海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン3第5話では、独身男性オークションという少しコミカルな設定を使って、FBIが危険な女性セレーナに接触します。ピーターは自分が落札される確率を本気で心配し、エリザベスは事件の裏方に回りながら自分の結婚式を思い出し、ニールはその場ででっち上げた言い訳を涼しい顔で口にします。これはあくまで任務だと念を押す軽い言葉の中に、ふと本音がにじみ出る瞬間が重なるところに、この回の会話の面白さがあります。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン3第5話では、裕福な夫を何人も亡くしている女性セレーナ・トーマスの周辺で、不審死が相次いでいることが判明する。FBIは独身男性オークションを利用してセレーナに接触することを決め、ピーター・ニール・ジョーンズの3人がボランティアとして駆り出される。エリザベスの後押しを受けて見事に落札されたピーターは、セレーナとの距離を縮めながら、彼女の目的と共犯者の正体を探っていく。捜査の合間には、ピーターとエリザベスの結婚生活を巡る小さなエピソードも挟まれ、事件と私生活の両方が同時に進んでいく。『ホワイトカラー』S03E05の展開を追うときは、どの言葉が任務の建前で、どの言葉に本音が滲んでいるかに注目すると、会話の温度差が見えてくる。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. hold on
ちょっと待ってという意味です。
Elizabeth: Hold on.
(ちょっと待って。)
自分が落札される可能性は低いと自虐するピーターを、エリザベスが即座に遮って励ます場面です。Hold on.と短く言い放って割り込む言い方に、夫の弱気を放っておけないエリザベスの気持ちがそのまま表れています。
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2. make the rounds
(順に)あちこち回る、渡り歩くという意味です。
Jameson: Nick has been making the rounds, but now he’s ready to take you ladies on the date of your lives.
(ニックはこれまであちこち渡り歩いてきましたが、今夜はいよいよ、皆さんに最高のデートをお届けする準備が整いました。)
次の出品者ニコラス・マンロー(ニールの偽名)を、司会のジェイムソンが女性たちに軽妙に紹介する場面です。has been making the roundsと前置きしてから本番の売り込みに入る言い方に、場を盛り上げ慣れた司会者らしい間の取り方が表れています。
3. stand in someone’s way
~の邪魔をする、~を妨げるという意味です。
Jameson: Don’t let me stand in your way.
(遠慮なさらず、私が邪魔をするつもりはありませんから。)
入札額が伸び悩む出品者を前に、司会のジェイムソンが値引き交渉のような軽口を挟んで入札を促す場面です。Don’t let me ~と自分を主語にして身を引くふりをする言い方に、あくまで場を盛り上げるための余興として演じ切る司会者の芝居っ気が表れています。
4. seal the deal
(取引・約束などを)最後まで仕上げる、完結させるという意味です。
Diana: You’re gonna have to seal the deal.
(最後までやり遂げてもらうしかないわね。)
セレーナの自宅の場所を掴めなかったピーターに、ダイアナが最後までやり遂げる必要があると告げる場面です。You’re gonna have to ~と選択の余地を残さない言い方に、任務を優先させる捜査官としての割り切りが表れています。
5. run into
(予期せぬ問題などに)ぶつかる、遭遇するという意味です。
Peter: We’ve run into some…complications, but…
(いくつか……厄介な問題にぶつかってしまってね、でも……)
なぜまたセレーナに会う必要があるのか問い詰めるエリザベスに、ピーターが言葉を選びながら事情を切り出す場面です。some…complications, but…と言葉を途切れさせながら核心を先延ばしにする言い方に、妻を不安にさせたくないピーターの気遣いが表れています。
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6. get out
(危険な場所から)出る、逃げるという意味です。
Neal: We got to get out of here right now.
(今すぐここを出ないと。)
ピーターがセレーナを連れて自分の部屋へ上がってくると知らされ、ニールがサラを隠そうとする場面です。get out of here right nowと即座に行動を促す言い方に、潜入捜査に巻き込まれた恋人を守ろうとするニールの機転が表れています。
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7. do someone a favor
~のためになることをする、~に力を貸すという意味です。
Mozzie: Hey, do yourself a favor.
(なあ、自分のためになることを教えてやるよ。)
デートの手配がどう整ったのか不思議がるセレーナに、ピーターが答えに詰まったところへ、正体を明かしていないモジーが唐突などうでもいい忠告を挟んでとぼける場面です。do yourself a favorと恩着せがましく切り出しておきながら、話の中身は本題とまったく関係ない忠告にすり替わる言い方に、モジーらしいはぐらかし方が表れています。
8. work out
(物事が)うまくいくという意味です。
Neal: That my date didn’t work out.
(デートがうまくいかなかったことにするよ。)
オークション主催者ジェイムソンに接触する口実として、ニールがデートがうまくいかなかったことにしようと提案する場面です。That my date didn’t work out.と、その場ででっち上げた事情を淀みなく口にする言い方に、詐欺師仕込みの言い訳のなめらかさが表れています。
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9. right away
すぐに、直ちにという意味です。
Neal: Peter needs your help right away.
(ピーターが今すぐ君の助けを必要としているんだ。)
事件解決後、サプライズの再プロポーズを仕込むため、ニールが緊急事態を装ってエリザベスを呼び出す場面です。right awayと緊迫感を添える言い方に、嘘だとは思わせない演技力が表れています。
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10. bear witness
証人になる、立会人を務めるという意味です。
Peter: Will you bear witness?
(立会人になってくれるか?)
サプライズの再プロポーズ式で、ピーターがニールに立会人を頼む場面です。Will you ~?と飾らずまっすぐに頼む言い方に、それまでの捜査中の言葉選びとは違う、素のままのピーターが表れています。
このエピソードの英語学習ポイント
独身男性オークションは、作中で繰り返し「It’s only a cover.(あくまで表向きのことだから)」と念を押される任務です。それでもピーターはEl, my chances of being picked are slim to none between Neal and…と、落札されない自分を本気で心配してみせます。エリザベスがWait. Hold on. Your chances are not slim.と即座に遮って励ますのも、これが単なる余興ではなく、夫の自信に関わる本物のやり取りだからです。任務の建前と、その奥にある本物の感情が同じ場面に同居しているところが、この回の会話の出発点になっています。
ニールの言葉には、そうした本音の漏れがほとんど出てきません。That my date didn’t work out.とその場ででっち上げた事情を一切のためらいなく口にし、後にはPeter needs your help right away.と緊急事態を装ってエリザベスを呼び出します。どちらも自分の感情を隠すための嘘ではなく、事件解決のため、あるいは他人の本気の瞬間を演出するための道具として差し出される言葉です。ニールにとって嘘は目的そのものではなく、誰かの本物の瞬間を用意するための手段になっています。
一方、エリザベスは表向きウェディングプランナーとしてセレーナに接触しながら、I’d keep it a little more intimate, simple. Just us.と、仕事の助言のふりをして自分自身の結婚式への本音をこぼしてしまいます。プランナーとしての営業トークから、いつの間にか一人称の回想に変わるこの瞬間、任務の言葉と本音の言葉の境目が消えていることに気づかされます。
この回の最後、ピーターがニールにWill you bear witness?と頼む場面まで来ると、それまで積み重ねられてきた「任務だから」という前置きがすべて外れ、素のままの言葉だけが残ります。セリフを聞き比べるときは、どの発言に「これは仕事だから」という言い訳がまだ張り付いていて、どの発言でその言い訳が外れているかに耳を澄ませてみると、この回の会話の温度差がよりはっきり感じられます。
キャラクター別|英語の特徴
ピーター|任務の言葉に隠しきれない本音がのぞく英語
この回のピーターは、事件を語る言葉の端々に個人的な不安をにじませます。オークションの前には、El, my chances of being picked are slim to none between Neal and…と、これは任務だと分かっていながら自分の魅力への自信のなさを口にします。捜査の核心をエリザベスに切り出す場面でも、We’ve run into some…complications, but…と言葉を途切れさせ、核心をすぐには言わずに慎重に間を取ります。
前者はslim to noneという断定的な言い回しで自分を落として見せる自虐、後者はsome…complications, but…と三点リーダーで言葉を止める慎重さで、どちらも直接的な言い方を避けている点は共通しています。ところが最後にニールへ立会人を頼む場面では、Will you bear witness?と、ためらいも前置きもない短い疑問文だけが残ります。任務や不安を語るときの遠回しな間の取り方が、本物の頼み事の前では消えてしまうところに、ピーターの言葉の面白さがあります。
ニール|その場ででっち上げる言い訳のなめらかな英語
ニールの言葉には、この回を通じて迷いがほとんど見られません。That my date didn’t work out.と、口実のために作った事情をよどみなく口にし、後にはPeter needs your help right away.と、緊急事態を装う嘘を平然と重ねます。潜入中のピーターが自分の部屋へ上がってくると知らされた場面でも、We got to get out of here right now.と即座に言い切り、危険を察知した瞬間の切り替えの速さも変わりません。
That my date didn’t work out.もPeter needs your help right away.も、主語と動詞だけの短く整った文で、言い訳だと疑われる隙をほとんど作りません。ただし、この二つの嘘はどちらも自分の弱さを隠すためではなく、事件を進めるため、そして最終的にはピーターとエリザベスの再プロポーズという他人の本物の瞬間を演出するために使われています。詐欺師としての技術が、この回では誰かの本気を守る道具に変わっています。
エリザベス|任務の言葉から本音がこぼれる英語
エリザベスは、この回でウェディングプランナーという表向きの役割を演じながら、その言葉の端から自分自身の本音をのぞかせます。弱気なピーターにはWait. Hold on. Your chances are not slim.と即座に割って入り、迷いのない励ましを向けます。ところがセレーナに自分の結婚式の話を求められると、But I think if I were to do it again, I’d keep it a little more intimate, simple. Just us.と、仕事の助言のはずが、いつの間にか自分自身の願いを語る一人称の言葉に変わっていきます。
前者は相手を励ますための率直な断定文、後者はif I were to do it again(もう一度やり直すなら)という仮定法から始まる私的な回想で、文の作りはまったく違いますが、どちらも飾らない本音がそのまま言葉になっている点は共通しています。表向きの仕事の言葉のはずが、気づけば本人の願いに変わってしまうところに、この回のエリザベスらしさが表れています。
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