海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン1 第7話の前半から、宝石店のピンクダイヤが偽物にすり替えられた事件を巡り、ピーターがニールにアリバイを尋ねる場面を取り上げます。疑われていると察したとき、相手に言われる前に自分から口にするには、英語でどう言えばよいのでしょうか。
短い問いの重ね方と、自分への疑いを受け止める側の返し方を、場面の流れに沿って順に見ていきます。
「What were you doing ~?」で、その時の行動を確かめる
事件の夜、ニールのアンクレットの記録は6時間にわたって途切れていました。容疑者タランへの聞き込みを終えたあと、ピーターはニール本人にこう切り出します。
Peter: What were you doing the night of the heist?
(事件の夜は何をしてた?)
Neal: Went over some case files.
(事件のファイルに目を通してたよ。)
Peter: That’s it? Didn’t hang out with anybody?
(それだけか? 誰とも会ってないのか?)White Collar Season1 Episode7 (Free Fall)
What were you doing ~? は過去進行形の疑問文で、「その時点で何をしている最中だったか」を尋ねる形です。What did you do? が「何をしたか」を尋ねるのに対し、過去進行形はある時点の状況を描いてもらう聞き方になります。
ニールの Went over some case files. は、主語の I を省いた口語の答え方です。go over は「(書類などに)ひととおり目を通す」という句動詞です。
ピーターの That’s it? は「それだけか?」と、答えが足りないと感じたときの短い問い返しです。続く Didn’t hang out with anybody? も主語の you を省いた形で、hang out with ~ は「〜と一緒に過ごす」という日常的な句動詞です。短い問いを重ねて、答えの続きを引き出そうとする様子が伝わってきます。
「I am the list, aren’t I?」で、疑いを先回りして認める
問いがもう一つ重ねられたあと、ニールは自分の置かれた立場を一気に言葉にします。
Neal: I don’t have an alibi. Look, I get it. Inside job, diamond forgery, OPR’s in town. I’m sure I’m at the top of the list. I am the list, aren’t I?
(アリバイはないよ。いいんだ、分かってる。内部の犯行、ダイヤの偽造、OPRも来てる。容疑者リストの一番上は僕に決まってる。というより、リストには僕しかいないんだろう?)White Collar Season1 Episode7 (Free Fall)
Look, I get it. は「いいんだ、分かってる」と、相手の立場や考えを先に汲んでから話し出す前置きです。Inside job, diamond forgery, OPR’s in town. は文にせず、名詞を並べて状況を示す話し方になっています。なお、inside job は同じ話のフレーズ記事でも扱っています。
at the top of the list は「リストの一番上に」、つまり真っ先に疑われる立場を指す言い回しです。ニールはさらに I am the list と言い直し、「一番上どころか、リストそのものが自分だ」と強めています。
最後の aren’t I? は付加疑問です。I am の文に否定の付加疑問を付けるとき、口語では amn’t I ではなく aren’t I の形が一般的に使われます。相手が言い出す前に自分への疑いを口にすることで、ニールが状況を冷静に見ていることが分かります。
「Did you do it?」と、はぐらかしから否定への切り替え
自分への疑いを認めたニールに、ピーターは短く一点だけを尋ねます。
Peter: Did you do it?
(お前がやったのか?)
Neal: Come on, man.
(勘弁してよ。)
Peter: Did you do it?
(やったのか?)
Neal: I didn’t do it. I’m telling you the truth, Peter.
(やってない。本当のことを言ってるんだ、ピーター。)White Collar Season1 Episode7 (Free Fall)
Did you do it? は、余計な語を付けずに核心だけを問う直球の疑問文です。ニールの Come on, man. は「勘弁してよ」「よせよ」と、問いそのものをかわすときによく使われます。
ピーターが同じ問いを繰り返したことで、ニールは I didn’t do it. と正面から否定します。続く I’m telling you the truth, Peter. は、最後に相手の名前を添えることで、言葉の真剣さを強めています。一度目ははぐらかし、二度目で答えるという流れが、二人の間の緊張を映し出す場面です。
まとめ|疑いを先回りして認め、正面から否定する
過去進行形でその時の行動を尋ねる What were you doing ~?、名詞を並べて状況を示す話し方、付加疑問の aren’t I?、直球の Did you do it? を見てきました。問う側と答える側の言葉の選び方が分かる場面です。
次回も『ホワイトカラー』の会話を手がかりに、英語の表現を一緒に見ていきましょう。
同じエピソードの別のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、この回の会話がより立体的に見えてきます。


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