「a man or a mouse」の意味と使い方|『メンタリスト』S01E16で学ぶ英会話

「a man or a mouse」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

聞けば済む話なのに、どうしても切り出せない。規則がどうの、タイミングがどうのと理由を並べているうちに、本当は怖いだけだと気づく。そんな覚えはないでしょうか。

そんな場面で登場するのが「a man or a mouse」で、度胸があるのか腰抜けか、という意味です。『メンタリスト』シーズン1第16話の中盤、リグスビーがジェーンに頼み事を持ちかける場面に出てきます。どのように使われているのか、一緒に見ていきましょう。

目次

「a man or a mouse」の意味とニュアンス

a man or a mouse
意味:男か腰抜けか、度胸があるのかないのか

Are you a man or a mouse? の形で使われる決まり文句です。ネズミは英語で古くから臆病さの象徴とされてきました。物陰を走り、人の気配で逃げる。その姿が、そのまま気の小ささの比喩になっています。

使うのは、ためらっている相手を後押しする場面です。責めるというより、発破をかける調子が中心にあります。だから親しい間柄で、からかい混じりに出てくることがほとんどです。

疑問形が基本ですが、Man or mouse. と冠詞を落として短く突きつける形も見られます。他人にだけでなく、自分に向けて使うこともできます。

なお、男らしさと度胸を結びつけた古風な言い回しでもあります。意味を知ったうえで、使う相手と場面は選んだほうが安全な表現です。

【ここがポイント!】

  • ネズミは臆病さの象徴。man との対比で二択を突きつける
  • 責めるより、ためらう相手の背中を押す発破の言い方
  • 性別を前提にした古風な表現でもあるため、使う場面は選ぶ

『メンタリスト』S01E16のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

視力を失ったままCBIに戻ったジェーンのもとへ、リグスビーが相談を持ちかけます。同僚のヴァン・ペルトが誰かと交際しているらしいと知り、気になって仕方がない。けれど職場恋愛は規則違反という建前があり、自分からは聞けないと言います。

Rigsby: Jane, I need to ask you a favor. I need you to find out from Van Pelt about this guy she’s dating. You know, what’s the score?
(ジェーン、頼みがあるんだ。ヴァン・ペルトが付き合ってる男のこと、探ってきてくれないか。その、どうなってるのかを)

Jane: The score?
(どうなってる、とは)

Rigsby: Is it serious? Are they, uh, you know?
(本気なのか。二人は、その、なんというか)

Jane: Ask her yourself.
(自分で聞けばいい)

Rigsby: Yeah, right. No. Come on. You know the situation. It’s against the rules — relationships between coworkers.
(できるわけないだろ。頼むよ。事情は知ってるだろ。同僚同士の交際は規則違反なんだ)

Jane: What are you, a man or a mouse?
(きみは男なのか、それとも腰抜けなのか)

Rigsby: Well, man, obviously.
(そりゃ、男に決まってるだろ)

Jane: Could’ve fooled me.
(そうは見えなかったが)

The Mentalist Season1 Episode16(Bloodshot)

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シーン解説と心理考察

リグスビーが持ち出したのは規則の話でした。同僚同士の交際は認められていない。だから直接は聞けない。理屈としては通っています。

ジェーンはその理屈に付き合いません。What are you, a man or a mouse? 問題は規則ではなく度胸だろう、と話をすり替えずに一段深いところへ戻しています。しかも彼はこのとき目が見えていません。相手の表情を確かめずに核心を突けるほど、リグスビーの逡巡はわかりやすかったということになります。

Well, man, obviously. という返しにも、そのわかりやすさが表れています。当然だと言い切りながら、直前まで人に頼もうとしていた。その矛盾に Could’ve fooled me. の一言が刺さります。そうは見えなかった、というだけの短い返答が、言い訳をすべて片づけてしまいました。

このやり取りの直後、ジェーンは本人を呼び止めて核心をそのまま尋ねます。人に頼まず自分で聞け、という主張を、まず自分で実演してみせるところが彼らしい運びです。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

man と mouse を続けて声に出してみると、どちらも同じ m の音から始まることに気づきます。唇を閉じてから開く、あの音です。入り口は同じなのに、そこから先の絵はまるで違います。

一方は堂々と立つ人間、もう一方は壁際を走って逃げるネズミ。同じ音から始まるからこそ、二つの落差が耳に残ります。英語には音をそろえて二択を突きつける言い回しがいくつもあり、この表現もその一つです。

思い出すときは、声に出してみるのが早道になります。man or mouse。リズムがそろっているぶん、意味のほうも一緒に立ち上がってきます。目が見えないジェーンが、耳だけでリグスビーの逡巡を言い当てた場面と結びつけておくと、なお忘れにくくなります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「a man or a mouse」

背中を押す場面、人物を評する場面、自分に問いかける場面。三つの例文で見ていきましょう。

Come on, are you a man or a mouse? Just ask her out.
(おい、男か腰抜けか。さっさと誘えって)
友人の背中を押す場面です。劇中とほぼ同じ使い方で、Come on を前に置くと、からかい混じりの調子がはっきり出ます。

He talks big, but when it counts, he’s more mouse than man.
(彼は大口をたたくが、いざとなると男というよりネズミだ)
人物を軽く評する場面です。more A than B の形に崩すと、決まり文句を応用した言い回しになります。when it counts(いざというとき)との相性がよく、口先だけの人を指すときによく使われます。

A: I’ve been sitting on this email for three days.
B: Man or mouse. Just hit send.
(A:このメール、3日も送れずにいるんだ)
(B:度胸を見せるか、逃げるか。送信を押せ)
決断を先延ばしにしている相手を促す場面です。冠詞を落として二語だけにすると、短く突き放す響きになります。

あわせて覚えたい関連表現

chicken out
(怖じ気づいてやめる)
同じ動物の比喩ですが、こちらは結果を指します。今回の表現がこれから決めろと迫るのに対し、chicken out は結局逃げたという事実を述べる言い方です。He chickened out at the last minute. のように使います。

grow a spine
(しっかりしろ、背骨を持て)
度胸を求める点は同じですが、こちらはより強く相手を責める響きがあります。疑問形でやわらげる余地がないぶん、突き放した印象になります。

put up or shut up
(やるか黙るかどちらかにしろ)
二択を突きつける構造は共通しています。ただしこちらは、口先だけの相手に行動で示せと迫る場面に限られます。ためらっている人を後押しする用法はありません。

Note|m の音でそろえる二択

a man or a mouse がこれほど長く使われてきた理由の一つに、音の作りがあります。man と mouse は、どちらも m から始まる。頭の音をそろえて並べる、頭韻と呼ばれる型です。

英語には、この型で二択を突きつける言い回しが数多くあります。sink or swim(沈むか泳ぐか)は s、do or die(やるか死ぬか)は d、make or break(成功か破滅か)は m。いずれも音が近く、意味は正反対という組み合わせになっています。音がそろっていると、聞いた側は二つを一組として受け取ります。そのうえで意味の落差に気づくので、対比がより鋭く響くわけです。

man と mouse の場合、落差は大きさにも表れています。人間とネズミでは、体の大きさも、立つ姿も違う。堂々と立つものと、床を這って逃げるもの。この視覚的な対比が m の音でつながれることで、一息で伝わる決まり文句になりました。

劇中でこの一言を放ったジェーンは、そのとき目が見えていません。相手の姿を確かめずに、音のそろった二択だけを投げています。返ってきたのが Well, man, obviously. という慌てた否定で、その慌て方こそが答えになっていました。

耳だけで通じてしまう言い回しには、それだけの作りがあるということなのかもしれません。

まとめ|規則ではなく度胸の話

a man or a mouse は、ためらっている相手に度胸があるのかと迫る決まり文句でした。ネズミは臆病さの象徴で、man との落差が m の音でつながれています。疑問形が基本ですが、二語だけに縮めて突きつける形もあります。

友人の背中を押すとき、口先だけの人を評するとき、決断を先延ばしにしている相手を促すとき。古風な響きを持つ表現でもあるため、場面を選ぶ一言として頭に置いておくと安心です。

規則を盾にした同僚に、問題はそこではないと言い当てたジェーン。目が見えなくなっても人の心だけは読めてしまう、彼らしさが表れた場面でした。

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