「for all you know」の意味と使い方|『メンタリスト』S03E14で学ぶ英会話

「for all you know」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

うまくいかなかった原因を、相手が全部自分のせいだと決めつけている。話を聞いていると、その結論を出すには材料がまだ足りないと分かる。そんな場面が、職場にも家庭にもあります。

そこで差し出せる「for all you know」を、『メンタリスト』シーズン3第14話の前半、警護中の証人を失って自分を責め続けるヴァン・ペルトを、婚約者のオローリンがなんとか立て直そうとするシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「for all you know」の意味とニュアンス

for all you know
意味:あなたには分からないのだから、ひょっとしたら

これは語を一つずつ足して意味を作るより、ひとまとまりで覚える定着したイディオムです。for all you know なら、相手が持っている情報だけでは否定しきれない別の可能性がある、という意味になります。日本語なら「〜かもしれないよ」「〜って可能性もあるでしょ」あたりが近い言い方です。

大事なのは、話し手がその可能性を証明しているわけではない、という点です。証拠を新しく足すのではなく、相手が結論を出すには材料が足りない、と指摘するだけ。この表現は、断定を崩す働きだけを引き受けています。

主語は you に固定されていません。for all I know なら自分の知識の外側、for all we know なら話し手も含めた全員の外側を空けることになります。声の調子と関係性しだいで、やわらかい慰めにも、思い込みへの強い反論にもなる。同じ一言が両方向へ振れるところが、この表現の扱いにくさでもあります。

【ここがポイント!】

  • for all you know は、相手の知識では消しきれない可能性がまだ残っている、と示すのが核心
  • for all I/we know では、話し手側の知識不足や不確かさを示すだけのこともある
  • 慰めにも反論にも単なる推測にもなるので、主語と文脈を合わせて読むのがコツ

『メンタリスト』S03E14のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

警護していた証人が殺害され、ヴァン・ペルトは自分が扉を施錠したかどうかを思い出せずにいます。記憶が曖昧だという事実が、そのまま自分の落ち度の証拠に思えている。そこへ駆けつけたオローリンが、まったく同じ事実を逆の向きから示します。

O’Laughlin: You’re being too hard on yourself, okay? The killer could’ve picked that lock. He could’ve had a key, for all you know.
(自分を責めすぎだ。犯人が鍵をこじ開けたのかもしれない。君には分からないんだから、鍵を持っていた可能性だってある)

Van Pelt: Or he didn’t need a key, because I maybe left it unlocked. I lost a witness, Craig.
(それとも鍵なんて要らなかったのかも。私が開けたままにしたのかもしれないんだから。証人を死なせたのよ、クレイグ)

O’Laughlin: You’re a great cop. Hey, look at me.
(君は優秀な捜査官だ。ねえ、こっちを見て)

Van Pelt: I’m looking.
(見てるわ)

O’Laughlin: This will pass. I promise.
(このつらさは必ず過ぎる。約束するよ)

The Mentalist Season3 Episode14(Blood for Blood)

Amazon Prime Videoで見る ※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)

シーン解説と心理考察

オローリンは「君のせいじゃない」と言い切っていません。言い切れば根拠のない慰めになり、事実を気にしている相手ほど受け取れなくなるからです。代わりに彼が置いたのは、犯人が鍵をこじ開けたかもしれない、鍵を持っていたかもしれない、という具体的な別のシナリオでした。

for all you know は、そこで論点をずらす役目を果たしています。ヴァン・ペルトが握っているのは「思い出せない」という一つの事実だけ。同じ材料から、自分の落ち度という結論も、犯人が別の手段を使ったという結論も引き出せる。彼はその分岐を目の前に並べ直しているのが分かります。

それでも返ってくるのは I lost a witness という言い切りです。不確かさを抱え続けるより、自分を責め切ってしまうほうが楽になる瞬間がある。視野を広げようとする言葉が届かないこと自体が、彼女の追い詰められ方を映しています。

こっちを見て、見てるわ、という短いやりとりだけが残るところに、二人の距離が静かに表れる場面です。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

天秤の片方に、相手が持っている情報をすべて載せてみる絵を思い浮かべてみましょう。全部載せても、皿はまだ結論のほうへ傾ききらない。for all you know は、この「載せきってもまだ足りない」という状態を一言で指す表現です。

証拠を追加する言葉ではありません。天秤に何かを足すのではなく、いまの重さでは決まらないと示すだけ。だから慰めにも反論にも使えます。

取調室でも会議室でもなく、廊下で交わされた短いやりとりを思い出してみてください。オローリンは「記憶が曖昧」という同じ一つの重りを、彼女を責める側の皿から、守る側の皿へそっと移しています。

例文で覚える「for all you know」

相手が悪い方へ結論を急いでいるとき、その手前で一度止めるのがこの表現の出番です。慰めから釘刺しまで、温度の違う3つの場面で見ていきましょう。

Don’t blame yourself. For all you know, it was already broken.
(自分を責めないで。もともと壊れていたのかもしれないんだから)
落ち込む友人に声をかける場面です。命令形で止めたあとに具体的な別の可能性を続けると、慰めが空回りしにくくなります。

For all you know, they might already have a solution.
(先方はもう解決策を持っているかもしれませんよ)
悲観的な見通しが出た打ち合わせでの一言です。確認前に最悪を前提にしないよう、そっと軌道を戻したいときに使えます。

A: He’s obviously lying about where he was.
B: For all we know, he just doesn’t want to explain.
(A:居場所の話、明らかに嘘だよね)
(B:私たちには分からないし、単に説明したくないだけかもしれない)
噂話が決めつけへ傾きかけた場面です。we にすると話し手も情報不足の側に立つので、相手を責める響きが和らぎます。

あわせて覚えたい関連表現

as far as you know
(あなたの知る限りでは)
同じ「知る」を使いますが、向きが逆です。こちらは知っている範囲の内側を述べるのに対し、for all you know は範囲の外側にまだ余地があると示します。

you never know
(何が起きるか分からない)
不確かさを一般論として置く言い方です。特定の相手の情報不足を名指ししないので、当たりはやわらかくなります。

it’s possible that
(〜という可能性がある)
可能性を中立に提示する表現です。事実として並べるだけなので、相手の断定を崩そうとする対人的な働きは弱くなります。

Note|as far as と for all、二つの範囲

どちらも「知る」という動詞を使い、日本語にすると似た訳になるのに、伝わる中身がまるで違う。as far as you know と for all you know は、その代表格です。

as far as I know は、自分が知っている範囲の内側で答える言い方です。「知る限りでは、会議は3時からです」と言えば、その範囲では正しいと保証したことになります。責任を負う幅を先に区切ってから、中身を言い切る形です。

for all I know は逆に、範囲の外側を空けておきます。「はっきりとは知らないけれど、もう始まっているかもしれない」と言うとき、話し手は中身を保証していません。保証を差し出すのではなく、保証できないことのほうを差し出しているわけです。

この違いは、会話での役割にも現れます。as far as は、話し手が保証できる知識の範囲を区切る前置きです。一方、for all I/we know は話し手側の無知や不確かさを強調し、for all you know は劇中のように相手の結論へ待ったをかけることがあります。後者がいつも反論になるわけではなく、主語と文脈によって働きが変わります。

劇中でオローリンが選んだのは後者でした。ヴァン・ペルトが握っている材料の内側ではなく、その外側にまだ余地があると示す必要があったからです。

知識の内側を語るか、外側を残すか。英語はその線を、二つの前置詞で引き分けています。

まとめ|知らないことを、味方につける

for all you know は、相手が握っている情報だけでは結論を出せない、と示すための一言です。劇中では証拠を足すのではなく、決めつけの手前で足を止めてもらう働きをしています。主語をIやweに替えれば、話し手側の不確かさを示す用法にもなります。

原因のはっきりしない失敗、返事の来ない連絡、事情の見えない第三者。自分についても相手についても、話が悪い方へ固まりかけたときに差し込めると、会話に空気の通り道ができます。

分からないことは、いつも不安の材料になるとは限りません。オローリンが差し出したように、まだ決まっていないという事実そのものが、誰かを守る材料にもなる。そんな一言として、会話のレパートリーに加えてみてください。

このエピソードを見るには

(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)

※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



おすすめ記事
日常英会話を学びたい方におすすめの海外ドラマはこちら
「for all you know」のような、日常で使いやすい英語表現をもっと学びたい方におすすめです。
日常英会話が学べる海外ドラマを見る

for all you know

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次