「be on someone’s heels」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S05E09で学ぶ英会話

「be on someone’s heels」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

追う側のつもりでいたら、実は自分の方が追われていたと気づく瞬間があります。焦って状況を訴えたのに、相棒からはあっさり「いや、逆だよ」と切り返され、立場の見え方がひっくり返ってしまう、そんなやり取りにこそ、二人の関係性の妙が表れるものです。

そんな緊迫したやり取りにぴったりの「be on someone’s heels」を、『ホワイトカラー』シーズン5第9話の中盤、ニールとモジーが交わす作戦相談の一幕から、一緒に見ていきましょう。

目次

「be on someone’s heels」の意味とニュアンス

be on someone’s heels
意味:すぐ後ろまで迫っている、追跡している

be on someone’s heels は、直訳すると「誰かのかかとの上にいる」ですが、実際には「相手にほぼ触れそうなほど近い距離で追いかけている」状況を表す比喩表現です。物理的な追跡だけでなく、競争や捜査などで相手に肉薄している状況にも幅広く使われます。

heel(かかと)という体の一部を使った比喩でありながら、実際には距離の近さや緊迫感を表すのに使われることが多く、hot on someone’s heels のように hot を添えれば、さらに切迫感を強めることもできます。

追う側にも追われる側にも使える柔軟さも、この表現の特徴です。誰が誰を追っているのかという立場は、文脈によってめまぐるしく入れ替わることがあり、本作のワンシーンのように、その解釈のずれ自体が会話の面白さを生むこともあります。

【ここがポイント!】

  • 「be on someone’s heels」の核は、相手にほぼ触れそうなほど近い距離で迫っているという緊迫感
  • 物理的な追跡だけでなく、競争や捜査など幅広い場面で使える比喩表現
  • hot on someone’s heels のように hot を添えると、切迫感をさらに強められる

『ホワイトカラー』S05E09のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ニールがモジーに、ピーターの捜査が自分たちに迫っていると焦りを見せる場面です。モジーがどう切り返すかに注目です。

Neal: Moz, come on. Peter is on our heels.
(モズ、頼むよ。ピーターがすぐ後ろまで迫っているんだ。)

Mozzie: No, we’re on his. He crashed my lunch. I put him on Dekker’s trail.
(いや、迫っているのはこっちの方だ。彼は僕の昼食に割り込んできたから、デッカーの手がかりを渡しておいた。)

Neal: All right, then we need to get to him. If Peter gets to Dekker first and Dekker points to Dawson… Dawson might admit to taking a bribe, but they can’t connect it back to you.
(分かった、それなら僕らが先に彼に接触しないと。もしピーターが先にデッカーにたどり着いて、デッカーがドーソンを名指ししたら…ドーソンは賄賂を受け取ったと認めるかもしれないが、それを君に結びつけることはできないはずだ。)

Mozzie: Yes, they can. That’s how I got Dekker’s name.
(いや、できてしまう。僕がデッカーの名前を突き止めたのが、まさにその経路だからだ。)

White Collar Season5 Episode9 (No Good Deed)

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シーン解説と心理考察

ニールが「モズ、頼むよ。ピーターがすぐ後ろまで迫っているんだ」と焦りを見せると、モジーはすかさず「いや、迫っているのはこっちの方だ」と切り返します。同じ heels という語を使いながら、追う側と追われる側の立場を正反対に言い返すこの応酬には、危機感を共有しながらも主導権を譲らない、対等な相棒関係ならではの駆け引きが表れています。

ニールが「ピーターが先にデッカーにたどり着けば、証拠が自分たちに結びつく心配はない」と楽観的な見通しを語るのに対し、モジーは即座に「いや、できてしまう」と現実的な危険性を指摘します。自分がデッカーの名前を突き止めた経路そのものが弱点になり得ると冷静に見抜くところに、慎重で用心深いモジーの性格がよく表れています。

状況を前向きに捉えようとするニールと、リスクを一歩先まで読み切るモジーとの対照が、短いやり取りの中に凝縮された場面です。

二人のやり取りをよく見ると、どちらも相手を出し抜こうとしているわけではなく、むしろ危機感を共有しながら次の一手を探り合っていることが分かります。ニールが焦りを見せた瞬間に、モジーが既に手を打っていたと明かす流れには、長年の相棒関係だからこそ成立する、言葉少なでも意図が通じ合う呼吸のようなものが感じられます。ピーターという共通の追跡者を前にして、二人がどちらも一歩も譲らずに議論を交わす様子そのものが、この場面の緊迫感を支えていると言えます。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

be on someone’s heels を覚えるコツは、すぐ前を走る人のかかとにほとんど触れそうなくらい近い位置で走っている自分を思い浮かべることです。「あと一歩で追いつく距離感」というイメージが、そのまま「すぐ後ろまで迫っている」という意味につながります。

劇中でも、追う側と追われる側の立場がめまぐるしく入れ替わる緊迫したやり取りの中で使われており、「距離の近さ」がそのまま緊張感として記憶に残ります。ニールとモジーのどちらが本当に heels の上にいるのか、会話の流れごと思い出しておくと定着しやすくなります。

例文で覚える「be on someone’s heels」

報道の現場からビジネスの競争まで、be on someone’s heels を、3つの例文で確認していきましょう。

The reporter was on the senator’s heels the moment the scandal broke.
(スキャンダルが発覚した瞬間、記者は上院議員にぴったりと追いすがった)
記者が取材対象を追いかける場面です。the moment the scandal broke という具体的な時点を添えることで、動きの速さが伝わりやすくなります。

A: How close is the competition? B: They’re on our heels—we can’t slow down now.
(A:競合との差はどれくらい? B:すぐ後ろまで迫ってきている。今は手を緩められない)
競合状況を報告するビジネスの会話です。can’t slow down now を続けることで、迫られている緊張感がそのまま伝わります。

The detective knew the suspect was on his heels, so he changed his route home.
(刑事が自分に迫っていると分かったので、容疑者は帰宅ルートを変えた)
容疑者が追跡を警戒する場面です。追われる側の視点で使うことで、この表現の柔軟さがよく分かります。

あわせて覚えたい関連表現

hot on someone’s heels
(すぐ後ろに迫っている、強調形)
on someone’s heels に hot を加えることで、より緊迫感・切迫感を強調した表現になります。

hard on someone’s trail
(誰かの跡を懸命に追う)
on someone’s heels より「捜索・追跡調査」の意味合いが強く、物理的な近さよりも執念深さを表す表現です。

close behind
(すぐ後ろに)
慣用句としての比喩的な緊迫感は薄く、より直接的でシンプルに「すぐ後ろにいる」ことを伝える表現です。

Note|スポーツ実況やニュース記事で頻出する追跡描写の定型句

be on someone’s heels は、スポーツの実況中継やニュース記事でも頻繁に登場する定型句です。マラソンやレースの実況では、先頭を走る選手にすぐ後ろから迫る選手の様子を描写する際に使われ、視聴者に「あとわずかで追いつかれそうだ」という緊迫感を瞬時に伝える役割を果たしています。

ニュース記事でも、選挙戦で追い上げる候補者や、業界内で急成長する競合企業の動向を伝える際に、この表現がよく登場します。数字や順位だけでは伝わりにくい「勢いの近さ」を、heels という体の部位を使った比喩でわかりやすく描写できるところが、報道の現場で好まれる理由のひとつと言えます。

劇中でニールとモジーが交わした heels の応酬も、実況やニュースで使われるのと同じ「距離の近さ」というイメージを土台にしています。追う側と追われる側の立場が入れ替わるたびに、この一語が持つ緊張感が会話全体を引き締めていると言えます。

こうした報道的な使われ方を知っておくと、be on someone’s heels がニュース英語の中でも決して硬すぎない、実況的な臨場感を伴う表現であることが実感できます。数字や順位だけでは伝えきれない「今まさに追いつかれそうだ」という緊迫感を、短い一語で伝えられるのが、この表現が長く使われ続けている理由のひとつと言えるでしょう。

まとめ|あと一歩の距離感を言い表す表現

be on someone’s heels は、相手にほぼ触れそうなほど近い距離で追いかけている状況を表す表現です。物理的な追跡だけでなく、競争や捜査など幅広い場面で使える柔軟さが、この表現の魅力です。

記者が取材対象を追いかける場面でも、競合との差を報告するビジネスの場面でも、この一言があれば緊迫した距離感を簡潔に言い表せます。

ピーターの捜査が迫っていると焦るニールに、モジーが「いや、迫っているのはこっちだ」と即座に切り返した場面には、危機感を共有しながらも主導権を譲らない相棒同士の駆け引きが表れていたと言えます。状況を前向きに捉えようとするニールと、リスクを冷静に読み切るモジーとの対照も、二人の関係性をよく物語る場面です。

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