海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
相手が同じ話題を延々と話し続けて、内心「もういいよ」と思いながら聞いていた——そんな経験、ありませんか。
今回はそんな状況を一言で表す「go on and on about」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン2第1話の中盤、洗濯室でペニーがシェルドンに打ち明け話をする場面から、一緒に見ていきましょう。
「go on and on about」の意味とニュアンス
go on and on about
意味:〜について延々と話し続ける、くどくど話す
go on and on about は、誰かが同じ話題を「終わりが見えないほど長く」話し続ける様子を表す表現です。go on(続く)に on を重ねることで、続いていく感覚をさらに強めています。
この表現のポイントは、多くの場合に聞き手の「もういいかげんにして」といううんざり感をともなう点です。単に「長く話した」と中立に言いたいなら talk for a long time でも済みますが、わざわざ go on and on を選んだ時点で、話の長さに辟易している話し手の主観がにじみます。about のあとには話題が続き、go on and on about the weather(天気のことを延々と)のように使います。about を伴わず go on and on だけでも「延々と続ける」の意味で成立します。
【ここがポイント!】
- 「go on and on」の核は、道がどこまでも続くように話が止まらないイメージ
- 多くの場合「もういいよ」といううんざり感がにじむ表現
- about のあとに話題、なくても「延々と続ける」で成立する柔軟さ
『ビッグバン★セオリー』S02E01のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
洗濯室で、ペニーがシェルドンに「学歴を偽った」という秘密を打ち明けます。なぜ嘘をついたのか、その理由を語る中でこのフレーズが出てきます。
Sheldon: Why would you lie about that?
(なぜそんな嘘を?)Penny: Well, he was going on and on about this college and that grad school and I didn’t want him to think I was some stupid loser.
(だって彼が、あの大学だ大学院だって延々としゃべるもんだから、バカな負け犬だと思われたくなかったの。)Sheldon: You thought the opposite of stupid loser was community college graduate?
(バカな負け犬の反対がコミュニティカレッジの卒業生だと思ったのかい?)The Big Bang Theory Season2 Episode1(The Bad Fish Paradigm)
シーン解説と心理考察
ペニーの「going on and on about」には、二つの感情が同時ににじみます。ひとつはレナードの学歴の話が延々と続いたことへのうんざり感、もうひとつは、その話についていけずに気後れした自分への引け目です。たった一語の言い回しに、相手への小さな不満と自分への劣等感が折り重なっています。
一方のシェルドンは、相手の気持ちにまるで頓着せず、論理だけで切り返します。「バカな負け犬の反対がコミュニティカレッジの卒業生?」という返しは、ペニーの繊細な告白の傷口に、悪気なく塩を塗るような一言として響きます。感情の話をしているペニーと、定義の正しさを問うシェルドン——この温度差が会話の可笑しさを生む場面です。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
on は「続いている」状態を表す言葉です。それを on and on と二回重ねると、道がどこまでもまっすぐ続いていくように「止まらずにずっと続く」イメージになります。さらに go(進む)が頭につくことで、「話が先へ先へと進んでいって止まらない」絵が完成します。
洗濯室でペニーが、うんざり顔で「彼ったらこの大学だあの大学院だって、ずーっと…」と話す様子を思い浮かべてみてください。聞き手の「もういいよ」という気持ちごと映像にすると、go on and on about が持つうんざり感まで含めて記憶に残ります。
例文で覚える「go on and on about」
go on and on about は日常の愚痴から職場の場面まで幅広く登場します。うんざり感がにじむ使い方を中心に見ておきましょう。
He went on and on about his new car for an hour.
(彼は新しい車について1時間も延々としゃべり続けた。)
誰かの長話を後から愚痴る場面です。for an hour と具体的な時間を添えることで、聞かされた側のうんざり感がいっそう伝わります。
Stop going on and on about it — I already apologized.
(もういいかげんその話はやめて。もう謝ったでしょ。)
口論で同じ話を蒸し返されたときの一言です。命令形にすることで、辟易した気持ちを相手に直接ぶつけています。
A: How was dinner with your aunt?
B: Fine, but she kept going on and on about how I should get married.
(A:おばさんとの夕食はどうだった?)
(B:まあまあかな。でも結婚しろって話を延々とされ続けてさ。)
家族の集まりにありがちな場面です。keep going on and on で「延々と続けられた」という、逃げ場のないうんざり感を表しています。
あわせて覚えたい関連表現
ramble on
(とりとめなくダラダラ話す)
go on and on about が「同じ話題が長く続く」ことを指すのに対し、ramble on は「話があちこち脱線して要領を得ない」点が強調されます。
talk someone’s ear off
(相手が辟易するほど一方的にしゃべりまくる)
聞き手を疲れさせる結果に焦点を当てた、ユーモラスでくだけた言い回しです。go on and on about よりも誇張の効いた表現です。
harp on (about)
(同じことを繰り返し蒸し返す)
同じ不満や要求をしつこく繰り返す点が強く、ネガティブの度合いが高めです。話題が「批判・小言」寄りのときによく使われます。
Note|on and on のように同じ語を重ねて強調する英語
go on and on の「on and on」のように、英語には同じ語を and でつないで意味を強める言い回しがいくつもあります。今回のフレーズを入り口に、その仕組みを見てみましょう。
代表的なものを並べると、over and over(何度も何度も)、again and again(繰り返し繰り返し)、more and more(ますます)、round and round(ぐるぐると)などがあります。いずれも、同じ語を二度繰り返して and でつなぐことで、「程度がどんどん増していく」あるいは「同じ状態が延々と続く」という感覚を生み出しています。一語だけなら淡々とした事実描写ですが、重ねた瞬間に、話し手の「うんざり」「驚き」「強調したい気持ち」といった主観が乗ってくるのが面白いところです。日本語の「延々と」「ますます」「ぐるぐる」といった畳語(同じ音を重ねる言葉)と発想が近く、繰り返しのリズムそのものが意味を運んでいると言えます。go on and on も、もとをたどれば go on(続く)に on をもう一度重ねたもので、この「重ねて強める」仲間のひとつです。
つまり go on and on about を覚えることは、英語に広く見られる「繰り返しで強調する」感覚をひとつ手に入れることでもあります。on and on の形に気づけると、似た表現にも応用が利くようになります。
繰り返しのリズムが、意味の強さを運んでくるのですね。
まとめ|ペニーのうんざりから学ぶ「延々と」
go on and on about は、同じ話題が終わりなく続くことを、聞き手のうんざり感ごと表せる表現です。on を重ねることで、止まらずに続いていく感覚がそのまま言葉になっています。
この一言を知っていると、「長く話していた」と中立に言うのではなく、「もういいよと思うほど延々と続いた」という気持ちのトーンまで添えて伝えられるようになります。
誰かの長話に少し疲れた場面を描くとき、会話のレパートリーに加えてみてください。


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