「off the clock」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S01E06で学ぶ英会話

「off the clock」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

出勤中はきびきび仕事モードだったのに、ふとした瞬間に私生活の顔へ切り替わる、あの感覚はありませんか。まるで見えないスイッチが静かに入れ替わるような瞬間です。

そんな場面にぴったりの「off the clock」を、知能犯罪ドラマ『ホワイトカラー』シーズン1第6話、偽名で潜入捜査中のニールがホテルの一室で謎めいた女性マイリンと二人きりになる場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「off the clock」の意味とニュアンス

off the clock
意味:勤務時間外で、仕事から離れている

off the clockは、直訳すると「(勤務時間を記録する)時計から外れている」という状態を表す表現で、そこから「勤務時間外である」「今は仕事モードではない」という意味で使われるようになりました。もともとは、出退勤をタイムカードやパンチクロックで記録していた労働文化に根ざした言い回しで、clockという語が「勤務時間を計る装置」そのものを指しているのが特徴です。punch in(出勤の打刻をする)やpunch out(退勤の打刻をする)と同じ発想の延長線上にある表現で、on the clock(勤務時間内)の反対語として対になっています。役職や仕事内容にかかわらず、「今は職務としてではなく、一個人として話している・行動している」というニュアンスを添えたいときにも使われる、応用範囲の広い表現です。

【ここがポイント!】

  • 核は、勤務時間を計る「時計」から外れているというイメージ
  • 文字通りの「勤務時間外」にも、比喩的な「公式な立場を離れて」にも使える
  • on the clock(勤務中)とセットで覚えると、対比がつかみやすい一言

『ホワイトカラー』S01E06のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

偽名ニコラス・ハルデンとして潜入捜査中のニールは、犯罪組織のボスであるラオの指示で、ホテルの一室に一晩足止めされます。相手はラオの側にいる謎めいた女性マイリン。外で見守るFBIチームをよそに、二人きりの静かな夜が始まったところで、今回のフレーズが登場します。

Neal: So, what do we do until then?
(それまでの間、僕らは何をすればいい?)

Meilin: Relax? Have a drink?
(リラックスでもする? それとも一杯飲む?)

Neal: I’m good for now.
(今のところは大丈夫だ。)

Meilin: It’s not drugged or poisoned. Why don’t you just relax? Let’s start with this.
(薬も毒も入ってないわ。少しリラックスしたらどう? まずはこれからね。)

Neal: What are you doing?
(何をしてるんだ?)

Meilin: Taking you off the clock.
(あなたを勤務時間外にしてあげているのよ。)

White Collar Season1 Episode6 (All In)

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シーン解説と心理考察

マイリンの誘いは、単なる口説き文句には見えません。飲み物を勧める何気ない仕草の裏で、彼女は静かにニールを日常の警戒から引き剥がしていきます。潜入捜査中のニールが「今のところは大丈夫だ」と一度は距離を取る姿には、偽名の裏でも消えないプロの用心深さが表れています。それでも「薬も毒も入ってないわ」という軽い返しから始まる畳みかけには、相手の警戒をほどいていく手慣れた呼吸が感じられます。そして「Taking you off the clock」という一言が、この駆け引きの核心を突きます。ニールを見守るFBIの監視システムそのものを指しているとも、潜入捜査官としての緊張感そのものを指しているとも読める、二重の意味を帯びた言葉です。ニコラス・ハルデンという偽の顔の下に、さらにもう一枚仮面が重なっていくような緊張感が、この短いやり取りに凝縮されています。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

覚え方のコツとして、工場やオフィスの入口にあるタイムカード機械を思い浮かべてみましょう。カードをカチャッと機械から引き抜く瞬間、勤務時間の計測がふっと途切れます。off the clockのclockは、まさにこの「時間を刻み続ける機械」そのもののイメージです。マイリンがニールの腕から監視用の時計を外していく仕草は、このタイムカードを機械から引き抜く動作とどこか重なります。役割や職務という枠組みから、するりと抜け出す瞬間。その感覚をつかめれば、off the clockは自然に体になじんでいきます。

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例文で覚える「off the clock」

off the clockは、実際の勤務時間だけでなく、立場や役割から一時的に離れるという比喩的な場面でも使われます。日常・ビジネス・往復会話の3つの例文で、幅広い使い方を確認していきましょう。

I’m off the clock now, so let’s just relax and grab a coffee.
(もう勤務時間外だから、リラックスしてコーヒーでも飲もうよ。)
仕事終わりのカジュアルな場面で、肩の力を抜いた雰囲気に切り替えたいときに使える、気軽な誘い方です。

Technically, I’m off the clock, but I’ll still reply to urgent emails.
(厳密には勤務時間外だけど、緊急のメールにはまだ返信するよ。)
勤務時間外であっても仕事への責任感を持ち続けている、真面目な姿勢を伝えたいビジネスの場面に向いた言い方です。

A: Can I ask you something off the record, off the clock?
B: Sure. Just between us, not as your boss.
(A:これ、記録にも残さず、立場も抜きで聞いてもいい?)
(B:もちろん。ここだけの話、上司としてじゃなくね。)
公式な立場や役職を一旦脇に置いて、本音で率直に話したいときに使える、信頼関係を前提とした往復のやり取りです。

あわせて覚えたい関連表現

off duty
(非番、勤務外)
off the clockとほぼ同じ場面で使えますが、off dutyは警察官や消防士、医療従事者など、制服・職務に紐づいた「当番」から外れているというニュアンスが強く、より公的な響きを持ちます。

on my own time
(自分の時間で、私的な時間に)
off the clockが「計測の対象外である」という状態を指すのに対し、on my own timeは「これは会社の時間ではなく、自分の裁量で使っている時間だ」という所有権の感覚を強く打ち出す表現です。

call it a day
(今日はここまでにする、切り上げる)
off the clockが状態を表すのに対し、call it a dayは「区切りをつけて終わりにする」という行動そのものを表す表現で、勤務終了の瞬間を指し示す点が異なります。

Note|「off the clock」と「off duty」、時間で区切るか役割で区切るか

マイリンが口にした「off the clock」には、似た響きを持つ表現がいくつかあります。中でも紛らわしいのが「off duty」です。どちらも「今は仕事から離れている」という意味で使われますが、着眼点にはっきりとした違いがあります。

off the clockは、その名の通り「時計」に着目した表現です。勤務時間を計測する仕組みそのものから外れている、という状態を指すため、オフィスワーカーからアルバイトまで、時間で管理される仕事全般に使える汎用性の高さが特徴です。一方off dutyは、警察官や医療従事者、軍人といった、明確な「当番」や「職務」の概念を持つ仕事で使われることが多い表現です。dutyという語自体が「任務」「義務」を意味するため、時間の長さよりも「今、その役割を担っているかどうか」に焦点が当たります。実際、ニュース記事などでは”an off-duty police officer”(非番の警察官)という言い回しが頻繁に登場し、勤務時間外であっても職務上の責任が完全には消えないというニュアンスを帯びることもあります。時間で区切るoff the clockと、役割で区切るoff dutyという対比を意識すると、どちらを選ぶべきかの判断がしやすくなります。

マイリンの「Taking you off the clock」という一言も、単に時間の区切りを告げただけでなく、ニールという人物から「潜入捜査官」という役割そのものを一時的に引き剥がそうとする意図が重なって聞こえてきます。

時間の切り替えなのか、役割の切り替えなのか、その違いを意識してみましょう。

まとめ|マイリンの誘いに滲む、二重生活の緊張感

off the clockは、勤務時間を計る「時計」から外れている状態を表す言葉です。文字通りの勤務時間外にも、役職や立場を一旦脇に置くという比喩的な場面にも使える、幅広い応用力を持っています。

監視用の腕時計を外されながら「Taking you off the clock」と告げられるニールの場面のように、公式な立場から一歩外に出た瞬間には、独特の緊張と解放感が入り混じります。今どちらの「時間」の中にいるのかを言葉にできると、状況を整理しやすくなります。

勤務中なのか、勤務時間外なのか、その境界線を英語で示したい場面に出会ったら、表現の引き出しに加えてみてください。

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