海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン2第15話では、アルゼンチンから戻ったニールが持ち帰った手がかりと、資産家スタンズラーの停電疑惑という二つの捜査が同時に動き出します。ピーターがニール・キャフリーに成りすまして敵の懐に飛び込む今回は、いつもは忠告される側のニールが本気の警告を口にし、いつもは忠告する側のピーターがそれを軽く受け流すという、役回りの入れ替わりが会話のあちこちに表れます。深刻さを隠さずまっすぐ口にする言い方と、それを笑い飛ばして受け流す言い方が、普段とは逆の相手の間で行き交うところに、この回ならではの面白さがあります。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン2第15話では、アルゼンチンでの潜入取材を終えたニールが街角でサラと再会し、アドラーの潜伏先やドイツ兵ゲルハルト・ワグナーをめぐる新たな手がかりを持ち帰ったことを伝える。一方ピーターとエリザベスは、資産家アンドリュー・スタンズラーが人為的に停電を引き起こして荒稼ぎしているという疑惑を追い始め、証言をためらう内部関係者ブルックの情報をもとに捜査を進めていく。ニール本人はすでにスタンズラーに顔を知られているため、代わりにピーターが「ニール・キャフリー」を名乗って懐に飛び込む作戦が実行に移される。捜査班はワグナーの正体を探る作業と、停電疑惑の全容解明という二つの糸を同時にたぐり寄せていくことになる。『ホワイトカラー』S02E15のあらすじを追うときは、誰が普段どおりの態度を保ち、誰がいつもと違う役回りを演じているかに注目すると、この回特有の緊張感が見えてくる。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. put it past someone
(人)ならやりかねない、意外ではないという意味です。
Elizabeth: But I wouldn’t put it past him.
(彼ならやりかねないと思うけど。)
資産家スタンズラーが画家に発砲すると脅したと聞いたピーターに対し、エリザベスが「半分冗談だったけど」と前置きしながらも本気で警戒を促す場面です。Butで文をつなぎ直前の軽い言い方を自分で打ち消すことで、相手の危うさを侮らない姿勢を示しています。
2. pass something on to someone
(情報や物事を)人に伝える、回すという意味です。
Neal: I will pass this on to Peter.
(これはピーターに伝えておくよ。)
アルゼンチンから戻ったニールが、街角で再会したサラにロサの証言とワグナーの手がかりを報告し、報告先を明確にして締めくくる場面です。I willと自分の行動として即座に言い切る言い方に、聞いた話を自分の判断で次に渡す落ち着いた態度が表れています。
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3. give someone credit
(人を)高く評価する、買いかぶるという意味です。
Peter: You’re giving me way more credit than I deserve.
(買いかぶりすぎだよ、そんなに大した人間じゃない。)
元捜査対象から今は自分を捕まえた立場だと持ち上げられたピーターが、素直に謙遜して見せる場面です。way more creditと比較を強調することで、相手の評価と自己認識の間にある差をやんわり訂正しています。
4. be stuck with
(望まなくても)何かを抱え込む、押し付けられて逃れられないという意味です。
Neal: Now I’m stuck with the is9 form, a.k.a. the whistle-blower declaration of facts.
(おかげで今はis9フォームってやつを抱え込む羽目になった、内部告発者の事実申告書ってやつをね。)
内部告発者にピーターの名を名乗った経緯をモジーに説明したニールが、その代償として面倒な書類仕事を押し付けられたとぼやく場面です。a.k.a.で正式名称を付け加えるおおげさな言い方に、書類仕事への本音の不満がにじんでいます。
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5. throw in
(ついでに)付け加える、おまけで加えるという意味です。
Peter: And I can throw in some stuff about crop circles.
(だったらついでにミステリーサークルの話も付け加えてやるよ。)
機密ファイルを調べるついでに陰謀論めいた調査依頼をしてくるモジーに、ピーターが皮肉交じりに調子を合わせてみせる場面です。canで「できるけどやってやろう」という余裕を出しつつ、相手の突飛な発想をやんわりからかっています。
6. have a big mouth
口が軽い、おしゃべりで秘密を守れないという意味です。
Stanzler: Yeah, well, Big Bill has a big mouth.
(ああ、ビッグ・ビルは口が軽くてね。)
ニール・キャフリーに成りすましたピーターに情報源を尋ねられたスタンズラーが、知人の口の軽さのせいで秘密が漏れたのだと切り捨てる場面です。Yeah, wellと軽く受け流す出だしに、情報の出所そのものを軽視して見せる駆け引きの巧みさが表れています。
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7. put a tail on someone
(人に)尾行をつけるという意味です。
Neal: I think he put a tail on Sara.
(アドラーがサラに尾行をつけたんだと思う。)
サラと共に尾行されたと報告したニールが、これまで敵に踏み込んだ者たちが皆傷ついてきたことを踏まえ、淡々と推測を口にする場面です。I thinkと断定を避けながらも名指しで相手の名前を挙げるところに、確信に近い警戒がのぞきます。
8. mess around
ふざける、いい加減に扱うという意味です(否定形では「本気である、容赦しない」)。
Neal: Stanzler doesn’t mess around.
(スタンズラーは容赦しない相手だ。)
潜入直前のピーターに向けて、いつもとは逆にニールが真剣な警告を挟み込む場面です。keep your eye on the prizeと切り出した直後にこの一文を続けることで、軽口を封じて本気度を伝える言い方になっています。
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9. take a walk
(その場を)立ち去る、手を引くという意味です。
Stanzler: If you don’t like it, take a walk.
(気に入らないなら、立ち去ればいい。)
危険な計画を渋るルンツに対し、パーティーで話を聞くだけでいいと持ちかけたうえで、スタンズラーが相手に選択の余地を与えて説得する場面です。If you don’t likeと条件を示してから促す言い方に、無理強いはしないという体裁を保ちながら実際には引けない状況に追い込む駆け引きが表れています。
10. take advantage of
(機会や状況などを)利用する、活用するという意味です。
Peter: I’ve been invited to an event as Neal, so we can take advantage of this opportunity by slipping a video feed on Stanzler.
(ニールとして招かれたパーティーがあるから、その機会を利用してスタンズラーに映像フィードを仕込める。)
ルンツとスタンズラーの共謀が発覚した後、ニール役として招かれた機会を利用しようとピーターが作戦を提案する場面です。soで理由と行動を一続きに結ぶ言い方に、持ちかけられた偶然を計画に変えていく判断の速さが表れています。
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このエピソードの英語学習ポイント
ピーターがニールに成りすましてスタンズラーの懐に飛び込む今回は、二人のやり取りに役回りの入れ替わりがはっきり表れます。潜入直前、ふだんは忠告される側のニールが「Hey, keep your eye on the prize, okay? This is serious. Stanzler doesn’t mess around.」と、めずらしく本気の警告口調でピーターに釘を刺します。this is seriousと前置きしてからmess aroundの否定形を続けることで、いつもの軽口を封じて相手の本気度をまっすぐ伝える言い方になっています。
これを受けたピーターは「You don’t give me the “be careful” speech. I invented the “be careful” speech.」とやり返します。You don’t give me ~と相手の行動を止めるような形で切り返す言い方には、深刻な忠告を正面から受け止めず、いつもの立場が入れ替わったことを笑いに変えてしまうピーターらしい余裕がのぞきます。invented ~という誇張表現も、深刻さをそのまま受け取らない態度を後押ししています。
一方で、情報を伝える場面では二人とも遠回しな言い方をしません。アルゼンチンから戻ったニールはサラに「All right. I will pass this on to Peter.」と報告先を明言し、ピーターは潜入の作戦を「I’ve been invited to an event as Neal, so we can take advantage of this opportunity by slipping a video feed on Stanzler.」とそのまま言い切ります。忠告をかわす場面では軽さが勝ち、情報を渡す場面ではまっすぐな言い方が選ばれる、この使い分けに注目しながら見ると、二人の掛け合いの呼吸がつかみやすくなります。
キャラクター別|英語の特徴
ニール|警告する側に回っても軽さを失わない
アルゼンチンでの潜入で得た情報を的確に報告する一方、この回のニールは、ふだんとは逆にピーターへ本気の警告を放つ場面を持っています。台本ではニールの発話として「Hey, keep your eye on the prize, okay? This is serious. Stanzler doesn’t mess around.」が確認できます。this is seriousで一度言葉を止め、mess aroundの否定形で言い切る組み立てに、軽口を交わす普段の関係を一時的に脇に置いてでも相手の身を案じる真剣さがにじみます。
サラとの再会でも、ニールの報告口調は変わりません。「All right. I will pass this on to Peter.」と、聞いた情報の行き先を即座に決めて伝える言い方には、拾った手がかりを自分の判断で次に流していく、情報のハブとしての一面が表れています。警告する場面でも報告する場面でも、遠回しにせず要点を先に置く話し方が、この回のニールの一貫した特徴です。
ピーター|忠告を茶化しても計画は譲らない
ニール・キャフリーに成りすましてスタンズラーに接近するという、本人とは逆の役回りを演じるピーターですが、素の実直さは崩れません。台本ではピーターの発話として「You’re giving me way more credit than I deserve.」が確認できます。捜査対象から今は自分を捕まえた立場だと持ち上げられても、way more creditと比較で謙遜してみせる、飾らない自己認識がここに表れています。
一方でニールから本気の警告を受けた場面では、「You don’t give me the “be careful” speech. I invented the “be careful” speech.」と切り返し、深刻な忠告をあっさり笑いに変えてしまいます。謙遜する場面では正直に、忠告をかわす場面では軽やかに、状況に応じて態度を使い分けながらも、作戦そのものへの迷いは見せません。実際、映像フィードを仕込む計画についても「I’ve been invited to an event as Neal, so we can take advantage of this opportunity by slipping a video feed on Stanzler.」と、迷いのない言い方で提案しています。
モジー|茶化されても持論を手放さない
機密ファイルを調べるついでに調査を頼んだモジーは、ピーターから「And I can throw in some stuff about crop circles.」と皮肉交じりに茶化されても、すぐには冗談だと気づきません。真顔で乗ってきたところを種明かしされ、からかわれたと分かってもなお、台本ではモジーの発話として「That’s what they’ve made you believe.」と続けています。ひるまず自説を重ねてくるところに、茶化されても持論を手放さないモジーらしい粘り強さが表れています。
政府の記録管理への不信を語るときも、モジーは歴史や陰謀論めいた発想を差し込まずにはいられません。ふざけているのか本気なのか判然としない語り口そのものが、この回でもモジーらしさとして一貫しています。
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