海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第5話には、母メアリーが子どもたちに片づけや就寝を言い聞かせる場面が続きます。散らかった部屋をめぐって兄ジョージーが言い訳を重ね、寝る時間には、シェルドンや祖母ミーモーとの短いやり取りも交わされます。
あとでやると先送りする子どもの言い方と、それを短く退ける親のひと言を、場面ごとに順に見ていきます。
「I’ll get to it later」と「No, you’ll get to it now」
音が鳴るジョージーの部屋で、メアリーは音を小さくするよう言い、続けて部屋の片づけを求めます。
Mary: Georgie, turn that down!
(ジョージー、音を小さくして!)Georgie: What?
(何?)Mary: And look at this room. You need to clean this mess up.
(それに、この部屋を見なさい。この散らかったのを片づけないと。)Georgie: I’ll get to it later.
(あとでやるよ。)Mary: No, you’ll get to it now.
(だめ、今やるの。)Young Sheldon Season1 Episode5(A Solar Calculator, a Game Ball, and a Cheerleader’s Bosom)
turn that down は音量を下げる句動詞で、that が部屋で鳴っている音を指しています。clean this mess up の mess は「散らかった状態」のことで、clean up と組み合わせて「散らかったものを片づける」という指示になります。you need to ~ は「〜しないといけない」と、相手にやるべきことを示す形です。
ジョージーの I’ll get to it later. は、get to ~ が「〜に取りかかる」という意味で、「あとで取りかかる」と先送りする返事です。やらないとは言っていないぶん、その場をやり過ごす言い訳として成り立っています。
メアリーの No, you’ll get to it now. は、息子の言葉をほぼそのまま使い、later を now に置き換えただけの返しです。相手の言い回しを借りて一語だけ変えることで、言い訳を認めない意思がはっきり伝わります。
- A: Can you take out the trash?
(ゴミを出してくれる?) - B: I’ll get to it later.
(あとでやるよ。)
「I don’t feel like it」と「nothing to do with it」
先送りを退けられたジョージーは、今度は気分を理由にします。
Georgie: I don’t feel like it.
(そんな気分じゃないし。)Mary: Well, your feelings have nothing to do with it. And stop throwing that ball.
(あなたの気分は関係ありません。それと、そのボールを投げるのはやめなさい。)Georgie: My room bothers you so much, you clean it.
(俺の部屋がそんなに気になるなら、母さんが片づけろよ。)Mary: That’s it! You are grounded! You hear me?!
(もうたくさん! 外出禁止よ! 分かった?!)Young Sheldon Season1 Episode5(A Solar Calculator, a Game Ball, and a Cheerleader’s Bosom)
I don’t feel like it. は「そういう気分じゃない」「気が乗らない」という意味で、feel like ~ は「〜したい気分だ」を表します。メアリーはこの feel を受けて your feelings have nothing to do with it と返しました。have nothing to do with ~ は「〜とは何の関係もない」で、気分はやるかどうかの理由にならないという返事になっています。
続く stop throwing that ball は stop + -ing で「〜するのをやめる」という指示です。ジョージーの My room bothers you so much, you clean it. は、「そんなに気になるなら、そっちがやれば」という口答えで、if を使わずに条件を前に置いた、くだけた組み立てです。
この口答えを受けて、メアリーは That’s it! で我慢の限界を示し、外出禁止を言い渡します。最後のひと言の意味と使い方は、同じ回のフレーズ記事で扱っています。
「Don’t you ~」で、たしなめる
別の場面で、メアリーはシェルドンに寝る支度をするよう声をかけます。
Mary: Shelly, time to get ready for bed.
(シェリー、寝る支度の時間よ。)Sheldon: But I’m not done.
(でも、まだ終わってないよ。)Mary: Don’t you sass me, too, young man. Brush your teeth and get to bed.
(あなたまで口答えしないの。歯を磨いて寝なさい。)Meemaw: I think your anger might be a little misdirected.
(その怒り、ちょっと向ける相手を間違えてるんじゃない?)Mary: Don’t you start with me either.
(お母さんまで始めないで。)Meemaw: Now, see, you’re still shootin’ wide.
(ほらね、まだ狙いが外れてる。)Young Sheldon Season1 Episode5(A Solar Calculator, a Game Ball, and a Cheerleader’s Bosom)
シェルドンの But I’m not done. は、but で切り出して「まだ終わっていない」と、すぐには従えない事情を伝える返事です。これに対するメアリーの Don’t you ~ は、否定の命令文に you を加えて「〜しないで」と強めた形です。sass は「生意気な口をきく」という動詞で、young man は子どもを改まって呼ぶことで、叱っている調子を強めています。
もう一つの見どころが too と either です。一般に、否定の文で「〜も」と言うときは either を使うとされます。メアリーの二つのたしなめはどちらも否定の命令文ですが、Don’t you sass me, too ではカンマで区切った too が「〜まで」と相手を加える働きをし、Don’t you start with me either では文末の either が同じ役目を担っています。
start with me は「(文句などを)私に言い始める」という意味で、ミーモーの指摘を口出しとして退ける返事です。ミーモーは misdirected(向け先がずれている)と言い、さらに shootin’ wide(狙いが外れている)とたとえを重ねました。shootin’ は shooting の g を落とした、くだけた話し言葉の綴りです。
| 表現 | 場面での働き |
|---|---|
| I’ll get to it later. | あとで取りかかると先送りする |
| No, you’ll get to it now. | 相手の言葉を借りて先送りを退ける |
| I don’t feel like it. | 気が乗らないと断る |
| ~ have nothing to do with it | 理由にならないと退ける |
| Don’t you ~ | 強くたしなめる |
まとめ|先送りの言い訳と、それを退けるひと言
I’ll get to it later や I don’t feel like it で先送りする子どもに、母は you’ll get to it now、nothing to do with it と返します。Don’t you ~ のたしなめや、否定の命令文に添える too と either まで、家庭の言い合いの英語が、この回の二つの場面にそろっています。
クーパー家の日常の会話を観ながら、ほかの言い回しにも目を向けていきましょう。


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