海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン3第11話は、限られた時間の中で難しい判断を迫られるピーターたちの緊迫が続く回です。相手はわざと軽口を挟んで感情を煽ろうとしますが、ピーターたちはその挑発に付き合わず、事態を前に進めるための言葉を積み重ねていきます。相手を揺さぶるために操作される言葉と、それに巻き込まれず状況を動かすための言葉の対比が、この回の会話の随所に表れています。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン3第11話では、ケラーがエリザベスを人質に取り、財宝と引き換えに解放すると持ちかけてくる。ピーターとニール、モジーは限られた時間の中で、エリザベスの安否を最優先にしながらケラーの要求にどう応じるか難しい判断を迫られる。ジョーンズとダイアナのチームは並行して手がかりを追い、押収物や現場に残された痕跡から居場所を絞り込もうとする。警察の証拠保管という思わぬ壁も立ちはだかり、事態は緊迫の度を増していく。『ホワイトカラー』S03E11のあらすじをたどるときは、誰が相手を揺さぶろうとし、誰がそれに乗らず前へ進めようとしているかに注目すると、会話の温度差が見えてくる。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. tug on someone’s heartstrings
(人)の琴線に触れる、感傷的な気持ちにさせるという意味です。
Keller: You two kids are tugging on my heartstrings here.
(お前たち二人には、心の琴線を揺さぶられるね。)
妻との通話を切られた後も呼びかけを続けたピーターに対し、ケラーが皮肉っぽく茶化す場面です。tugging on my heartstringsという本来は温かい響きの言い回しを、人質を取っている当人が軽い調子で口にするところに、相手の感情を逆手に取って余裕を見せつけようとする狡猾さが表れています。
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2. have a falling out
(人と)仲たがいする、けんか別れするという意味です。
Neal: We had a falling out.
(ちょっとした仲たがいがあってね。)
モジーが連絡に応じない理由を尋ねられたニールが、事情を打ち明ける場面です。We had a falling outと過去形で淡々と答える言い方に、本当の理由を深く語らずに済ませようとする、後ろめたさを含んだニールの言葉選びが表れています。
3. have a long rap sheet
前科の記録が長い、犯罪歴が多いという意味です。
Jones: He has a long rap sheet, including kidnapping.
(誘拐を含む、長い前科の記録があります。)
サチモの血痕から出たDNA型がレナード・グラントと一致し、ケラーが好んで使いそうな人物だとジョーンズが推測を交えてチームに説明する場面です。including kidnappingと具体的な罪状を付け加える言い方に、事実だけを積み上げて危険度を伝えようとする捜査官らしい端的な物言いが表れています。
4. play by someone’s rules
(人)のルールに従って行動するという意味です。
Neal: We’ve been playing by Keller’s rules.
(俺たちはずっとケラーのルールで動かされてきた。)
これまでケラーの出方に振り回されてきた状況を、ピーターとの相談の中で見つめ直す場面です。We’ve been playing byと現在完了形で振り返る言い方に、受け身に回っていた自覚と、そこから抜け出そうとする決意がにじんでいます。
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5. rat someone out
(人)を密告する、裏切って売るという意味です。
Neal: We’ll need a well-timed call to the police and a criminal we have no concrete ties to — someone you wouldn’t mind ratting out.
(タイミングを合わせて警察に通報し、俺たちと直接のつながりのない犯罪者……つまり、密告しても構わない相手を使う必要がある。)
警察を巻き込む計画のため、ニールが深い付き合いのない小悪党を身代わりに使おうと持ちかける場面です。someone you wouldn’t mind ratting outという遠回しな言い方に、あくまで実害の少ない相手を選んで進めようとする、ニールなりの線引きが見えてきます。
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6. someone’s ears are burning
誰かに噂されている(耳がほてる)という意味です。
Keller: ‘Cause my ears are burning.
(耳がほてってきたところでね。)
自分の噂をしているのではと勘ぐったケラーが、軽口交じりに割って入る場面です。’Causeとくだけた調子で理由を続ける言い方に、緊迫した状況でも軽さを崩さず会話の主導権を握ろうとするケラーらしさが表れています。
7. cross one’s mind
ふと頭に浮かぶ、思いつくという意味です。
Keller: But it’s starting to cross my mind, Mozzie.
(だが、そろそろ頭をよぎり始めてるぞ、モジー。)
殺されかけた過去をモジーに皮肉られたケラーが、そろそろ頭をよぎり始めているとすごんでみせる場面です。it’s starting to cross my mindという婉曲な言い方に、直接的な脅し文句よりも不気味さを増す、ケラーの言葉の選び方が表れています。
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8. hit the streets
聞き込みに繰り出す、街に出て調べ回るという意味です。
Diana: Hit the streets.
(聞き込みに繰り出して。)
手がかりをつかんだダイアナが、捜査班に指示を出す場面です。命令形の短い一言で締めくくる言い方に、状況を分析する段階から実際に動く段階へ切り替える、リーダーとしての判断の速さが表れています。
9. work double shifts
二交代分働く、通しで勤務するという意味です。
Jones: Whatever they found there, it’s important enough that they have the 22nd Precinct doing double shifts.
(そこで見つかった物が何であれ、22分署が通しで二交代分働くほど重要らしい。)
保管施設の調査結果についてジョーンズがピーターに報告する場面です。Whatever they found thereと中身を明かさないまま重要性だけを伝える言い方に、詳細が分からない段階でも規模の大きさから状況を推し量ろうとする姿勢が表れています。
10. clear things up
(誤解や問題を)解消する、はっきりさせるという意味です。
Brubaker: How can I help clear things up?
(どういったご用件で、事情をはっきりさせるお手伝いができますか?)
ニールが地方検事局からの電話を装って取り次ぎ、ブルベイカー巡査部長がその相手に丁重に応じる場面です。How can I help ~?と下手に出る丁寧な言い方に、相手の機嫌を損ねまいとする、板挟みの立場ならではの慎重さが表れています。
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このエピソードの英語学習ポイント
ケラーの言葉を追うと、相手の感情を利用して優位に立とうとする話し方が見えてきます。You two kids are tugging on my heartstrings here.と、人質を取っている当人が夫婦の絆をあえて茶化す言い方には、恐怖よりも軽さを見せつけることで、こちらの動揺を誘おうとする狙いが透けています。相手が本気で怒っても不安がっても、ケラーはそれを笑いのネタに変えてしまうことで、会話の主導権を手放しません。
これに対し、ピーターとニールは相手の土俵に乗らず、状況を前へ進める言葉を選んでいきます。We’ve been playing by Keller’s rules.と、これまで受け身だった自覚をまず言葉にしたニールは、続けてWe’ll need a well-timed call to the police and a criminal we have no concrete ties to — someone you wouldn’t mind ratting out.と、次に取るべき具体的な行動へと言葉をつなげます。相手に揺さぶられていることを認めた上で、そこから動くための計画に言葉を切り替えるところに、感情に流されず状況を動かそうとする二人の姿勢が表れています。
同じ緊迫した場面でも、ダイアナのHit the streets.のように、感情を交えず次の行動だけを短く指示する言葉もこの回には並走しています。聞き取りの際は、相手を挑発するために引き延ばされた軽口と、状況を先に進めるために短く言い切られた指示との、長さやテンポの違いに耳を澄ませてみてください。ドラマをもう一度見るときは、字幕を追いながら、どちらの言葉が会話の流れを止め、どちらが前に進めているかを意識して聞き比べると、緊迫した会話の組み立て方がより具体的に見えてきます。
キャラクター別|英語の特徴
ピーター|感情を煽られても、短く言い切って場を締める英語
家族を人質に取られた極限状態でも、ピーターは感情に任せた長広舌を避け、短い言い切りで状況を締めくくろうとします。台本では、ピーターの発話としてWe can do this without the commentary.が確認できます。ケラーが挑発めいた軽口を重ねてきた直後に、余計な言葉を切り捨てるようなこの一言を返すところに、感情より状況判断を優先しようとするピーターの姿勢が表れています。
作戦の相談で「口封じのために警官を殺す」とケラーが持ちかけた場面でも、ピーターはI will not let anyone die on this. That’s not up for debate.と、これ以上ないほど短く、迷いのない言葉で退けます。長く説得を試みるのではなく、議論の余地そのものを断ち切る言い方を選ぶところに、極限状況でも譲れない一線を明確に示すピーターらしい話し方が見えてきます。
モジー|物騒な軽口で緊迫感を和らげる英語
台本では、モジーの発話としてI’m currently sticking bamboo under his fingernails.が確認できます。ケラーへの怒りを表す物騒な内容を、涼しい顔で口にするようなこの一言に、感情を爆発させるのではなく、皮肉めいたユーモアに変換して緊張を逃がそうとするモジーらしい話し方が表れています。
ケラーから軽口交じりに命を狙われたことをあてこすられた際にも、モジーはYeah, is there anyone in this room you haven’t tried to kill?と、恐怖を見せるどころか、同じ調子で切り返します。物騒な話題を物騒な言葉のまま笑いに変えてしまうところに、危険な相手を前にしても飄々とした態度を崩さないモジーの持ち味が表れています。
ケラー|馴れ馴れしさと脅しを行き来しながら主導権を握る英語
台本では、ケラーの発話としてI like to see the passion, Burke. It shows me you’re motivated.が確認できます。エリザベスの無事を案じるピーターの怒りに触れた直後、その感情の昂りをむしろ面白がるようなこの一言を返すところに、相手を苛立たせることで会話の主導権を握ろうとする狙いが透けています。
その後の場面では、ケラーは打って変わって馴れ馴れしさを前面に出します。Oh, Peter, Peter, Peter. Can I call you Peter? Now that we’re working together and all, huh?と、名前を三度も繰り返し親しげに呼びかけるこの言い方には、対等な協力関係を装いながら、実際には相手を見下し、会話の空気を自分のペースに巻き込もうとする狙いが表れています。親しげな軽口と底意地の悪い挑発を行き来しながら、常に会話の主導権を自分の側に置こうとするところに、ケラーの狡猾さが表れています。
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