「take someone on」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S03E15で学ぶ英会話

「take someone on」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

友人が危険な相手に近づこうとするのを止めきれず、せめて条件だけは自分の側で決めておきたいと考えた経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。

そんな折衷案の場面にぴったりの「take someone on」を、『ホワイトカラー』シーズン3第15話の序盤、危険な誘いに引き下がらないモジーに対してニールが妥協案を持ちかけ、モジーがあらかじめ一線を引くシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「take someone on」の意味とニュアンス

take someone on
意味:人を雇う、仲間として受け入れる、対戦相手として受けて立つ

take on には「引き受ける」という基本イメージがあり、対象が人である場合は「その人を仕事や仲間として迎え入れる」「対戦相手として受けて立つ」という意味に発展します。新しいスタッフを採用する場面にも、困難な相手に挑む場面にも使える、対象への向き合い方を示す句動詞です。

ここでは he takes you on の形で「彼(テイラー)が君を仲間として受け入れる」という意味になります。同じ take on でも、対象が仕事や課題であれば「引き受ける」、対象が組織であれば「採用する」というように、文脈によって和訳の言葉が変わる点が特徴です。

【ここがポイント!】

  • 「take on」の核は、誰か・何かを自分の側に引き受けて迎え入れるイメージ
  • 対象が人なら雇用や仲間入り、対象が課題なら引き受けの意味に変わる柔軟さ
  • he takes you on のように「人」を目的語に置くと採用・仲間入りの意味になりやすい

『ホワイトカラー』S03E15のシーンで見てみよう

意味を確認したところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

危険な計画から手を引くよう説得しても引き下がらないモジーに対し、ニールは折衷案を持ちかけます。モジーがテイラーとの顔合わせをセッティングするところまでで、あとはニールが引き受けるという提案です。

Neal: All right, how about this? You keep your integrity intact. You said Taylor was asking about me, so set up the meeting. Then you’ve done your part.
(わかった、こういうのはどうだろう? 君は自分の筋を通したままでいい。テイラーが僕のことを聞いてきたと言ってたね、だったら会う場をセッティングしてくれ。それで、君の役目は終わりだ。)

Mozzie: If he takes you on, I will not wear a wire, I will not testify, and I will not lie to Taylor.
(もし彼が君を仲間に受け入れたとしても、私は盗聴器はつけないし、証言もしない。テイラーに嘘もつかない。)

Neal: You won’t have to. It’ll be like we’re really doing the job.
(そんなことしなくていい。本当に仕事をやるのと同じことになるんだから。)

Mozzie: Yeah, without the fun.
(ああ、楽しみだけは抜きでね。)

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シーン解説と心理考察

「君は自分の筋を通したままでいい」というニールの提案には、相手の矜持を尊重しながら状況を丸く収めようとする、この人物らしい交渉術がよく表れています。相手を頭ごなしに止めるのではなく、モジーの役目をあらかじめ小さく区切っておくという発想の切り替えが見どころです。

一方のモジーは、たとえテイラーがニールを一味に仲間として受け入れたとしても、自分は盗聴器も証言も嘘も引き受けないと、あらかじめ一線を引きます。FBIという「スーツ」たちへの根深い不信感を持つモジーらしい自己防衛であり、友情のためにここまでは協力するが、それ以上は権力機構に利用されないという強い意志が滲む発言です。あらかじめ条件を並べておくことで、後になって板挟みにならないよう予防線を張っているようにも見えます。ニールが「そんなことしなくていい」と軽く受け流し、モジーが皮肉っぽく「楽しみだけは抜きでね」と返す掛け合いには、長年の友情に裏打ちされた気安さが表れています。危険な話であっても軽口を交わす余裕を保っているところに、この2人の関係の深さが表れていると言えます。緊張感のある交渉の直後にふっと肩の力が抜けるようなやり取りが挟まる呼吸も、この場面ならではの味わいです。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

take(取る)と on(乗せる)の組み合わせから、新しい荷物や役割を自分の肩に「乗せて引き受ける」イメージを思い浮かべてみましょう。棚に積まれた荷物を一つ選び、自分の背中に担いで持ち上げる感触を想像すると、この句動詞が持つ「引き受ける」という感覚がつかみやすくなります。

人を雇うのも、課題を引き受けるのも、対戦相手を受けて立つのも、すべて「自分の側に(on)乗せて引き受ける(take)」という感覚でつながっています。劇中でモジーが案じていたのも、まさにニールという荷物がテイラーの側に受け入れられるかどうかという話でした。誰の肩に何が乗るのかを意識しながらこの表現を覚えておくと、雇用の場面でも対戦の場面でも迷わず使えるようになります。荷物を受け取る側の肩にどれだけの重みがかかるのかを想像してみると、take on という一語に込められた責任の大きさも自然と実感できるはずです。

例文で覚える「take someone on」

採用の場面から対戦相手への挑戦まで、take someone on を3つの例文で確認していきましょう。

The company decided to take her on as a full-time employee.
(その会社は彼女を正社員として雇うことにした)
採用が決まった場面です。as 以下で雇用形態を添えることで、どのような立場で迎え入れられたのかが明確になります。

He’s willing to take on anyone in a chess match.
(彼はチェスの試合なら誰が相手でも受けて立つつもりだ)
対戦相手への挑戦を語る場面です。anyone を目的語に置くことで、相手を選ばない自信のほどが伝わります。

A: Are you sure the studio will take me on for this role?
B: I don’t know, but it’s worth asking.
(A:このスタジオ、この役で私を採用してくれると思う?)
(B:わからないけど、聞いてみる価値はあるよ。)
オーディションを控えた相手を励ますカジュアルな会話です。take on が「仲間・スタッフとして迎え入れる」という意味で使われている一例でもあります。

あわせて覚えたい関連表現

hire someone
(人を雇う)
take someone on よりも直接的でビジネスライクな響きを持ち、契約や給与の話が前提にある場合に使われやすい表現です。

bring someone on board
(仲間に迎え入れる)
プロジェクトやチームへの参加を強調するニュアンスが強く、take someone on と違って対戦相手への使用はできない表現です。

take someone up on something
((申し出などを)受け入れる)
対象が「人」ではなく「申し出・提案」である点が take someone on とは異なります。例えば take you up on that offer のように使われます。

Note|take on の多義性、一語が雇用・引き受け・対戦を同時にカバーする発想

日本語で「雇う」「引き受ける」「受けて立つ」は、それぞれ別の動詞として存在しています。ところが英語では、take on という一つの句動詞がこの3つの意味を同時にカバーしています。

この違いは、英語がしばしば「対象との関係性」を軸に動詞の意味を広げる言語であることを映し出しています。take on の核にあるのは「自分の領域に何かを引き入れる」という一つの動作イメージであり、その対象が人材であれば雇用に、課題であれば引き受けに、相手であれば対戦にと、意味が枝分かれしていくにすぎません。日本語のように行為ごとに異なる漢字・動詞を割り当てるのではなく、一つの中心となる感覚から文脈に応じて意味を広げていくのが英語の句動詞の発想です。The company is taking on new staff. と He’s ready to take on the champion. が、字面としてはほとんど同じ形をしていながら全く違う場面で使われるのも、この発想があるからこそです。

劇中でモジーが心配していた take you on も、まさに「仲間として引き入れられるかどうか」という一点に集約される問いでした。文脈さえ押さえておけば、意味の枝分かれに戸惑うことはありません。

一つの型が複数の場面を覆う、英語らしい発想を味わえる表現です。

まとめ|モジーの一線に見る、take onの受け入れ方

take on は、人・課題・相手のいずれを対象にしても、自分の領域に引き受けて迎え入れる姿勢を表す表現です。

採用の場面でも、困難な課題への挑戦でも、この一語があれば「何を、どのように引き受けるのか」を的確に伝えられます。

危険な誘いに乗ろうとする友人のために、あらかじめ譲れない一線を引いておくモジーの姿には、信頼と警戒が同居する複雑な胸の内が表れていると言えます。誰かを迎え入れる場面を語りたいときは、会話のレパートリーに加えてみてください。

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