海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン1第11話では、デッカー家の家庭用ビデオを見ながら、ブレナンが自転車の練習シーンを人類学的に分析し始める場面が描かれています。今回はそこで飛び交う専門用語をきっかけに、人間関係を語る英語表現を拾ってみます。
一つの行動をどんな言葉で説明するかによって、同じ場面でもまったく違う意味が立ち上がってくる、そんな面白さが詰まったやりとりです。
自転車の練習に見出す、専門用語で語られる意味
息子ドノヴァンが自転車に乗る練習をする映像を前に、ブースは何が分かるのかと尋ねますが、ブレナンの答えは人類学者らしい視点から始まります。
BRENNAN: Learning to ride a bicycle is a kind of right of passage. It has anthropological significance.
(自転車の練習を覚えるというのは、一種の通過儀礼だわ。人類学的な意義があるのよ)BONES Season1 Episode11 (The Woman in the Car)
rite of passage(台本表記は”right of passage”)は、人生の節目に経験する「通過儀礼」を指す表現で、成人式のような社会的な区切りを説明する時にも使われます。anthropological significanceは「人類学的な意義」という意味で、日常的な行動の背後にある文化的な意味を語るフレーズです。
「本当か?」と半信半疑のブースに、ブレナンはさらに踏み込みます。
BOOTH: Really?
BRENNAN: It carries meaning beyond the simple mechanics of learning to ride a bike.
(「本当か?」/「自転車の練習という単純な仕組みを超えた意味を持っているの」)BONES Season1 Episode11 (The Woman in the Car)
mechanicsは機械の仕組みだけでなく、「物事の仕組み・手順」を指す語としても使われます。simple mechanicsで「単純な手順」を意味し、その先にある意味と対比させる言い方です。
「symbiotic relationship」と心理学のあいだ
専門用語を並べるブレナンに、ブースは心理学の話じゃないのかとツッコミを入れます。
BOOTH: Are you being psychological?
BRENNAN: Definitely not. Psychology is about the individual. I’m speaking to a set of cultural proxies and mores.
(「それって心理学の話をしてるのか?」/「まさか違うわ。心理学は個人についての学問。私が話しているのはcultural proxies and mores(文化的な代理指標や慣習)についてよ」)BONES Season1 Episode11 (The Woman in the Car)
proxyは「代理・代用」を意味する名詞で、cultural proxiesは「文化を映し出す代理指標」というニュアンスです。moresは社会に根付いた慣習・道徳観を指す学術的な語で、ブレナンらしい硬めの語彙選びが表れています。
映像の中の父子の様子を観察したブレナンは、こう結論づけます。笑いながら混ぜ返すブースに対しても、最後まで人類学の立場を譲りません。
BRENNAN: He’s not the father is. The son understands that on some level, and he’s enabling his father to reach some level of comfort. It’s a symbiotic relationship.
BRENNAN: That’s psychology. And it’s of no use to us in this current investigation.
(父親のためだけにやっているわけじゃない。息子はどこかでそれを分かっていて、父親が安心できるように仕向けているの。これはsymbiotic relationship〔共生関係〕よ/それは心理学の話だわ。そして今回の捜査には何の役にも立たないわね)BONES Season1 Episode11 (The Woman in the Car)
symbiotic relationshipはもともと生物学で異なる種が互いに利益を与え合う「共生関係」を指す言葉で、人間関係の描写に転用すると、支え合いの構造を客観的に語る響きが出ます。
まとめ|専門用語ひとつで変わる、人間関係の語り方
rite of passage、cultural proxies and mores、symbiotic relationship。人類学の専門用語を使ってブレナンが語る親子関係は、同じ場面でも捉え方によって説明の言葉がまったく変わることを教えてくれます。
何気ない会話の奥にある語彙の広がりを、『BONES』の世界とともにこれからも味わっていきます。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。
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