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今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン2 第1話に登場する、ペニーが打ち明ける学歴にまつわる秘密です。ペニーが口にする community college という言葉を手がかりに、アメリカで多くの人が選択している2年制大学という制度と、それにまつわる学歴観を見ていきます。
身近でありながら意外と知られていない、その制度の背景を、順番に見ていきます。
「community college」とは何か——2年制の公立高等教育機関
洗濯室での立ち話で、ペニーはシェルドンにこう打ち明けます。
Penny: Okay, okay, you know, I get it, Leonard has no business being involved with a waitress slash actress who felt so insecure that she lied to him about finishing community college.
(わかった、わかったわよ。レナードは、コミュニティカレッジを卒業したなんて嘘をついたウェイトレス兼女優と付き合うべきじゃないってことでしょ。)TBBT Season2 Episode1 (The Bad Fish Paradigm)
community college は、アメリカに広く存在する公立の2年制高等教育機関を指す言葉です。多くの場合、4年制大学に比べて学費が抑えられ、地域住民を中心に幅広い年齢層が学んでいます。卒業後にそのまま就職する人もいれば、4年制大学に編入して学び続ける人もいる、間口の広い教育機関という位置づけです(制度の細部は州や時期によって異なるため、断定的な数値はここでは扱いません)。
ペニーの発言を受けて、シェルドンはこう切り返します。
Sheldon: You thought the opposite of stupid loser was community college graduate?
(「冴えない負け犬」の反対が「コミュニティカレッジ卒業」だと思っていたのか?)Penny: You know, there are a lot of successful people in this country who are community college graduates.
(言っておくけど、この国にはコミュニティカレッジ卒の成功者だってたくさんいるんだからね。)TBBT Season2 Episode1 (The Bad Fish Paradigm)
シェルドンの一言は、コミュニティカレッジを学歴の序列の下位に置く見方を映しています。一方でペニーは、その見方に対して there are a lot of successful people … who are community college graduates と反論しており、卒業生の中に多様なキャリアの持ち主がいるという事実を対置させています。community college をめぐる評価が一様ではないことが、このやりとりから読み取れます。
「city college」という呼び方と、学歴のグラデーション
物語の終盤、レナードはペニーに1冊のパンフレットを差し出す場面があります。city college は、community college の呼び方の一つで、地域の名前を冠して呼ばれることが多い呼称です。大学案内という形をとりつつも、実質は community college と同じ制度を指しています。
パンフレットを手にしたペニーの複雑な表情に、レナードはこう続けます。
Leonard: Well, it’s really not that fancy, it’s just a city college.
(いや、そんな大したものじゃなくて、ただのシティカレッジだよ。)TBBT Season2 Episode1 (The Bad Fish Paradigm)
it’s not that fancy は「そんなに大層なものじゃない」と謙遜気味に位置づけを下げる言い方です。同じ community college という制度でも、呼び方や話し手によって「胸を張れる学歴」と「気負わなくていい選択肢」の両方の受け止め方があることが、この一連のやりとりから伝わってきます。
まとめ|community college という制度と、学歴をめぐる視線
community college、city college、it’s not that fancy。アメリカの2年制大学という制度と、それを取り巻く学歴観は、立場によって見え方が変わってきます。ペニーとシェルドン、そしてレナードのやりとりからは、一つの学歴に対して複数の評価軸があることが伝わってきます。
『ビッグバン★セオリー』には、こうしたアメリカの教育文化が垣間見える場面がほかにもあります。


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