海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
付き合っている相手や進めている仕事について、「そろそろ一歩先に進めたいな」と感じる瞬間が、誰にでもあるはずです。
そんな前進の気持ちを表すのが「take it to the next level」で、関係や物事を一段先の段階へ進めることを指します。『ビッグバン★セオリー』シーズン4第5話の中盤、エイミーから「母に会ってほしい」と頼まれて戸惑うシェルドンに、レナードがその意味を解き明かす場面から、一緒に見ていきましょう。
「take it to the next level」の意味とニュアンス
take it to the next level
意味:(関係や物事を)次の段階へ進める、ステップアップさせる
the next level は「次の段階、より進んだ状態」を表し、take it to ~ と組み合わせることで「今の状態から一歩先へ引き上げる」という意味になります。it の部分には relationship(関係)、business(事業)、game(技術や腕前)など、進展させたい対象が入ります。
この表現の核にあるのは、段階的な前進というイメージです。今いる地点を一つ上の地点へと押し上げる、前向きで意図的な動きを表します。恋愛では交際を真剣な関係へ、ビジネスでは事業を次の規模へ、スキルでは腕前を一段上へ、と幅広く使えるのが強みです。it を things に変えた take things to the next level も口語でよく使われ、同じ意味になります。
【ここがポイント!】
- テレビゲームのステージが一つ進むように、「次のレベルへ」と前進させる表現
- 恋愛・仕事・スキルと、進めたい対象を選ばず幅広く使えるのが持ち味
- it を things に替えても同じ意味、会話ではどちらも自然に飛び出す一言
『ビッグバン★セオリー』S04E05のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
エイミーから「母に会ってほしい」と頼まれたシェルドンが、その真意をつかめずにレナードへ相談します。恋愛経験に乏しいシェルドンにとって、その申し出が何を意味するのかは謎のまま。そこへレナードが、関係の進展という観点から答えを示します。
Sheldon: Amy Farrah Fowler has asked me to meet her mother. What does that mean?
(エイミー・ファラ・ファウラーが、母親に会ってほしいと言ってきたんだ。あれはどういう意味なんだ?)Leonard: Look, she obviously wants to take your relationship to the next level.
(いいか、彼女は明らかに、君たちの関係を次の段階に進めたいんだよ)Sheldon: I don’t want the next level. I like this level. Fix it for me!
(次の段階なんて要らない。今の段階が気に入っているんだ。何とかしてくれ!)The Big Bang Theory Season4 Episode5(The Desperation Emanation)
シーン解説と心理考察
注目したいのは、シェルドンが恋愛関係をまるでゲームの「レベル」のように受け取っているところだ。「I like this level(今の段階が気に入っている)」という返しには、感情の機微よりも、現状というシステムを維持したいという彼独特の発想がのぞく。
レナードが何気なく使った the next level という言葉を、シェルドンはそのまま文字どおりの「次のステージ」として受け止め、進むことを拒んでパニックに陥る。関係の進展を喜ぶどころか、設定変更を嫌うかのように身構える姿に、親密さを恐れる彼の本音と、それを論理で覆い隠そうとする可笑しさがにじんでいる。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
このフレーズは、テレビゲームのステージクリア画面をそのまま思い浮かべると定着します。今いるステージ(this level)をクリアして、次のステージ(the next level)へと駒を進める——その縦に一段上がる動きが、フレーズの意味そのものです。
シェルドンが恋愛を「レベル」と捉えて「今のレベルが気に入っている」と現状維持にしがみつく場面を重ねれば、take it to the next level が「物事を一段上へ押し上げる」動きを表すことが、画面のイメージごと記憶に残ります。
例文で覚える「take it to the next level」
進めたい対象を入れ替えるだけで、恋愛にも仕事にも使える柔軟さがこのフレーズの魅力です。三つの例文で、その幅を見ていきましょう。
I think it’s time we took our relationship to the next level.
(そろそろ僕らの関係を次の段階に進める時だと思うんだ)
交際相手に真剣な気持ちを伝える場面です。relationship を対象に置くと、同棲や婚約といった節目を見すえた前進を表せます。
This software update takes gaming to the next level.
(このソフトウェアの更新は、ゲーム体験を次のレベルへと引き上げる)
製品やサービスの進化を語るときの形です。技術や体験を主語に近い位置へ置くことで、質的な飛躍を強調できます。
A: Are you two ready to take things to the next level?
B: We’ve been talking about moving in together, actually.
(A:君たち二人、関係を次の段階に進める準備はできてるの?)
(B:実は、一緒に住もうかって話してるところなんだ)
友人同士でカップルの進展を尋ねる会話です。it を things に替えると、より口語的でやわらかい響きになります。
あわせて覚えたい関連表現
move forward (with)
(前に進める、先へ進む)
move forward は単に「前進する」ことを表し、段階のニュアンスは薄い表現です。take it to the next level が持つ「一段上のレベルへ」という質的な飛躍の感覚とは、進み方の質が異なります。
step up
(強化する、一段上げる)
step up は努力や水準を引き上げることを表します。next level と近いものの、こちらは「本気度や取り組みを上げる」というニュアンスが前面に出る点で違いがあります。
take things further
(物事をさらに進める)
further は「さらに先へ」を漠然と表す言葉です。next level が「次の明確な段階」という到達点を示すのに対し、take things further は前進の方向だけを指す、より曖昧な表現になります。
Note|恋愛で使う next level の温度感
レナードのセリフでは、take it to the next level が恋愛関係の文脈で使われていました。英語圏でこの表現が恋人同士について使われるとき、実際には何を指しているのでしょうか。
恋愛の文脈での take it to the next level は、多くの場合、関係が一段と真剣になる具体的な節目を婉曲に示します。たとえば、付き合い始めの二人が「正式な交際」へ進むこと、交際中のカップルが同棲を始めること、さらには婚約や、互いの家族への紹介などです。直接「結婚を考えている」「同棲したい」と言う代わりに、next level という抽象的な言い方を選ぶことで、相手にプレッシャーをかけすぎずに前進の意思を伝えられます。劇中でエイミーが持ち出した「母に会ってほしい」という申し出は、まさにこの「家族への紹介=関係を次の段階へ」という節目にあたります。レナードがそれを的確に next level と言い換えたことで、シェルドンの戸惑いの正体が一気に浮かび上がりました。
つまりこの表現は、関係の前進をやわらかく、しかし確かに告げるための便利な婉曲表現なのです。
言いにくい一歩を、軽やかに口にできる言葉でもあります。
まとめ|「今のレベルが好きなんだ」と抵抗するシェルドンから学ぶこと
take it to the next level は、関係や物事を一段先の段階へと押し上げる、その前進の動きをとらえる表現です。ゲームのステージが上がるような、明確で前向きな飛躍のイメージがその核にあります。
この一言を知っていると、恋愛でも仕事でも「もう一歩先へ」という意思を、さりげなく、それでいてはっきりと伝えられるようになります。it を things に替えたり、対象を入れ替えたりと、応用の幅も広い表現です。
「次の段階なんて要らない」と現状維持に必死なシェルドンの姿とともに、表現の幅を広げてみてください。


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