海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
法医学サスペンス『BONES』シーズン1第11話では、政府の身辺調査官ピッカリングが、ホジンズの調査結果を「無害」と告げる場面が描かれています。納得のいかないホジンズが繰り広げる抗議のやりとりから、今回は危険度を表す英語表現を拾ってみます。
陰謀論好きで自称”King of the Lab”のホジンズらしい、コミカルな一幕です。同じ「危険がない」を言い表す言葉でも、選ぶ単語ひとつで響き方が大きく変わる面白さが詰まっています。
「harmless」と、そう言われて納得できないホジンズ
研究所内でピッカリングを追いかけ回すホジンズ。せめて面談くらいしてくれと食い下がるものの、調査はもう終わっている、とピッカリングにあっさり告げられた直後のやり取りです。
PICKERING: Harmless.
HODGINS: Harmless? I’m harmless.
PICKERING: Yes. You don’t pose a viable threat.
(「無害だ」/「無害?俺が無害だっていうのか」/「そうだ。お前は現実的な脅威にはならないんだよ」)BONES Season1 Episode11 (The Woman in the Car)
harmlessは「無害な」「害を及ぼさない」という意味の形容詞で、人や物の危険性がないことを伝える時によく使われます。虫やハエをそこまで怖がる必要はないと言いたい時にも、a harmless insectのように使える便利な語です。pose a viable threatは「現実的な脅威になる」という言い回しで、poseはここでは「(問題や危険を)引き起こす」という動詞として働いています。viableはもともと「実行可能な」「存続できる」という意味で、viable threatは「絵空事ではなく、実際に成り立ちうる脅威」というニュアンスを添えます。陰謀論好きで自称King of the Labのホジンズにとって、harmlessという評価は誇りを傷つけられる一言だったようです。
「benign」「malignant」に見る、医学と人柄をつなぐ言葉
食い下がるホジンズに、ピッカリングはさらに突き放すような一言を返します。
PICKERING: If you want me to interview you I will. But I’ll only discover what’s already been found. You are benign.
HODGINS: I am not benign lady. I’m not harmless. I’m malignant. I’m a loaded cannon.
(「望むなら面談してやってもいい。だが結局、すでに分かっていることが分かるだけだ。お前はbenignなんだよ」/「俺はbenignなんかじゃない。無害でもない。俺はmalignantだ。装填済みの大砲だぜ」)BONES Season1 Episode11 (The Woman in the Car)
benignとmalignantはどちらも医学、特に腫瘍の性質を表す時によく使われる語で、benignは「良性」、malignantは「悪性」を意味します。人物評価に転用されると、benignは「無害で穏やかな人物」、malignantは「危険で油断ならない人物」というニュアンスになります。日常会話でも、a benign smile(穏やかな笑み)のように人柄や態度を形容する場面で見かける語です。ホジンズが持ち出したloaded cannon(装填済みの大砲)という比喩表現も、いつ暴発するか分からない危うさを強調する言い方です。銃に弾が込められている(loaded)状態を人に重ねることで、harmlessとは正反対の危険な印象を強く印象づけています。
| 表現 | ニュアンス |
|---|---|
| harmless | 無害、脅威にならない |
| pose a viable threat | 現実的な脅威になる |
| benign | 良性・無害(医学的な響きも) |
| malignant | 悪性・危険性を帯びる |
まとめ|危険度を言い分ける英語表現
harmless、benign、malignant。ホジンズの一件から、無害さや危険度を表す英語表現の使い分けが見えてきます。医学的な語感を帯びた言葉が、人柄の形容にも転用される面白さも味わえるやり取りです。
言葉の選び方ひとつで伝わる印象が変わることが、この掛け合いから見えてきます。
『BONES』S01E11の英語表現は、他のコラムやエピソードまとめでも取り上げています。
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