「make up for lost time」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S04E11で学ぶ英会話

「make up for lost time」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

長らく疎遠だった相手が急に歩み寄ってきても、素直に喜べず身構えてしまうような場面があります。

そんな場面に重なる「make up for lost time」を、『ホワイトカラー』シーズン4第11話の前半、突然現れた実の父親について酔いに任せて本音をこぼすニールが、モジーとの会話の締めくくりに口にする一言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「make up for lost time」の意味とニュアンス

make up for lost time
意味:失った時間を取り戻す

make up forは「埋め合わせをする」という意味の句動詞です。lost time(失われた時間)と組み合わさることで、離れていた期間や空白の時間を、これからの行動で積極的に埋め合わせようとする姿勢を表します。単に「また会える」という再会の喜びではなく、失われた関係や機会そのものを取り戻そうとする、能動的なニュアンスを持つ表現です。

catch up(遅れを取り戻す、追いつく)と近い響きを持ちますが、catch upが情報や進捗の遅れに幅広く使われるのに対し、make up for lost timeは人間関係や時間そのものの空白に焦点を絞った、より重みのある言い回しです。

try to make up for lost timeのように、tryやwantといった動詞を添えて使われることも多く、埋め合わせが必ずしも簡単には叶わない、努力を要する行為であることが文の形からもうかがえます。it’s too late to make up for lost timeのように否定的な文脈で使われることもあり、「もはや取り戻せない」という諦めの響きを添えることもできます。肯定文と否定文のどちらでも自然に使える柔軟さが、この表現の実用性を支えています。

【ここがポイント!】

  • 「make up for lost time」の核は、空いてしまった時間の穴を埋め合わせるイメージ
  • 単なる再会ではなく、失われた関係を積極的に取り戻そうとする能動的な表現
  • 相手が本当にその資格を持っているかどうかが問われる、重みのある言い回し

『ホワイトカラー』S04E11のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。突然現れた実の父親について、モジーと酒を酌み交わしながら本音をこぼしていくニールの、複雑な胸のうちが表れる場面です。

Neal: You just want me to keep drinking so that I’ll talk about my father.
(僕に父の話をさせるために、ただ飲ませ続けたいだけだろ。)

Mozzie: I admit nothing… unless it’s working.
(何も認めないよ…うまくいっているなら別だけど。)

Neal: I don’t know whether to be mad or impressed that my own dad conned me.
(自分の父親に騙されたことに、怒ればいいのか感心すればいいのか分からないよ。)

Mozzie: Well, at least you learned where you inherited that particular skill from.
(まあ、その特技を誰から受け継いだのか、少なくともはっきりしたわけだ。)

Neal: I keep thinking I should have known it was him. That even after all these years, a man should know his own father when he’s right in front of him.
(彼だと気づくべきだったと、ずっと考えてしまうんだ。何年経っていても、目の前にいる自分の父親くらい分かるはずだろう、とね。)

Mozzie: And here he is, yet you seem hesitant to seize that opportunity.
(それで、彼は今ここにいるのに、その機会をつかむのをためらっているように見えるけど。)

Neal: To do what, Moz? Go out in the backyard and throw a baseball? He doesn’t get to come back here and make up for lost time.
(何をするためにだよ、モジー? 裏庭に出てキャッチボールでもするのか? 彼には、ここに戻ってきて失った時間を取り戻す資格なんてない。)

White Collar Season4 Episode11 (Family Business)

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シーン解説と心理考察

「僕に父の話をさせるために、ただ飲ませ続けたいだけだろ」とモジーに軽く皮肉を言いながらも、ニールは酔いに任せて本音をこぼしていきます。「自分の父親に騙されたことに、怒ればいいのか感心すればいいのか分からない」という一言には、詐欺師としての血を引いていることへの複雑な感情がにじみます。

モジーが「その特技を誰から受け継いだのか、はっきりしたわけだ」と茶化す一方、ニールは「目の前にいる自分の父親くらい分かるはずだろう」と、気づけなかった自分への苛立ちを口にします。そしてモジーに歩み寄りを促されたニールは、make up for lost timeする資格など彼にはないと、父を強く拒絶する言葉で会話を締めくくります。過去の空白を簡単には埋めさせない、ニールの頑なな一面が表れる瞬間です。

「裏庭に出てキャッチボールでもするのか」という皮肉めいた問いかけには、一般的な父子関係の温かいイメージと、自分たちの実際の関係との落差への苛立ちがにじんでいます。軽口を叩き合う友人としてのモジーとの掛け合いが、そのまま実の父への複雑な感情を引き出す装置になっている構成も見どころです。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

lost timeを「ぽっかり空いた穴」だとイメージしてみましょう。make up forは、その穴を自分の行動で埋め合わせる動作です。離れていた期間や失われた機会という穴を、努力や時間で埋めていくイメージが、このフレーズの土台になっています。

劇中のニールが「彼にはその資格がない」と拒むのは、その穴を簡単には埋めさせないという頑なさの表れでもあります。埋め合わせを許すかどうかは、埋める側だけでなく埋められる側の判断にもかかっているという視点を添えておくと、このフレーズの重みがつかみやすくなります。

例文で覚える「make up for lost time」

家族の再会から仕事の遅れの挽回まで、make up for lost timeを、3つの例文で確認していきましょう。

After years apart, they spent the whole weekend trying to make up for lost time.
(何年も離れていたあと、二人は失った時間を取り戻そうと週末をずっと一緒に過ごした。)
久しぶりに再会した家族や友人との時間を語る場面です。tryingを添えることで、完全には埋めきれない時間への意識も感じられます。

I’ve been sick all week, so I need to make up for lost time at work.
(一週間ずっと体調を崩していたから、仕事の遅れを取り戻さないと。)
体調不良で遅れた仕事を挽回しようとする場面です。人間関係だけでなく、仕事の遅れにも自然に使えます。

A: We haven’t talked in months. B: I know. Let’s make up for lost time this weekend.
(A:何ヶ月も話してなかったね。 B:そうだね。今週末、失った時間を取り戻そう。)
久しぶりに連絡を取り合った友人との会話です。Let’sを使うことで、前向きな歩み寄りの提案になります。

あわせて覚えたい関連表現

catch up
(遅れを取り戻す、追いつく)
make up for lost timeよりも軽く、進捗や情報の遅れを追いつく場合に幅広く使われる表現です。人間関係の空白に限定されない汎用性があります。

make amends
(埋め合わせをする、償う)
make up for lost timeが時間の埋め合わせに特化するのに対し、make amendsは過ちや迷惑をかけたことへの償いに使われることが多い表現です。

reconnect
(再びつながる、関係を取り戻す)
make up for lost timeが埋め合わせの行動そのものを表すのに対し、reconnectは関係が再びつながる状態に焦点を当てた表現です。

Note|make up for lost timeとcatch upの境界線

英語には「遅れを取り戻す」と訳される表現がいくつかありますが、どこまでを埋め合わせようとしているかで使い分けが変わってきます。

catch upは、会話の内容から仕事の進捗まで、幅広い「遅れ」に使える便利な表現です。友人との近況を聞く場面でも、プロジェクトの遅延を挽回する場面でも自然に使われます。一方でmake up for lost timeは、対象が「時間」そのもの、あるいはその時間の中で育まれるはずだった関係に限定される、より重みのある表現です。単に情報を追いつくのではなく、失われた機会そのものを取り戻そうとする姿勢が込められているため、家族の再会や長年の疎遠の解消といった場面で選ばれやすくなります。

ニールが父の申し出を「make up for lost time」という言葉で退けたのも、単なる情報の遅れではなく、育まれるはずだった時間そのものが対象になっているからだと捉えると、この一言の重みがより鮮明に見えてきます。

失われたのが情報なのか時間そのものなのかを意識するだけで、伝えたいニュアンスがぐっと正確になります。

同じ「遅れを取り戻す」でも、対象の重さで表現が変わる、そんな英語の奥行きです。

まとめ|失われた時間を、埋め合わせる資格

make up for lost timeは、単なる再会の喜びではなく、失われた関係や機会そのものを積極的に取り戻そうとする姿勢を表す表現です。lost timeという「空いた穴」のイメージを覚えておけば、catch upとの違いも自然と見分けられるようになります。

長らく疎遠だった相手との関係を修復しようとするときも、仕事の遅れを挽回しようとするときも、この一言があれば状況を的確に言い表せます。

長年会っていなかった父を強く拒んだニールの姿には、埋め合わせを許すかどうかは埋める側だけの問題ではないという、シビアな見方が滲んでいるのですね。差し出された歩み寄りをそのまま受け取るかどうかは、受け取る側の意志ひとつなのだと気づかされる場面でもあります。

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