「have a big mouth」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S02E15で学ぶ英会話

「have a big mouth」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

秘書に案内された初対面の相手から、思いがけず鋭い質問を投げかけられて、とっさに情報源をやんわりと切り捨てるような返し方をする場面が、ドラマにはよくあります。

そんな瞬間にぴったりの「have a big mouth」を、『ホワイトカラー』シーズン2第15話の中盤、ニール・キャフリーに成りすまして実業家スタンズラーに接近したピーターに探りを入れられたスタンズラーが、情報源の人物をあっさり切り捨てる返答から、一緒に見ていきましょう。

目次

「have a big mouth」の意味とニュアンス

have a big mouth
意味:口が軽い、おしゃべりで秘密を守れない

have a big mouth は、文字通りの「大きな口」ではなく、「入ってきた情報をすぐに外へ漏らしてしまう口」を比喩的に表す表現です。have a big mouth という状態そのものが、その人の性格や習性を表す言い方として定着しています。

親しい相手を軽くからかう場面から、本気で相手を非難する場面まで幅広いトーンで使え、文脈次第で温度感が大きく変わる懐の深さがあります。誰かに何かを話すときに「あの人には言わないほうがいい」という警戒を示す前置きとしても、日常会話で頻繁に登場する表現です。

似た性格描写の表現が数多くある中でも、have a big mouth は特に口語的で、あだ名のように人物そのものと結びつきやすいのが特徴です。一度そう評された人物には、その後もずっとこのレッテルがついて回る、そんな粘り強さを持つ言い回しでもあります。

【ここがポイント!】

  • 「have a big mouth」の核は、入ってきた情報をすぐに漏らしてしまう口というイメージ
  • 親しみを込めたからかいから本気の非難まで、トーンの幅が広い表現
  • 名前の一部のようにあだ名的に使われることもある、印象に残りやすい言い回し

『ホワイトカラー』S02E15のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

今回スタンズラーの前に現れるのは、ニール・キャフリーに成りすましたピーターです。実は今回の潜入捜査、ニール本人はすでにスタンズラーに面が割れているため使えず、代わりにピーターが「ニール・キャフリー」を名乗って接近することになりました。秘書のブルックに案内され、実業家スタンズラーに引き合わされたピーターが、探りを入れる場面です。ピーターが情報源の人物の名を挙げると、スタンズラーはその人物をあっさり切り捨てにかかります。

Peter: You’re interested in an acquisition.
(「買収」にご興味がおありだとか。)

Stanzler: Who told you that?
(誰がそんなことを?)

Peter: Big Bill Rosko. He said you offered him a job.
(ビッグ・ビル・ロスコだ。あなたに仕事を持ちかけられたと言っていた。)

Stanzler: Yeah, well, Big Bill has a big mouth. And I never offered him anything.
(ああ、まったく、ビッグ・ビルは口が軽くてね。仕事なんて持ちかけちゃいないよ。)

White Collar Season2 Episode15 (Power Play)

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シーン解説と心理考察

ピーターが「買収に興味があるそうですね」とほのめかしを投げかけると、スタンズラーはすぐさま「誰がそんなことを」と食いついてきます。この時点で、彼がすでにビッグ・ビルという人物の存在と、その人物が何かを知り得る立場にあったことを暗に認めてしまっている点が見どころです。

「ビッグ・ビルは口が軽くてね」という切り返しには、情報源そのものの信用を落とすことで話をうやむやにしようとする狙いが見え隠れします。表向きは強く否定しながらも、名前を出された瞬間の反応そのものが情報のかけらを渡してしまっている――核心を直接尋ねるのではなく、あえて具体的な人名を出して相手の反応を引き出す駆け引きは、本来ならニールが得意とする手口です。それをFBI捜査官であるピーターが「ニール・キャフリー」として演じきっている、役割の入れ替わりそのものが、この短い応酬の面白さを支えています。

スタンズラーの返答が「知らない」ではなく「口が軽い人物からの又聞きだ」という形を取っている点も見逃せません。情報の出所そのものを疑わしいものとして片付けることで、事実の是非には踏み込まずに話を切り上げようとする、駆け引き上手な人物像がここから浮かび上がってきます。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

文字通り「閉じられない大きな口」を思い浮かべてみましょう。どんな情報を入れても、すぐにこぼれ落ちて外に出てしまう、そんな口の持ち主が have a big mouth の人物像です。

この場面のビッグ・ビルも、名前どおり「大きな口」で秘密を漏らしてしまうキャラクターとして描かれています。名前と性格が重なって記憶に残る、この場面ならではの覚え方も一緒に押さえておくと、実際に使う場面で自然と思い出せるはずです。閉じきらない口から情報がぽろぽろとこぼれ落ちていく、そんな動きのあるイメージまで思い浮かべておくと、記憶への定着がより確かなものになります。

例文で覚える「have a big mouth」

友人への警告から職場の噂話まで、have a big mouthが使われる幅広い場面を、3つの例文で確認していきましょう。

Don’t tell him anything — he has a big mouth.
(彼には何も話さないで。口が軽いから。)
秘密を共有する相手を選ぶ場面です。もっとも基本的な、警告としての使い方です。

She has a big mouth, so the surprise party is probably ruined already.
(彼女は口が軽いから、サプライズパーティーはもうバレてるだろうね。)
計画が漏れる心配を語る場面です。probably を添えることで、まだ確定はしていないという含みが残ります。

A: Did you tell Tom about the promotion?
B: No way, he has the biggest mouth in the office.
(A:トムに昇進のこと話した?)
(B:まさか、彼はオフィスで一番口が軽いんだから。)
職場の人間関係を語るカジュアルな会話です。biggest と最上級にすることで、警戒の強さがより際立ちます。

あわせて覚えたい関連表現

let the cat out of the bag
(うっかり秘密を漏らす)
性格を表す have a big mouth と違い、「秘密を漏らす」という一回の行為そのものに焦点を当てた表現です。

loose lips sink ships
(うかつな発言が大きな災いを招く)
ことわざ的な警句表現で、深刻な結果につながる口の軽さを戒めるニュアンスが強く出ます。

spill the beans
(秘密をばらす)
カジュアルに「秘密を打ち明けてしまう」行為を指す口語表現です。have a big mouth が人物の性質を表すのに対し、こちらは一度の行動を指します。

Note|「口が軽い」がからかいにも非難にもなる、その振れ幅

have a big mouth という同じ一言でも、使われる場面によって受け取られ方は大きく変わります。友人同士の軽いやり取りの中で「あいつ、口軽いよなあ」と笑いながら使われることもあれば、大事な秘密を漏らされた直後に「二度と何も話さない」という怒りを込めて使われることもあります。

この振れ幅の広さは、英語の性格描写の表現全般に見られる特徴でもあります。同じフレーズが、話し手と聞き手の関係性、口調、その場の空気次第で、親しみのからかいにも本気の非難にもなる。日本語の「口が軽い」も似た振れ幅を持つ表現ですが、have a big mouth は have という所有の形を取ることで、まるでその人の身体的特徴の一部であるかのように性格を語る点が特徴的です(表現の使われ方の一般的な傾向であり、統計的な調査に基づくものではありません)。

劇中のスタンズラーが「ビッグ・ビルは口が軽くてね」と口にした場面も、単なる悪口ではなく、情報源の信用を落として自分の立場を守るという実利的な狙いを兼ねた一言でした。同じ表現でも、使う人の意図によって温度がまるで変わることが、このやり取りからも見えてきます。

誰かの性格を一言で言い切ってしまう表現には、便利さと同時に、使う場面を選ぶ難しさも伴います。親しい間柄でこそ許される軽口が、距離のある相手には角の立つ言葉に変わることもあり、使う相手を選ぶ視点も忘れずにいたいところです。性格を表す一言が、状況次第で武器にも笑い話にもなる。英語の性格描写ならではの面白さです。

まとめ|秘密を託せるかどうかを見極める一言

have a big mouth は、入ってきた情報をすぐに漏らしてしまう性格を表す表現です。親しみを込めたからかいから本気の非難まで、トーンの幅広さが持ち味だと言えます。

秘密を打ち明ける相手を選ぶときも、噂好きな同僚について語るときも、この一言があれば的確に状況を言い表せます。名前とセットで覚えておくと、印象に残りやすいのも扱いやすい理由のひとつです。誰かを評するときの、ちょっとした注意喚起の一言としても重宝します。

情報源の信用を切り捨てることで自分の立場を守ろうとしたスタンズラーの返答には、一枚上手であろうとする実業家らしい駆け引きの巧みさが表れていたと読み取れます。相手が話しているのが「ニール・キャフリー」を演じるピーターだと知らないまま繰り広げられるこのやり取りも、このエピソードならではの見どころです。

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