海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン5 第1話から、昇進をめぐる会話を取り上げます。新しい役職を打診されたピーターと、その昇進を茶化すニールのやり取りには、「いきなり全部ではなく一つずつ」という段階の感覚を表す言い回しがいくつも出てきます。
ブルースによる打診の場面から捜査の合間の軽口まで、時期や順番を区切る表現と、その使いどころを場面ごとに順に見ていきます。
「Not right away.」と「stepping stone」で先の話を区切る
職場に戻ったピーターのオフィスを、ブルースが訪ねます。ブルースは、ピーターがとても重要な人たちの目に留まっていると伝え、ピーターは話の行き先を確かめます。
Peter: And now they want me in D.C.?
(それで今度は、俺をD.C.にってことか?)
Bruce: Not right away.
(すぐにではない。)White Collar Season5 Episode1 (At What Price)
right away は「すぐに」「ただちに」という意味です。前に not を置いた Not right away. は、Yes とも No とも言い切らずに、時期だけを先へずらす答えになります。「いずれはあり得るが、今ではない」という含みを、三語で伝えられる言い方です。
ブルースは続けて、隣の空いている部屋の話を持ち出します。ピーターがその意味を確かめると、ブルースは今回の打診の位置づけをはっきり示します。
Peter: They want me to run White Collar division?
(俺にホワイトカラー部門を率いろと?)
Bruce: Consider it a stepping stone to D.C.
(D.C.への足がかりだと思えばいい。)White Collar Season5 Episode1 (At What Price)
stepping stone は川を渡るための「飛び石」のことで、そこから「次の目標へ進むための足がかり」という比喩でも使われます。Consider it ~ は「それを〜とみなせ」という命令文で、相手に物事の受け止め方を示すときの形です。打診された役職を終着点ではなく途中の一段として示している点で、Not right away. の答えとつながっています。
この打診に、ピーターは光栄だと応じつつ、話が急だと口にします。仕事の場面では、Not right away. で時期をずらし、stepping stone で段階を示す組み合わせが、相手の期待を調整する言い方として使えます。
「One promotion at a time.」で一つずつの順番を示す
ピーターから呼ばれたニールとの会話でも、昇進の段階が話題になります。
Peter: We’ve got a case.
(俺たちに事件だ。)
Neal: We? Aren’t you ASAC now?
(僕たちで? もうASACなんじゃないの?)
Peter: Paper work goes through next week. Today, I’m a field agent with a bad guy to catch. One last case.
(書類が通るのは来週だ。今日の俺は、捕まえるべき悪党がいる現場の捜査官だ。最後の一件だよ。)White Collar Season5 Episode1 (At What Price)
Aren’t you ~? は否定疑問で、「〜じゃないの?」と自分の認識を確かめる聞き方です。ピーターは手続きの時期で答え、Today で「今日の時点では」と区切っています。
捜査の途中にも、昇進の話がもう一度出てきます。
Neal: Are we stealing this?
(僕たち、これを盗むの?)
Peter: Oh, they called it a promotion for the ASAC job.
(ああ、ASACの職への昇進の一環だそうだ。)
Neal: Should have held out for a private jet.
(プライベートジェットが出るまで粘ればよかったのに。)
Peter: One promotion at a time.
(昇進は一つずつだ。)White Collar Season5 Episode1 (At What Price)
this が何を指すかは台詞では語られませんが、ピーターは昇進に伴うものだと答えています。ニールの Should have held out for ~ は主語の You を省いた should have + 過去分詞で、「〜すればよかったのに」と過去の選択を冷やかす形です。hold out for ~ は「〜が手に入るまで粘る」という意味で、交渉で条件を譲らない場面によく使われます。
ピーターの One promotion at a time. は、one + 名詞 + at a time(一度に一つずつ)の型です。One step at a time.(一歩ずつ)や One day at a time.(一日一日)と同じ形で、先を急ぐ相手を「まずは目の前の一段から」といなす返しになっています。
まとめ|「すぐではない」から「一つずつ」まで
Not right away.、stepping stone、Paper work goes through next week.、One promotion at a time. と、時期や段階を区切る言い方を見てきました。今の位置を示して先を急がない表現は、仕事の話題で役立ちます。
昇進の話が動き出す『ホワイトカラー』を、二人の軽口とともに追っていきましょう。
この回の英語は、まとめやフレーズ記事でも扱っています。


コメント