海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン1第10話は、法医学者ブレナンがロサンゼルスに出張し、自著の映画化交渉に巻き込まれるエピソードです。舞台がハリウッドだからこそ、有名な映画やテレビドラマのタイトルを「たとえ」として持ち出す会話が随所に出てきます。
誰もが知っている作品名をひと言添えるだけで、性格や状況をまとめて伝えられる言い回しの仕組みを見ていきます。
映画やドラマのタイトルで人や場面を言い表す
運転席をめぐるやり取りで、ブースはブレナンの腕前を映画のタイトルだけでからかっています。
Brennan: I’m an excellent driver.
(わたしは運転がうまいのよ)Booth: Okay, Rain Man.
(はいはい、レインマンだな)BONES Season1 Episode10 (The Woman at the Airport)
作品名をそのまま持ち出すだけで、性格や特徴をひと言でまとめて伝えられるのがこの言い方の特徴です。鉄器時代の骨格を大げさな物語のように語る場面でも、ラボの面々は有名なファンタジー作品のタイトルを引き合いに出して茶化しています。作品の中身を説明する必要はなく、タイトル名を出すだけで「大げさな展開」という空気がその場に伝わるのが面白いところです。
もう一つの例が聞き込みの場面です。証言者のレスリーは、かつて付き合っていた相手の仕事を、出演していたテレビドラマのタイトルで説明しています。
Leslie: Nick for awhile. I forget his last name but he played some kind of terrorist on 24. He got killed in like four seconds.
(ニックとしばらく付き合ってたの。苗字は忘れちゃったけど、『24』でテロリストっぽい役をやってて、4秒くらいで殺されてたわ)BONES Season1 Episode10 (The Woman at the Airport)
「あのドラマに出ていた」という説明だけで、相手の職業や役柄のイメージが一気に共有される様子が伝わってきます。作品名を使ったたとえは、日本語の「まるで〜みたいな」に近い感覚で使われていると読み取れます。
ハリウッドの現場で使われる肩書きの英語
映画化交渉の取材シーンでは、ハリウッド業界特有の肩書き語彙が次々に出てきます。
Interviewer: I’m here with Penny Marshall one of the most prolific hyphenates in Hollywood. Actress, producer, and director of such hits as A League of Their Own and Big.
(今日はハリウッドを代表する「ハイフネイト」、ペニー・マーシャルさんにお越しいただいています。女優であり、プロデューサーであり、『A League of Their Own』や『Big』のような大ヒット作の監督でもいらっしゃいます)BONES Season1 Episode10 (The Woman at the Airport)
hyphenate は、俳優兼プロデューサー兼監督のように、複数の肩書きをハイフンでつなげて名乗る業界人を指す名詞です。似た発想の言葉に、映画やドラマの権利をめぐる争奪戦を指す bidding war があります。ペニーは自著の映画化権をめぐる交渉を振り返るときにこの表現を使っています。
一方で、「プロデューサー」という肩書き自体は、業界の中でもあいまいに扱われているようです。
Brennan: No, my publisher didn’t give me a name. I don’t know what a producer does specifically.
(出版社からは名前を聞いていないの。プロデューサーが具体的に何をする人なのか、よくわからないのよ)Finn: Nobody does, but it’s really important.
(誰にもわからないんです。でも、すごく重要な役職なんですよ)BONES Season1 Episode10 (The Woman at the Airport)
肩書きが必ずしも仕事内容の説明になっていないというやり取りに、業界用語ならではのおかしみが見えます。ここまでの語彙をまとめると次のようになります。
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| hyphenate | 複数の肩書きを兼ねる業界人 |
| bidding war | 権利や契約をめぐる争奪戦 |
| producer | 制作に関わるが役割があいまいな肩書き |
まとめ|タイトルという名の近道
Rain Man、Lord of the Rings、24といった作品名は、性格や状況をひと言で伝える近道として使われています。hyphenate や bidding war のような業界語も、肩書きや契約の実態を凝縮した言葉として機能していると言えます。
『BONES』の会話は、固有名詞ひとつの使い方からも、英語圏のポップカルチャーとの距離感が伝わってくる回です。次回も『BONES』と一緒に、会話の中に潜む英語表現を見ていきましょう。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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