「make an honest woman of」の意味と使い方|『メンタリスト』S06E03で学ぶ英会話

「make an honest woman of」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

長く付き合っている相手に結婚の話をしたいけれど、真正面から切り出すのは気恥ずかしくて、つい冗談の形に包んでしまった経験はありませんか。

そんな場面にぴったりの「make an honest woman of」は、交際している相手ときちんと結婚することを、少し古風な言い回しで表す表現です。『メンタリスト』シーズン6第3話の冒頭、泊まった翌朝に息子をあやしていたリグスビーが、ヴァン・ペルトへ軽口のように投げかけるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「make an honest woman of」の意味とニュアンス

make an honest woman of
意味:交際している女性ときちんと結婚する

直訳すると「彼女を正直な女性にする」ですが、ここでの honest は「嘘をつかない」という現代の意味ではありません。かつて honest は「名誉ある」「体面が立つ」を指す語で、女性について使われるときは「身持ちが堅い」という意味に強く傾いていました。つまりこの表現は、婚姻関係にない女性を正式な妻に迎えることで、その人の社会的な立場を整える、という発想の上に組み立てられています。

そのため、主語は結婚を申し込む側、目的語は迎えられる側という、はっきりと非対称な形をとります。現代の感覚からするとかなり古めかしく、真顔で使えば相手を下に置く響きになりかねません。実際に使われるのは、長く付き合っているカップルをからかうときや、自分の結婚を照れ隠しで報告するときなど、冗談だと分かる場面で使われることが多い表現です。

古い価値観がそのまま化石のように残った言い回しであり、額面どおりに受け取ると会話の温度を読み違えます。

【ここがポイント!】

  • honest は「正直」ではなく「体面が立つ」の古い意味だと押さえるのがコツ
  • 結婚という結果そのものを指し、プロポーズの瞬間は指さない一言
  • 真顔で使うと失礼になりやすく、冗談として投げるのが今の使い方

『メンタリスト』S06E03のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

物語が始まってすぐ、リグスビーがヴァン・ペルトの部屋で朝を迎えます。彼女は早くに起きて、リグスビーの息子ベンジャミンの相手をしてくれていました。二人の交際は長く続いているものの、職場の規定があるために公にはできず、リグスビーには別の女性との間に生まれた子どもがいるという事情も重なっています。出勤前の慌ただしいやりとりの中で、彼が古風な言い回しを持ち出します。

Van Pelt: Thanks for playing with him.
(相手してくれてありがとう)

Rigsby: I don’t mind. I had to get up early anyway to drive home and get changed for work. He’s a good kid. You know, I’d like to stay at your place, but when I have Benjamin, it’s…
(構わないよ。どのみち早起きして、家に帰って着替えなきゃいけなかったし。いい子だよな。君の家に泊まりたいのはやまやまだけど、ベンジャミンがいるときは…)

Van Pelt: I know. It’s fine.
(分かってる。気にしないで)

Rigsby: You know, you should be careful, lady. I could still make an honest woman of you yet.
(気をつけたほうがいいぞ。まだ君を身を固めさせてしまうかもしれないんだから)

Van Pelt: You actually could.
(本当に、そうしてくれてもいいのよ)

The Mentalist Season6 Episode3 (Wedding in Red)

Amazon Prime Videoで見る ※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)

シーン解説と心理考察

このやりとりで目を引くのは、リグスビーが結婚という重い話題を、わざわざ古風で滑稽な言い回しに包んでいる点です。you should be careful, lady という前置きも、からかいの体裁を整えるための一手として響きます。冗談の形にしておけば、断られても本気ではなかったと引き下がれる。その逃げ道を残した言い方に、彼の慎重さがにじむ場面です。

一方のヴァン・ペルトは、You actually could. と短く返します。冗談を冗談のまま受け流すこともできたはずですが、彼女は本当にそうできると言い添えることで、リグスビーが用意した逃げ道を静かに塞いでいます。二人のあいだに温度差があるのではなく、むしろ足並みがそろっていることが、この短い応酬に表れています。

直前には、捜査官同士の交際や結婚を認める方向へ職場の規定が変わったという話題が置かれています。制度が新しくなった朝に、いちばん古い言い回しで結婚が語られる。その対比が、この場面の空気をやわらかく見せています。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

honest を「正直な」で覚えている限り、この表現は意味がつながりません。ここでの honest が向いているのは人柄ではなく、二人の関係のほうです。

思い浮かべたいのは、テーブルの上に置かれた一枚の婚姻届です。紙がないあいだ、関係は玄関の内側にとどまっている。ペンが走って紙が埋まった瞬間に、その関係は表に出せるものへ変わる。make an honest woman of が指しているのは、この一枚の紙が生む変化です。

リグスビーが靴を履きながらこの言葉を口にするのは、まさにその紙がまだない朝でした。出勤前の玄関先という場所ごと、絵として覚えておくと記憶に残ります。

例文で覚える「make an honest woman of」

からかいの温度で使うのが基本のこの表現は、誰に向かって言うかで印象が大きく変わります。三つの場面で確かめてみましょう。

After ten years together, don’t you think it’s time you made an honest woman of her?
(10年も一緒にいるんだから、そろそろきちんと結婚してもいいんじゃない?)
気心の知れた友人を軽くつつく場面です。交際年数を先に置くと、からかいの角が取れてやわらかく響きます。

My grandmother keeps asking when someone is going to make an honest woman of me.
(祖母が、いつ誰かがちゃんと結婚させてくれるのかと聞き続けてくるんです)
親族からの催促を自嘲気味に語る場面です。古い言い回しを年配の人の言葉として引用する形にすれば、今でも無理なく置けます。

A: You two have been together forever. When are you going to make an honest woman of her?
B: We’re getting there. Give us a little time.
(A:君たち、ずいぶん長いこと一緒だよね。いつきちんと結婚するの?)
(B:近づいてはいるよ。もう少し時間をくれ)
同僚同士の雑談で結婚の話題に触れる場面です。B のように急かされたことを認めながらやわらかくかわす返し方まで覚えておくと、会話が途切れません。

あわせて覚えたい関連表現

tie the knot
(結婚する)
今でも中立に使える標準的な口語です。make an honest woman of が持つ古めかしさや、相手の体面という含みがない分、どんな相手にも安心して使えます。

settle down
(身を固める、落ち着いた生活に入る)
結婚に限らず、定職や定住を含めた生活全体の安定を指します。特定の相手を正式な配偶者にする、という方向性は持ちません。

pop the question
(プロポーズする)
求婚を切り出す一瞬に焦点があります。make an honest woman of が指すのは結婚という結果のほうなので、二つの表現は同じ出来事の別の時点を見ていることになります。

Note|honest がかつて意味していたもの

make an honest woman of の意味を取り違えやすいのは、honest という語が現代英語であまりに馴染み深いからです。この一語の来歴をたどると、表現全体の輪郭がはっきりしてきます。

英語の honest は、もともと「名誉ある」「敬意に値する」を指す語でした。フランス語を経て、名誉を意味するラテン語の honos につながるとされています。中世から近世の英語で honest man といえば「嘘をつかない男」ではなく「まっとうな身分と評判を持つ男」のことでした。この語が女性に向けられると、当時の社会が女性の評判をどこで測っていたかを反映して、意味は「身持ちが堅い」の方向へ強く傾きます。婚姻という制度の外にある関係は、女性の側の評判だけを損なうものとして扱われていたためです。

make an honest woman of という言い方は、この非対称な社会構造の上に組み立てられています。男性が動作の主語に立ち、女性が「されるもの」として目的語に置かれる。結婚によって回復されるのは、二人の関係ではなく女性ひとりの体面である。文の形そのものが、当時の価値観の設計図になっているわけです。

現代の honest で最も一般的なのは「嘘をつかない」という意味ですが、「名誉ある」「まっとうな」につながる古い語義は、このような固定表現に残っています。そのため make an honest woman of は現代の話し手には古風に響き、多くの場合、冗談や照れ隠しと分かる文脈で使われます。

リグスビーが古い言葉をわざわざ選んだのも、同じ理由からでしょう。時代遅れの器に入れることで、本気の願いを差し出しやすくしているのです。

まとめ|リグスビーの照れ隠しから学ぶこと

make an honest woman of は、交際している相手ときちんと結婚することを指す、古風な言い回しです。honest が「正直」ではなく「体面が立つ」を意味していた時代の名残であり、その古さが現代では冗談の合図として働いています。

この表現が読めるようになると、英語の会話で結婚の話題がどう扱われているかが見えてきます。真正面から切り出すのか、古い言葉を借りて笑いに包むのか。どちらを選ぶかに、話し手と相手の距離が表れます。聞いた瞬間に「今のは冗談だ」と判断できるかどうかは、小さいようで大きな差になります。

長く連れ添った二人が結婚へ向かう朝の一言として、この言い回しを表現の引き出しに加えてみてください。

このエピソードを見るには

(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)

※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



おすすめ記事
恋愛英語を学びたい方におすすめの海外ドラマはこちら
「make an honest woman of」のような、恋愛や親しい関係で使う英語表現をもっと学びたい方におすすめです。
恋愛英語が学べる海外ドラマを見る

make an honest woman of

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次