「have an inkling」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S05E09で学ぶ英会話

「have an inkling」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

確証があるわけではないけれど、状況からなんとなく察してしまうことがあります。本人にそれを指摘されると気まずいはずなのに、あえて茶化すように匂わせてみせる、そんな軽妙なやり取りには、相手との気の置けない距離感がにじむものです。

そんな場面にぴったりの「have an inkling」を、『ホワイトカラー』シーズン5第9話の序盤、恋人が部屋を後にした直後にモジーが姿を見せる一幕から、一緒に見ていきましょう。

目次

「have an inkling」の意味とニュアンス

have an inkling
意味:うすうす感づいている、少し察している

have an inkling は、直訳すると「かすかな兆候を持つ」ですが、実際には「確信には至らないものの、何となく察している状態」を表す口語表現です。inkling は「かすかな気配・兆候」を意味する可算名詞で、know や be sure ほど断定的ではなく、控えめに推測を述べる際に使われます。

have some inkling や have no inkling のように、程度を表す語と組み合わせて使われることも多く、確信度の低さをそのまま言葉のニュアンスに反映できる柔軟さがあります。誰かの様子から何かを察したときや、状況証拠から薄々分かっていたことを打ち明けるときに、自然な言い回しとして重宝されます。

控えめな推測を述べる表現でありながら、劇中のモジーのように、確信に近いレベルまで察していても、あえて inkling という控えめな語を選ぶことで、皮肉やユーモアを効かせることもできます。

【ここがポイント!】

  • 「have an inkling」の核は、確信には至らないものの何となく察している状態
  • have some / have no を添えて、確信度の高さ・低さを調整できる
  • 確信に近いレベルで察していても、あえて控えめに言うことで皮肉やユーモアを効かせられる

『ホワイトカラー』S05E09のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

恋人のレベッカが部屋を後にした直後、モジーがドアをノックして姿を見せます。ニールが軽くからかうと、モジーがどう切り返すかに注目です。

Neal: Trust me.
(信じてくれ。)

Rebecca: Right. Of course, of course. I-I trust you. My temp job calls.
(そうね。もちろん、もちろんよ。あ、あなたを信じてる。派遣の仕事に呼ばれてるから行くわ。)

Neal: Oh. You knock now.
(おや。今日はノックするんだね。)

Mozzie: Oh, I had enough of an inkling about what might have transpired last evening to require a drink tray. Oh, you showed her your anklet. And then you showed her your anklet again.
(いや、昨夜何があったかはうすうす察したから、飲み物を載せるトレーを用意する必要があると思ってね。ああ、彼女に足首の装置を見せたんだね。それも、二度も。)

White Collar Season5 Episode9 (No Good Deed)

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シーン解説と心理考察

「信じてくれ」と念を押すニールに、レベッカは「もちろん、もちろんよ」と重ねて答えながらも、慌ただしく仕事へ向かう素振りを見せます。二人のやり取りの直後にドアをノックして現れたのがモジーで、ニールは「今日はノックするんだね」と軽くからかいの一言を添えます。

それを受けたモジーは、すかさず「昨夜何があったかはうすうす察したから、飲み物を載せるトレーを用意する必要があると思ってね」と切り返します。確証があるわけではないと控えめな言葉を選びながらも、続けて「彼女に足首の装置を見せたんだね。それも、二度も」と具体的に踏み込むところに、相棒の私生活の機微を察しつつ、あえて茶化すように振る舞うモジーらしいユーモアが表れています。

深刻な捜査劇の合間に挟まれる、こうした軽妙なやり取りが、緊張感の続く物語の中で息抜きの役割を果たしています。ニールとモジーの気の置けない関係性が、この短い応酬からもよく伝わってくる場面です。

モジーがあえて詳しい状況説明を求めずに、トレーという小道具ひとつで全てを察していたことを示してみせる語り口には、相棒の生活を四六時中見守っている距離の近さがにじみます。踏み込みすぎず、それでいて核心は外さない、そんな絶妙な間合いの取り方が、モジーというキャラクターらしいユーモアの見せ方だと言えるでしょう。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

have an inkling を覚えるコツは、インクの染み(ink)がうっすらとにじんで、まだはっきりとした形にはなっていない様子を思い浮かべることです。「まだ薄くて確信には至らない痕跡」というイメージが、have an inkling の「うすうす感づいている」というニュアンスとつながります。

劇中でも、モジーが確証はなくとも状況から察している様子を軽妙に語る場面で使われており、「薄い手がかり」というイメージが記憶の助けになります。控えめな言葉を選びながらも核心にしっかり踏み込んでくる、そのモジーらしい語り口とあわせて覚えておくと定着しやすくなります。

例文で覚える「have an inkling」

日常の気づきからビジネスの場面まで、have an inkling を、3つの例文で確認していきましょう。

I had an inkling that something was wrong the moment she walked in.
(彼女が入ってきた瞬間、何かがおかしいとうすうす感じた)
誰かの様子から異変を察する場面です。the moment she walked in という具体的な瞬間を添えることで、察しの早さが伝わりやすくなります。

A: How did you guess? B: I had an inkling from the way you were acting all week.
(A:どうして分かったの? B:今週の君の様子から、何となく察していたんだ)
相手の変化から何かを見抜く会話の場面です。相手の行動の積み重ねから察したことを伝える、自然な返し方です。

He didn’t have the slightest inkling that he was about to be promoted.
(彼は自分が昇進しようとしているとは、まったく気づいていなかった)
予想外の知らせを説明するビジネスの場面です。the slightest を添えることで、「わずかな気配すらなかった」という強い否定のニュアンスになります。

あわせて覚えたい関連表現

have a hunch
(直感で感じる)
inkling よりも確信度がやや高く、より直感的でカジュアルな響きを持つ表現です。

have a suspicion
(疑いを持つ)
ネガティブな含みが強く、inkling よりも明確な警戒心・疑念を伴う表現です。

get a sense that
(〜という感覚を得る)
より一般的で幅広い場面に使える中立的な表現で、慣用句としての固定度は inkling より低めです。

Note|inkling / hunch / suspicion の確信度の違い

「何となく感じる、察する」という意味を持つ英語表現には、inkling のほかにも hunch や suspicion があり、それぞれ確信度の強さが微妙に異なります。inkling は三つの中でも最も控えめな表現で、根拠が薄く、あくまで「かすかな気配」程度のニュアンスにとどまります。

hunch はそれよりも一段階確信度が高く、明確な根拠は示せなくても、直感的に「たぶんこうだろう」と踏み込んで語る際に使われます。ギャンブルや推理の場面で「勘が働いた」と言いたいときに好んで使われる、カジュアルで直感的な表現です。

suspicion はさらに踏み込んで、ネガティブな含みを伴う「疑い」を表します。単なる予感ではなく、何かよくないことが起きているのではという警戒心が伴う点で、inkling や hunch とは一線を画します。劇中でモジーがあえて inkling という最も控えめな語を選んだことで、確信に近いレベルまで察していながらも、深刻に問い詰める調子にはならず、茶化すようなユーモアを保てていたと言えます。

三つの表現の確信度の違いを整理しておくと、日常会話の中でも「どこまで自信を持って言い切るか」を自然に調整できるようになります。断定を避けたいときには inkling、直感を強めに伝えたいときには hunch、そして警戒心をにじませたいときには suspicion というように、状況に応じた選び方が身についてくるはずです。

まとめ|控えめな言葉に込められた、確かな察し

have an inkling は、確信には至らないものの何となく察している状態を表す表現です。have some / have no を添えれば確信度を調整でき、あえて控えめに言うことで皮肉やユーモアを効かせることもできる、奥行きのある言い回しです。

誰かの様子から異変を察する場面でも、予想外の知らせに驚く場面でも、この一言があれば察しの程度をそのまま伝えられます。

恋人が部屋を後にした直後に姿を見せたモジーが、あえて控えめな inkling という語を選びながらも核心にしっかり踏み込んでみせた場面には、相棒の私生活の機微を察しつつ、深刻にならずに茶化してみせるモジーらしいユーモアが表れていたと言えます。緊張感の続く捜査劇の合間に、こうした軽妙な応酬が息抜きの役割を果たしている点も印象的です。

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