学ぶ一言
be intimidated by は、相手や状況に呑まれて気後れし、萎縮してしまう状態を表す表現です。by の後ろには人・場所・状況のいずれも置け、相手が高圧的な場合も、自分が勝手に尻込みする場合も、この一語でカバーできます。
面接やプレゼン、憧れの相手との初対面など、心理的なプレッシャーを感じる場面で、自分の状態を的確に言い表せます。Don’t be intimidated by 〜 と否定形にすれば、緊張している誰かを励ますひと言にもなります。ラージのように苦手な相手に固まってしまう経験は誰にでもあるからこそ、覚えておくと表現の幅が広がります。
気後れを感じた場面を思い出しながら、表現の引き出しに加えてみてください。


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