「pry it out of him」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S01E02で学ぶ英会話

「pry it out of him」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

知り合いが何か大事な事情を隠していそうなのに、遠回しに聞いても軽くかわされてしまって、もどかしく感じたことはありませんか。

そんなときにぴったりのpry it out of himを、『ホワイトカラー』シーズン1第2話の中盤、囮捜査用のパーティー会場をあっさり手配してみせたニールに、その裏の伝手をピーターの妻エリザベスがそれとなく探ろうとする、和やかな夫婦と相棒のやり取りの場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「pry it out of him」の意味とニュアンス

pry it out of him
意味:口の堅い相手から、無理に聞き出す

pry it out of himは、話したがらない相手から情報を強引に引き出すことを表す表現です。pryには「(すきまに道具を差し込んで)こじ開ける」という物理的な意味があり、itはその場で話題になっている情報、ofは「〜から」という抽出元を示します。三つが組み合わさることで、鍵のかかった箱をてこでこじ開けるように、相手の口を割らせて情報を取り出す様子が浮かび上がります。単に「聞き出す」だけでなく、相手が抵抗している、あるいは意図的に隠しているというニュアンスを含む点が特徴で、askやfind outよりも一段階踏み込んだ、粘り強さや駆け引きを伴う表現です。予算、本音、居場所、計画など、相手が明かしたがりたくない情報であれば何にでも当てはめられる懐の広さも持っています。友人同士の軽い探り合いから、取り調べのような緊迫した場面まで、幅広い文脈で使われます。

【ここがポイント!】

  • 核は「てこでこじ開ける(pry)」ように情報を引き出すイメージ
  • 相手が話したがらない、隠しているというニュアンスを含む表現
  • 誰から聞き出すかはofの後ろに置いて示す、pry it out of her/themと相手を入れ替えられるのもコツ

『ホワイトカラー』S01E02のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

偽の犯罪者を誘き出すためのパーティー会場を、ニールが自分の友人の伝手であっさり確保してみせたことに、駆けつけたピーターの妻エリザベスが目を丸くします。豪華な会場設営に感心した彼女が、その伝手について尋ねると、ニールは友人の情報源には触れず、言葉を濁しながらこのフレーズを使ってはぐらかします。

Elizabeth: Honey, I am really impressed with this place. I mean, I could have a state dinner up here. How did you pull that off?
(ねえ、この場所には本当に驚かされるわ。ここなら国賓級の晩餐会だって開けそう。一体どうやって手に入れたの?)

Neal: He has a source, but good luck trying to pry it out of him.
(彼に情報源がいるらしいんだけど、そいつから聞き出すのはまず無理だと思うよ。)

Elizabeth: Mmm, sounds like fun. I’ll work on him later.
(あら、面白そうじゃない。あとで私がその人を口説き落としてみるわ。)

Neal: She’ll work on you later.
(今度は彼女が、ピーターを口説きにかかるだろうね。)

White Collar Season1 Episode2 (Threads)

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シーン解説と心理考察

囮捜査用のパーティー会場という大掛かりな空間を前に、エリザベスがまず気にかけているのは金額でも許可でもなく、「誰の力でここまでできたのか」という人間関係の部分です。ニールは友人の名前こそ出しますが、その先の情報源には触れず、pry it out of himの一言でやんわりと話を打ち切ります。断る代わりにあえて「難しさ」を強調する言い回しを選んでいるところに、詐欺師として培ってきた駆け引きの巧みさが表れています。エリザベスもその濁し方を素直に受け止めず、「面白そうね」と切り返し、探る側に回ろうとする姿勢を見せます。ニールがすかさずピーターに矛先を向け返すやり取りには、三人の間にある軽やかな信頼関係がにじみます。誰も本気で問い詰めているわけではないのに、情報を巡る駆け引きだけがゲームのように続いていく空気が、このシーンの温度を作っています。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

鍵のかかった木箱の隙間に、てこ棒を差し込んでゆっくりとこじ開けていく場面を思い浮かべてみましょう。pryという単語には、まさにそうした「道具を使って強引に開ける」という物理的な感覚が根づいています。ニールが友人の情報源をあっさり明かさなかったように、口の堅い相手ほど、力ずくで開けようとする分だけ抵抗も強くなるものです。硬く閉じた蓋をこじ開けるイメージを持っておくと、pry it out of himが持つ「簡単には出てこない」という手応えのニュアンスも、自然に感覚として残ります。

例文で覚える「pry it out of him」

pry it out of himは、深刻な尋問だけでなく、友人同士の軽い詮索や家庭内のやり取りでも使える表現です。3つの例文でその幅を見ていきましょう。

I heard she’s seeing someone new, but I couldn’t pry it out of her.
(新しい彼氏がいるらしいって聞いたけど、本人からは聞き出せなかった。)
友人の恋愛事情を詮索する場面です。深刻さはなく、興味本位で情報を引き出そうとする軽いニュアンスで使われています。

The client wouldn’t reveal their budget, but our sales lead finally pried it out of him.
(クライアントは予算を明かそうとしなかったが、営業担当がついにそれを聞き出した。)
商談の場面です。相手が意図的に情報を伏せている状況で、粘り強い交渉の末に聞き出せたことを表しています。

A: Dad’s been acting strange all week. Do you know why?
B: No idea. I tried to pry it out of him at dinner, but he just changed the subject.
(A:お父さん、今週ずっと様子が変だよね。理由知ってる?)
(B:さっぱり。夕食のときに聞き出そうとしたんだけど、話をそらされちゃった。)
家族間の会話です。何か隠している様子の相手に探りを入れても、うまくかわされてしまう場面で使われています。

あわせて覚えたい関連表現

get something out of someone
(誰かから何かを聞き出す)
pry it out of himと同じく情報を引き出す意味を持ちますが、pryほど強引さや相手の抵抗を強調せず、日常会話全般でより広く使える中立的な言い方です。

worm information out of someone
(巧妙に誘導して情報を聞き出す)
pryが力ずくで押し切るイメージなのに対し、wormは虫が地面に静かに潜り込むように、相手に気づかれないよう少しずつ巧みに近づいて聞き出すニュアンスを持ちます。

keep something close to the vest
(情報を胸の内にしまっておく)
pry it out of himが「聞き出そうとする側」の視点であるのに対し、こちらは「隠す側」の視点を表す表現で、聞き出されまいと身構えるpryされる相手の心理を言い表す、対の関係にあります。

Note|「pry」に隠れた二つの起源

pry it out of himのpryという単語は、一見すると一つの動作を表す一語に見えますが、たどっていくと性格の異なる二つの言葉が合流してできたとされています。

一つは「のぞき見る、詮索する」という意味の古い英語prienに由来する系統で、中世の頃から「気になって覗き込む」というニュアンスで使われてきたと考えられています。もう一つは、道具を使って何かをこじ開ける「レバー、てこ」を意味したpriseという語が動詞化した系統で、船や機械の部品を持ち上げる作業を表す実務的な語として発展してきたとされています。もともと別々の場面で使われていたはずのこの二つの語感が、pryという一つの単語の中に重なり合った結果、「詮索する好奇心」と「力ずくでこじ開ける動作」という、一見異なる二つの感覚を同時に持つ表現が生まれたと考えられています。この成り立ちを知ると、pryが単なる「尋ねる」ではなく、抵抗を押し切って中身を取り出すという手応えを帯びている理由も見えてきます。

pry it out of himという言い回しに、単なる質問以上の粘り強さや強引さが感じられるのは、こうした「こじ開ける」側の語感が色濃く残っているためだと言えます。エリザベスが軽い口調で「聞き出してみる」と言いながらも、そこに詮索好きな探究心とちょっとした強引さの両方がにじんでいたのも、この単語の二重の性格と重なります。

言葉の奥に、のぞき見る目とこじ開ける手の両方が潜んでいる、そんな一語です。

まとめ|口の堅い相手から真相を引き出す一言

pry it out of himは、素直に話してくれない相手から、粘り強く情報を引き出そうとする様子を表す表現です。単に尋ねるのではなく、抵抗を押し切って聞き出すという一段階踏み込んだニュアンスが込められています。友人の噂話から商談の駆け引き、家族間の探り合いまで、話したがらない相手が登場する場面ならどこでも活躍する言い回しです。エリザベスが軽やかに切り返し、ニールがすかさず矛先をピーターに向けたやり取りのように、深刻になりすぎず遊び心を持って使えるのも魅力です。誰かの口を割らせたい瞬間が訪れたときには、この一言を表現の引き出しに加えてみてください。

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