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今回は『ホワイトカラー』シーズン3 第11話から、ニールとケラーの皮肉の応酬を取り上げます。この回では、ある事情からニールたちがかつての因縁の相手ケラーと行動を共にすることになり、二人の会話には嫌味と切り返しが続きます。
嫌味に本音で返す言い方、問いに問いで答える反語、そして決めつけを相手自身の暮らしに向け直す一言を、会話の順に見ていきます。
「You’re a terrible host.」と「to begin with」――嫌味に本音で返す
ニールのもとに来たケラーは、飲み物がないことに文句をつけます。
Keller: No beer. Caffrey, you’re a terrible host.
(ビールもなしか。キャフリー、ひどいもてなしだな。)
Neal: That’s ‘cause I don’t want you here to begin with.
(そもそも君にいてほしくないからね。)
Keller: Oh, I know.
(ああ、知ってるさ。)White Collar Season3 Episode11 (Checkmate)
No beer. は There’s no beer. の主語と動詞を省いた形で、目についたことをそのまま口にする短い一言です。host は客をもてなす側の人を指し、terrible host で「もてなしのなっていない家の主」という嫌味として響きます。
ニールの That’s ‘cause ~ は That’s because ~(それは〜だからだ)のくだけた形です。to begin with は「そもそも」「初めから」を表し、理由の一番根っこにあるものを示します。もてなしが悪いのは、そもそも来てほしくないからだと、嫌味をそのまま本音で打ち返しています。ケラーの Oh, I know. は、歓迎されていないことは承知の上だと返す一言です。
後の会話で、なぜニューヨークを離れなかったのかと問われたニールは、問いに問いで答えます。
Neal: You’ve seen what I have here. Why would I go?
(僕がここに何を持っているか、見ただろう。どうして出て行くんだい?)White Collar Season3 Episode11 (Checkmate)
what I have here の what は「〜するもの」を表す関係代名詞で、「ここに僕が持っているもの」という意味です。Why would I go? は would を使った反語で、「どうして出て行くだろうか、出て行く理由などない」という答えを疑問文の形で伝えています。
「How’s that going for you?」――決めつけを相手の暮らしに向け直す
会話はやがて、二人のような人間の生き方の話に移ります。
Keller: You know, there’s a reason why our kind doesn’t stay anywhere too long, Caffrey. It’s in our nature to deceive.
(いいか、俺たちみたいな人間がどこにも長居しないのには理由があるんだよ、キャフリー。だますのが性分なんだ。)
Neal: You’ve been living on the run. How’s that going for you?
(君はずっと逃げ回って暮らしてきた。それで、うまくいってる?)
Keller: It’s stressful. I’m not gonna lie.
(きついね。正直に言えばな。)White Collar Season3 Episode11 (Checkmate)
our kind は「俺たちの同類」という意味で、自分と相手を同じ種類の人間としてひとくくりにする言い方です。there’s a reason why ~ は「〜なのには理由がある」で、このあとに続く自分の見方の前置きになっています。
ニールの You’ve been living on the run. は現在完了進行形で、逃亡生活が過去から今まで続いていることを表します。on the run は「逃走中で」という意味です。
続く How’s that going for you? は、文字どおりには「それで調子はどう?」と進み具合を尋ねる問いです。ただし、うまくいっていないと分かっている相手に向けると、「そのやり方で本当にうまくいっているのか」という皮肉になります。ここでは、ケラーが「俺たちの同類」とくくった生き方を、ケラー自身の暮らしに向け直して問い返しています。
ケラーの I’m not gonna lie. は、直訳すると「うそはつかない」で、「正直に言うと」という前置きや後置きとして使われます。皮肉な問いに対して、ここでは It’s stressful. と認める一言のあとに置かれています。
まとめ|嫌味と決めつけに返す皮肉の英語
to begin with の切り返し、Why would I go? の反語、our kind の決めつけと How’s that going for you? の問い返しを見てきました。相手の言葉を受けて向きを変えるだけで、短い皮肉になると分かります。
『ホワイトカラー』の因縁の二人の会話を観ながら、言葉の応酬の妙を味わってみましょう。
ほかのコラムやフレーズ記事でも、この回の別の場面の英語を紹介しています。


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