海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
法事や食事会で長く正座をして、立ち上がろうとした瞬間に脚が言うことを聞かなくなる。あの感覚を英語でどう言うのだろうと考えたことのある場面があります。
その答えにあたる「one’s legs are asleep」を、『メンタリスト』シーズン3第6話の終盤、コンサルタントのジェーンと捜査官リズボンが暗がりで身を潜めているシーンから、一緒に見ていきましょう。
「one’s legs are asleep」の意味とニュアンス
one’s legs are asleep
意味:脚がしびれている、脚の感覚がなくなっている
英語では、長く同じ姿勢でいて手足の感覚が鈍った状態を「眠っている」と表現します。本人は起きているのに、脚だけが先に寝てしまった、という捉え方です。
片脚なら my leg’s asleep、両脚なら my legs are asleep と数を合わせます。しびれ始める変化を表したいときは fall asleep や go to sleep を使い、My foot fell asleep のように言います。すでに感覚がない状態を述べるのが be asleep、そこへ向かう過程を述べるのが fall asleep という関係です。
pins and needles は、チクチクする感覚だけでなく numbness を伴うしびれ全体を指すことがあります。asleep と pins and needles を厳密な二段階として分けるのではなく、前者は日常的な比喩、後者は感覚の種類を述べる言い方として、文脈に応じて重なると捉えるのが安全です。
【ここがポイント!】
- 本人は起きているのに脚だけ眠っている、という捉え方が核
- 感覚がない状態は be asleep、しびれ始めるなら fall asleep と使い分ける一言
- pins and needles は tingling や numbness を含み、asleep と表す範囲と重なる
『メンタリスト』S03E06のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
葬儀で意図的な仕掛けを演じたあと、ジェーンは犯人をおびき出す次の仕掛けを用意し、リズボンとともに暗がりで待っています。息を殺すべき張り込みの最中に、二人のあいだで交わされるのがこの小さなやり取りです。
Jane: It’s not gonna work unless you’re quiet.
(静かにしてないと、うまくいかないよ)Lisbon: I can’t keep quiet. My legs are asleep.
(静かになんてしてられない。脚がしびれてるの)Jane: What do you mean, your legs are asleep? Legs don’t sleep. It’s absurd. I don’t know why people say that.
(脚が眠ってるってどういうこと? 脚は眠らないよ。ばかげてる。どうしてみんなそう言うんだろうね)The Mentalist Season3 Episode6(Pink Chanel Suit)
シーン解説と心理考察
張り込みという緊迫した状況に、脚のしびれという生活感のある不満が持ち込まれます。犯人を待つ夜と、正座のあとのような身体の感覚。そのちぐはぐさが、この短いやり取りに軽さを与えています。
面白いのはジェーンの反応です。相方の不満をなだめるでも笑うでもなく、legs are asleep という言い方そのものに引っかかります。脚は眠らない、という指摘は理屈としては正しいのですが、慣用表現に理屈を持ち込んでいる時点で、この人の関心が事件よりも言葉に向いていることが表れています。
英語話者にとってもこの言い方が比喩であると分かるのが、このやり取りの収穫です。直前まで葬儀で意図的な仕掛けを演じていた人物が、暗がりで言葉遊びを始める。緊張の前に置かれた小さな余白として響く場面です。
『メンタリスト』流・覚え方のコツ
長い法事で正座を続けたあとの、あの瞬間を思い出してください。立とうとしても脚が返事をせず、まるでこちらの指示を無視して勝手に休んでいるように感じられます。頭は起きているのに、脚だけが先に寝てしまった状態です。
英語はその感覚をそのまま言葉にしました。劇中では、しびれを訴えるリズボンに対してジェーンが真顔で脚は眠らないと反論します。この噛み合わないやり取りごと覚えてしまえば、legs are asleep が直訳では説明できない言い回しであることも、英語話者にとっても少し不思議な表現であることも、まとめて頭に残ります。眠っている脚を起こすために、そっと足首を回す動作まで一緒に思い浮かべておくと確実です。
例文で覚える「one’s legs are asleep」
床に座る機会の多い生活では、出番の多い表現です。状態を述べる形と、変化を述べる形を見比べていきましょう。
My leg’s asleep. Give me a second.
(脚がしびれてる。ちょっと待って)
立ち上がろうとして動けない場面です。片脚なので leg と単数にし、続けて猶予をお願いすると自然に流れます。
Sitting on the floor always makes my legs go to sleep.
(床に座ると、いつも脚がしびれてしまう)
自分の体質や癖として説明する一文です。go to sleep を使うと、しびれていく過程まで含められます。
A: Why are you walking like that?
B: My foot fell asleep during the movie. Give it a minute.
(A:なんでそんな歩き方してるの?)
(B:映画の間に足がしびれちゃって。ちょっと待って)
様子を尋ねられたときのやり取りです。B のように fall asleep の過去形にすると、いつしびれたのかまで一言で伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
pins and needles
(チクチクするしびれ)
針で刺されるような tingling を中心に、numbness を伴うしびれにも使われます。asleep と厳密な段階で分けるのではなく、感覚の表し方が重なる場合もあると覚えておくと安全です。
numb
(感覚がない)
形容詞で、寒さや麻酔による無感覚にも使えます。原因を限定しないぶん医療の場面でも通じる一方、asleep のような日常的な軽さはありません。
cramp up
(つる、けいれんする)
筋肉が縮んで痛む状態で、しびれとは別の症状です。日本語ではどちらも脚の不調としてまとめがちなので、英語では分けて覚えておきたい表現です。
Note|asleep と pins and needles が重なるところ
asleep と pins and needles は、しびれを二つの厳密な段階へ分ける対語ではありません。公的医療資料では pins and needles を、tingling、pricking、numbness などを含む感覚として説明しています。
長時間同じ姿勢でいると、一時的に神経への血流が妨げられ、姿勢を変えると多くの場合は短時間で収まります。ただし、感覚がない段階と回復段階を必ず二語で分けるという規則はありません。my leg is asleep は日常的な言い方で、I have pins and needles は感じている tingling や numbness に焦点を置きます。
劇中のリズボンが選ぶのは、暗がりで同じ姿勢を続けた脚を「眠っている」と擬人化する日常表現です。立ち上がったあとに pins and needles と言う可能性はありますが、必ずそう言い換えるとまでは決まりません。
二つの表現は、時間順ではなく、比喩で状態を述べるか感覚を述べるかという焦点の違いから選べます。
まとめ|眠っているのは、脚のほうだった
one’s legs are asleep は、長く同じ姿勢でいて感覚が鈍った脚を、先に寝てしまったものとして描く表現です。pins and needles と表す範囲は重なるため、感じている状態と会話の焦点で選びます。
床に座る場面、長いフライト、映画館での二時間。しびれは日常のあちこちで起きるのに、いざ英語にしようとすると詰まりがちな話題でもあります。asleep と pins and needles、そして cramp up の三つを押さえておけば、たいていの場面は言葉にできます。
脚が眠るという言い方は、英語話者にとっても少し不思議な比喩なのですね。


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