海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
誰かのジョークが実は同音異義語を使った仕掛けだったと気づいて、思わず「あ、それ言葉遊びだったんだ」と一拍置いてしまう、そんな瞬間がドラマには時々あります。
そんなa play on wordsを、『BONES』シーズン12第6話の前半、木こり競技にまつわる数学ジョークをブレナンがブースに披露するシーンから、一緒に見ていきましょう。
「a play on words」の意味とニュアンス
a play on words
意味:言葉遊び、駄洒落
play には「遊び・戯れ」の意味があり、on words が付くことで「言葉を使った遊び」、つまり同音異義語や似た響きの単語を利用したジョークを指す言い回しになります。日本語の「駄洒落」よりも中立的な響きを持ち、うまく決まった言葉遊びにも、寒いオヤジギャグにも使える幅の広さが特徴です。誰かの発言が実はダブルミーニングだったと気づいたときや、自分の発言が単なる語呂合わせだと補足したいときに、この表現がよく登場します。冗談そのものを評する言葉としても、後から仕組みを説明する場面でも使える便利な一言です。
【ここがポイント!】
- 核は同じ響きの単語を利用した掛け合わせのユーモア
- 決まったダジャレにも寒いオヤジギャグにも使える中立的な語感
- 「pun」より説明的で、少しかしこまった響きを持つのがコツ
『BONES』S12E06のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
木こり競技もゴルフと同じく応用物理学だと主張するブレナンに、ブースは楽しさを台無しにするなと反発します。それでもブレナンは怯まず、英語をベクトル化すればジョークが作れると続け、木こりにまつわる数学ジョークを披露し始め、フレーズへの見せ場が訪れます。
Brennan: By vectoring the English language, I can make a multitude of hilarious jokes.
(英語という言語をベクトル化すれば、面白いジョークをいくつも作れるのよ。)Booth: Please don’t.
(頼むからやめてくれ。)Brennan: For example, what did the math teacher say to the lumberjack?
(例えば、数学教師が木こりに何て言ったと思う?)Booth: Don’t care.
(興味ないね。)Brennan: Make sure you use the correct logarithm. It’s all just simple geometry. Tree, like a tree. ‘Cause a log comes from a tree. It’s a play on words.
(「正しいログ(log/対数)を使いなさい」よ。単純な幾何学の話。木(tree)のようにね。丸太(log)は木から来るでしょう。これは言葉遊びなの。)BONES Season12 Episode6 (The Flaw in the Saw)
(訳注:このジョークは logarithm(対数)という単語の頭についている log が、木こりが扱う log(丸太)と同じ綴り・発音であることを利用した言葉遊びです。「正しい対数を使え」という数学的な指示が、そのまま「正しい丸太を使え」という木こりへの指示にも聞こえる、という二重の意味が仕掛けになっています。)
シーン解説と心理考察
木こり競技へ向かう道中、あるいはその前後のラボでの一幕です。ブレナンが「英語をベクトル化すればジョークが作れる」と切り出し、木こりにまつわる数学ジョークを語り始める様子から、彼女らしい理屈っぽさが伝わってきます。
このやり取りの面白さは、ジョークの内容そのものよりも、ブレナンがオチを言った直後に自らその仕組みを解説してしまう点にあります。log(丸太)と logarithm(対数)の音の重なりを利用した言葉遊びを、笑いのための省略なしにきっちり説明してしまう姿勢が、感情よりも論理を優先するブレナンらしさを際立たせます。ブースの「Don’t care.」という素っ気ない返しとの温度差が、二人のかけ合いにコミカルな緊張感を生んでいます。理系肌の発想がユーモアの形をとって表れる、シリーズならではの一幕です。
『BONES』流・覚え方のコツ
同じ響きの単語が2枚重なり、片方の意味からもう片方の意味へすっと滑り込んでいく様子をイメージしてみましょう。play が「遊び」、on words が「言葉の上で」を表し、単語そのものをおもちゃにして転がしている感覚です。劇中の log(丸太)と logarithm(対数)のように、まったく違う意味の単語が音の上でつながる瞬間を捉えると、a play on words の感覚がつかみやすくなります。
例文で覚える「a play on words」
言葉遊びを指すこの表現は、広告のキャッチコピーから友人同士の軽口まで幅広く使えます。3つの例文で、その使い方の幅を見ていきましょう。
“Time flies” is a classic play on words when you’re talking about a clock shop.
(時計店の話をするときの”Time flies”は、定番の言葉遊びです。)
ダブルミーニングの例を紹介するカジュアルな場面で使える言い方です。
The company’s slogan is a play on words that took me a moment to understand.
(その会社のスローガンは言葉遊びになっていて、理解するのに少し時間がかかりました。)
広告や商品名の工夫について話すビジネス寄りの場面で自然に使えます。
A: Did you get why everyone laughed at his nickname?
B: Yeah, it’s a play on words based on his last name.
(A:みんながあだ名で笑った理由、分かった?)
(B:うん、苗字をもじった言葉遊びになってるんだよ。)
あだ名の由来を説明する友人同士の会話にぴったりの一言です。
あわせて覚えたい関連表現
pun
(駄洒落、地口)
名詞1語で駄洒落そのものを指す最も直接的な言い方です。a play on words はより説明的で、少しかしこまった響きを持ちます。
double meaning
(二重の意味)
意味が2つ重なっていること自体を指し、必ずしも笑いを意図しません。a play on words は言葉遊びとしてのユーモアの意図を含む点が異なります。
wordplay
(言葉遊び)
意味はほぼ同じですが、1語の名詞としてよりカジュアルかつ簡潔に使われる傾向があります。
Note|英語圏の「dad joke」文化とa play on words
英語圏には dad joke(親父ギャグ)と呼ばれる、独特の立ち位置を持つジョークのジャンルがあります。
dad joke は、駄洒落や言葉遊びをベースにした、あえて分かりやすくベタなオチのジョークを指す呼び名です。父親が子どもに披露しがちな、笑いよりも呆れられることを織り込んだユーモアという文化的なイメージが定着しており、SNS上でも dad joke を集めたコンテンツが人気を集めています。この文化圏では、ジョークの後にオチの仕組みまで律儀に説明してしまう振る舞いも、dad joke らしさの一部として親しみを持って受け止められる傾向があります。
劇中でブレナンが log と logarithm の言葉遊びを披露した直後、笑いを取るためのタイミングを無視して仕組みまで解説してしまう姿は、まさにこの dad joke 的な構造と重なります。ジョークの巧拙以前に、律儀すぎる解説そのものが笑いどころになっている点は、dad joke 文化への理解があるとより深く楽しめます。
理屈っぽさそのものがユーモアに変わる、そんな瞬間を作る一言でした。
まとめ|言葉遊びを一言で言い表す
a play on words は、同じ響きの単語を利用した言葉遊びを指す、フォーマルすぎずカジュアルすぎない便利な表現です。dad joke 文化と重ねて見ると、うまく決まったダジャレも、律儀に解説されるオヤジギャグも、等しくこの一言で語れることが見えてきます。
誰かのジョークがダブルミーニングだったと気づいたときにも、自分の発言の仕組みを補足したいときにも、この表現は自然に寄り添います。理屈っぽさが笑いに変わっていく、そんな掛け合いの余韻が残る場面でした。


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