「run into」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S03E05で学ぶ英会話

「run into」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

順調に進んでいたはずの計画が、思いがけない壁にぶつかってしまう瞬間があります。それを相手にどう切り出すか迷った経験は、誰にでもあるはずです。

そんな場面で役立つ「run into」を、『ホワイトカラー』シーズン3第5話、捜査で引き続き容疑者と会わなければならない事情を妻に打ち明けるピーターと、それに納得できないエリザベスのやり取りから、一緒に見ていきましょう。

目次

「run into」の意味とニュアンス

run into
意味:(予想外の問題・障害に)直面する、出くわす

run into は、物理的に「何かにぶつかる」という意味から転じて、「予期しない問題やトラブルに遭遇する」という比喩的な意味で日常的に使われる表現です。run(走る)と into(中へ、〜に向かって)の組み合わせが、急いで角を曲がった瞬間に何かへ正面からぶつかるような、突発的な衝突の感覚をそのまま伝えています。事前に予測できなかった、という点がこの表現の核であり、自ら望んで飛び込んだ問題には使いにくい表現でもあります。

complications(厄介な事情)のような単語と組み合わせて、計画通りに進まなくなった状況を婉曲に伝える際によく使われます。人と偶然出会った場合にも使われる表現ですが、今回のようにトラブルや障害を指す場合は、事態が思わぬ方向に転がってしまったことを角を立てずに伝える役割を果たします。深刻さの度合いを具体的に説明せずに済むぶん、状況説明の第一声として選ばれやすい言い回しでもあります。

【ここがポイント!】

  • 「run into」の核は、予期せず何かに正面からぶつかる衝突のイメージ
  • 人との偶然の遭遇にも、トラブルとの遭遇にも使える幅広い表現
  • complications と組み合わせると、悪い知らせを婉曲に伝えられる

『ホワイトカラー』S03E05のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

容疑者セレーナの正体を探る中で、ピーターは今後も彼女と接触を続けなければならない事情を抱えています。エリザベスにもこの件を伝えることになると知らされたピーターが思わず問い返し、やがてエリザベス本人にもその事情を切り出す場面です。

Peter: “We”?
(「俺たちが」?)

Neal: Yes, we.
(そうだよ、僕たちが。)

Elizabeth: Oh, come on. Why do you have to see her again?
(もう、勘弁して。どうしてまた彼女に会わなきゃいけないの?)

Peter: We’ve run into some…complications, but… Elizabeth, this… this woman is a murderer.
(ちょっとした……問題にぶつかってしまってね。エリザベス、この……この女は人殺しなんだ。)

Elizabeth: Another reason I don’t love this!
(だからこそ、この件が気に入らないのよ!)

White Collar Season3 Episode5 (Veiled Threat)

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シーン解説と心理考察

エリザベスは、ピーターがセレーナと接触を続けなければならない事情を聞かされ、「Why do you have to see her again?(どうしてまた彼女に会わなきゃいけないの?)」と納得のいかない思いをぶつけます。ピーターが漏らす「run into some…complications」という言い淀みには、業務連絡というより、妻に心配をかけたくない気持ちと正直に事情を話さなければという責任感がせめぎ合う様子が見て取れます。

続けて「この女は人殺しなんだ」と踏み込む判断には、危険な相手だからこそ自分が対応せざるを得ないという真剣さが表れていますが、それこそがエリザベスにとって不安の種になってしまう、すれ違いのやり取りとも読めます。婉曲な言い回しで切り出した話が、かえって相手の心配を深めてしまう皮肉が、このシーンの温度を作っています。仕事の詳細を守ろうとする姿勢と、妻を思う気持ちが同時に働いているからこその、もどかしいやり取りとも言えます。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

急いで角を曲がった瞬間、思いがけず誰かに正面からぶつかってしまう場面を思い浮かべてみましょう。run(走る)+into(中へ、〜に向かって)という組み合わせが、予期せずぶつかるという偶発的な衝突のイメージをそのまま表しています。

劇中でも、ピーターが計画通りに進めていたはずの捜査で予想外の問題にぶつかってしまった状況を、婉曲に伝える場面で使われていました。突然の衝突感と結びつけておくと、悪い知らせを切り出す場面でも思い出しやすくなります。走っていた勢いのまま何かにぶつかる感覚は、事前に避けようがなかったというニュアンスまで一緒に思い出させてくれます。

例文で覚える「run into」

ビジネスの報告から日常の再会まで、run into を、3つの例文で確認していきましょう。

We ran into some issues while setting up the new system.
(新しいシステムを導入する際、いくつか問題にぶつかりました。)
プロジェクトの進行報告で問題を伝えるビジネスの場面です。issues や complications と組み合わせることで、深刻さを抑えつつ状況を共有できます。

I ran into an old friend at the airport.
(空港で昔の友人にばったり会った。)
偶然の再会を語る日常会話の場面です。人との遭遇に使う場合は、トラブルとは無縁の軽やかなニュアンスになります。

A: How’s the visa application going?
B: We’ve run into some complications with the paperwork.
(A:ビザの申請はどう?)
(B:書類関係でちょっとした問題にぶつかっていて。)
手続き上のトラブルをやんわり伝える会話です。complications を添えることで、深刻すぎない報告になります。

あわせて覚えたい関連表現

come across
(偶然出くわす、見つける)
主に物や情報に「偶然出会う」ニュアンスが強く、run into のように人や問題に「ぶつかる」動的な衝突感はやや薄い表現です。

bump into
((人に)ばったり会う)
run into とほぼ同義で、特に「人に偶然会う」場面で好まれます。問題・トラブルに使う場合は run into の方が一般的です。

hit a snag
((計画などが)障害にぶつかる)
run into complications とほぼ同じ意味ですが、「小さな障害・つまずき」に焦点を絞った、より口語的な表現です。

Note|ビジネス英語で多用される”complications”という婉曲表現

英語のビジネスシーンでは、悪い知らせをそのまま伝えるのではなく、”complications” や “issues” のような曖昧な言葉を選んで場を和らげる配慮がよく見られます。今回のシーンでピーターが使った “some…complications” も、まさにこの婉曲表現の典型です。

complications は「複雑な事情」を意味する言葉ですが、具体的に何が問題なのかをぼかしたまま、相手に心の準備をさせる効果を持っています。プロジェクトの遅延を報告するメールで “We’ve run into a few complications” と書けば、詳細を後回しにしつつも状況の深刻さだけは伝わります。日本語の「ちょっと事情がありまして」に近い距離感の表現と言えるでしょう。こうした曖昧語は、相手を不必要に動揺させずに情報を小出しにする、英語のビジネスコミュニケーションらしい配慮の表れです。会議の場で結論を急がず、まず”there have been some complications”と切り出してから詳細を後追いで説明する進め方も、同じ配慮に基づいています。

ドラマのシーンでも、ピーターは “run into some…complications” と言い淀んでから、ようやく核心の「人殺しだ」という事実を口にしています。曖昧な前置きが、深刻な話への心の準備を促すクッションとして機能していたと読み取れます。

言葉を濁すことにも、相手への配慮という役割があるのかもしれません。

まとめ|予期せぬ衝突を、やんわり伝える表現

run into は、予期しない問題やトラブルに出くわしたことを伝える表現です。物理的な衝突のイメージが土台にあるからこそ、突発的な事態のニュアンスがしっかり伝わります。

complications のような言葉と組み合わせれば、深刻な話を切り出す前のクッションとしても機能する、実用的な言い回しです。人との偶然の再会を語る場面にもそのまま使える、汎用性の高さも覚えておきたいところです。

婉曲に切り出したはずの run into が、かえってエリザベスの不安を深めてしまったこのシーンは、言葉を選んでも伝わり方までは制御しきれないという、夫婦のすれ違いをよく表す場面と言えます。

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