海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第19話では、シェルドンが大学の講義に出ているころ、双子の妹ミッシーが兄ジョージーに文法の宿題を手伝ってほしいと頼みます。教える側もよく分からないまま、二人で問題に向き合う場面です。
助けを頼む言い方、わからないと打ち明ける言い方、そして「文になっているか」を確かめるやり取りを順に見ていきます。
「Can you help me?」と「I don’t understand ~」で頼む
ミッシーは兄に声をかけ、まず手伝ってほしいと伝えます。何を手伝うのかと聞かれ、宿題が分からないと打ち明けました。
Missy: Can you help me?
(手伝ってくれない?)Georgie: With what?
(何を?)Missy: I don’t understand my homework.
(宿題がわかんないの。)Georgie: You’re asking me? I don’t understand my own homework.
(俺に聞くのかよ? 自分の宿題だってわかんねえのに。)Missy: I know, but you’re all I got.
(知ってる。でも頼れるのはジョージーしかいないじゃん。)Young Sheldon Season1 Episode19(Gluons, Guacamole, and the Color Purple)
Can you help me? は助けを求めるときの基本の形です。ジョージーの With what? は「何を?」と、手伝う中身を聞き返す短い問いで、help someone with ~ の with だけを残しています。help me with my homework のように、with のあとに手伝ってほしい対象を置くのが基本の形です。
ミッシーの I don’t understand ~ は「〜がわからない」と、困っている点をはっきり伝える言い方です。対するジョージーの You’re asking me? は平叙文の語順のまま語尾を上げた問いで、「よりによって俺に聞くのか」という驚きが込められています。続く my own homework の own は「自分自身の」と強調する語です。
最後の you’re all I got は「頼れる相手はほかにいない」という意味で、got は have got の have を省いた口語の形です。頼りない返事にも引き下がらない一言で、ジョージーはこのあと何の宿題かを尋ねて話に付き合っています。
「I ain’t great with ~」で苦手を打ち明ける
宿題の種類を聞かれたミッシーが答えると、今度はジョージーが自分の苦手を口にします。
Georgie: What kind of homework is it?
(どんな宿題だ?)Missy: Grammar.
(文法。)Georgie: I ain’t great with grammar.
(文法は得意じゃねえんだよ。)Missy: Well, grammar’s just talking, and we both talk good.
(でも文法ってただの話し方でしょ。私たち二人とも話すのはうまいじゃん。)Young Sheldon Season1 Episode19(Gluons, Guacamole, and the Color Purple)
be great with ~ は「〜が得意だ」という意味で、否定にすると「〜は得意じゃない」と苦手を伝えられます。ain’t は am not や isn’t などの代わりに使われる、くだけた話し言葉の形です。ここでは I’m not great with grammar に当たる意味で、主語が I でも ain’t が入っています。
ミッシーの we both talk good は、文法の宿題を前にした言い方として興味深い一文です。talk のような動詞を修飾するとき、標準的な文法では副詞の well を使い、talk well とします。作中では good がそのまま使われており、二人のくだけた話し方がそのまま表れた一文です。
このあとミッシーは、宿題の内容をこう説明します。
Missy: There’s a list of sentences, and you’re supposed to say if each one’s a complete sentence or not.
(文がいくつも並んでて、それぞれが完全な文かどうかを答えることになってるの。)Young Sheldon Season1 Episode19(Gluons, Guacamole, and the Color Purple)
be supposed to ~ は「〜することになっている」と、決まりや指示を伝える言い方です。主語を you にすると、特定の誰かではなく、宿題に取り組む人なら誰でも従う決まりとして伝わります。a complete sentence は「完全な文」で、主語と動詞がそろった文を指します。
「sound like ~」で文になっているかを確かめる
ジョージーが1問目の問題文を読み上げると、二人は文として成り立っているかを耳で確かめ始めます。
Georgie: That doesn’t sound like a sentence.
(それは文っぽく聞こえねえな。)Missy: But ask me who drives pickup trucks.
(でも、誰がピックアップトラックに乗ってるかって聞いてみて。)Georgie: Who drives pickup trucks?
(誰がピックアップトラックに乗ってる?)Missy: Most people in the country.
(田舎のほとんどの人。)Georgie: Well, now it does sound like one.
(お、今度は文っぽく聞こえる。)Young Sheldon Season1 Episode19(Gluons, Guacamole, and the Color Purple)
sound like ~ は「〜のように聞こえる」で、like のあとに名詞を置きます。最後の it does sound like one では does が動詞を強調し、「今度は確かにそう聞こえる」と前の判断を改めています。one は a sentence のくり返しを避けるための代名詞です。
ミッシーは問題文の語句を、質問への答えとして言い直しました。先に Who drives pickup trucks? と兄に尋ねさせ、同じ語句が答えとしてどう聞こえるかを試しているわけです。会話では、問いが先にあれば主語と動詞のない短い答えでも意味が通じます。一方で、宿題が求めているのは単独で成り立つ文かどうかです。
少しあと、ミッシーは兄にこう尋ねます。
Missy: Do you think we’re stupid?
(私たちってバカなのかな?)Georgie: Sheldon’s in college right now, and we can’t figure out your homework. What do you think?
(シェルドンは今ごろ大学にいて、俺たちはお前の宿題も解けねえんだぞ。どう思う?)Missy: Sometimes I tell myself I only look stupid because he’s so smart.
(ときどき自分に言い聞かせるの。シェルドンが頭よすぎるから、私がバカに見えるだけだって。)Young Sheldon Season1 Episode19(Gluons, Guacamole, and the Color Purple)
figure out は「解き方を見つける」「答えを出す」という句動詞で、can’t figure out ~ で「〜がどうしても解けない」となります。ミッシーの I tell myself ~ は「〜と自分に言い聞かせる」、only ~ because … は「…だから〜なだけ」と理由を限定する形です。
まとめ|頼む・打ち明ける・確かめる
Can you help me? と I don’t understand ~ で助けを頼み、I ain’t great with ~ で苦手を打ち明ける。sound like ~ と強調の does を使えば、判断を改めたことも伝えられます。宿題をめぐる兄妹の会話に、身近な英語がそろっている回です。
この回のほかの場面の英語は、他のコラムやフレーズ記事でも読めます。


コメント