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今回は『ホワイトカラー』シーズン3 第15話から、かつてプロの野球選手だったピーターが、選手を辞めた経緯をニールに語る朝の会話を取り上げます。「もし続けていたら」と過去の分かれ道を語る仮定の形が、短いやり取りの中にまとまって出てくる場面です。
当時の見込みを伝える言い方から、今にして思えばと振り返る言い方まで、会話の順に沿って一つずつ見ていきます。
「if I continued, I’d ~」と「look back and wish」で、当時と今をつなぐ
朝食の席で、ニールはエリザベスの話から、ピーターがプロの野球選手だったことを初めて知ります。春季キャンプの2週間で肩を痛め、手術を経て3か月後に3Aの球団へ戻ったという本人の話を受けて、ニールが問いかけます。
Neal: So you still had the slider?
(じゃあ、スライダーはまだ投げられたの?)
Peter: Yeah, but that was the problem. I could throw it, but the doctors said if I continued, I’d destroy my arm for good.
(ああ、だがそれが問題だった。投げることはできた。だが医者には、続けたら腕を完全に壊すと言われたんだ。)White Collar Season3 Episode15 (Stealing Home)
医者の言葉は、もともと「続ければ腕を壊す」という現在から見た見込みだったと考えられます。それを過去の出来事として伝えているため、continue が continued、will が would(I’d)へと一つずつ過去にずれた形と読めます。for good は「永久に」という意味の熟語で、destroy と組むと、二度と元に戻らないという重さが加わります。
ピーターは、続けるか新しい情熱を見つけるかの選択があったと語り、ニールはさらに踏み込みます。
Neal: You never look back and wish you played in the majors?
(振り返って、メジャーでプレーしたかったって思うことはないの?)
Peter: Oh, of course I do. There’s no bigger dream than playing in the show.
(ああ、もちろんあるさ。あの大舞台でプレーすること以上の夢はない。)White Collar Season3 Episode15 (Stealing Home)
look back は「振り返る」、wish は「〜だったらよかったのにと思う」で、この二つを並べると、選ばなかった道への未練があるかどうかを尋ねる問いになります。平叙文の語順のまま疑問符で終わり、never を入れて「一度もないの?」と確かめているのもポイントです。答えの I do は、look back and wish を do 一語で受け直した形です。the show はここでは直前の the majors を受けて、メジャーという大舞台を指しています。
「In hindsight」と仮定法過去完了で、選ばなかった道の先を語る
未練を認めたうえで、ピーターは話を今の自分につなげて締めくくります。
Peter: In hindsight, if I’d kept playing, I would have destroyed my arm. Then I never would have been able to pass the FBI physical. And I never would have caught you.
(今にして思えば、あのまま続けていたら腕を壊していた。そうしたらFBIの身体検査にも通れなかったし、君を捕まえることもなかっただろう。)White Collar Season3 Episode15 (Stealing Home)
In hindsight は「後から振り返ってみると・今にして思えば」という前置きで、当時は分からなかったことが今なら分かる、という視点を示します。続く if I’d kept playing の I’d は I had の短縮で、if + had + 過去分詞, would have + 過去分詞 は、実際には起きなかった過去を仮定する仮定法過去完了の形です。ピーターは現実には野球を辞めているので、「続けていた場合」は事実と反対の仮定にあたります。
この文の面白さは、仮定の結果を一つで終わらせず、Then と And で次々につないでいく点にあります。腕を壊す、身体検査(physical はここでは名詞)に通れない、ニールを捕まえることもない、と仮定が連鎖し、最後は目の前の相手にたどり着きます。never would have は would never have と同じ意味で、never を前に出した語順も会話ではよく聞かれます。
実はこの本話の冒頭にも、同じ「捕まえた・捕まえなかった」の分かれ道が顔を出しています。好かれる詐欺師で前科もないテイラーの姿を確認したあと、ピーターが言いかけた文を、ニールが引き取ります。
Peter: Makes me wonder if that would be you —
(もしかしたら君もああなっていたのかと思わされるよ――)
Neal: If you hadn’t caught me?
(君に捕まっていなかったら、ってこと?)White Collar Season3 Episode15 (Stealing Home)
hadn’t caught も had + 過去分詞の形で、捕まった現実と反対の過去を仮定したものです。同じ分かれ道が、冒頭ではニールの口から、朝食の席ではピーターの口から、仮定の形で語られているのが印象的です。
まとめ|仮定の形で過去の分かれ道を語る
時制がずれた if I continued, I’d ~、未練を尋ねる look back and wish、そして In hindsight から始まる仮定法過去完了の連鎖を見てきました。選ばなかった道を語る形を知ると、振り返りの会話が聞き取りやすくなります。
『ホワイトカラー』を観ながら仮定の形を拾っていくと、登場人物の過去がまた違って見えてきます。
同じ回の英語はフレーズ記事でも扱っています。


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