海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。今回はシーズン5第8話、元CIAの上司ライカーから連絡を受けたサラが、詳しい事情をチャックにも明かせないままケーシーだけを伴ってブダペストへ向かう回です。行き先も告げずに出ていこうとする妻に、チャックは「最後まで話を聞いてほしい」と食い下がりますが、ライカーは「それは君の権限を超えている」とサラにすら情報を渡しません。本音を最後まで聞いてほしい言葉と、情報をあえて渡さずにおく言葉が、同じ関係の中でせめぎ合う回です。台本で確認できた発話をもとに、その両方を見ていきます。
あらすじ(ネタバレなし)
『CHUCK』シーズン5第8話「Chuck Versus the Baby」では、元CIAの上司ライカーから連絡を受けたサラが、詳しい事情をチャックにも明かせないまま、ケーシーだけを伴ってブダペストへの極秘任務に向かいます。何も知らされず蚊帳の外に置かれたチャックは、夫として、そしてカーマイケル・インダストリーズの一員として、ただ待っていることができません。キャッスルに残ったモーガンはアレックスとの気まずい空気を抱えたまま、エリーとデヴォンに見守られながらゲームナイトを過ごすことになります。サラとライカーの間にある過去の因縁が少しずつ姿を現し、家族とは何かが改めて問われる一話です。この記事では結末には触れず、英語表現が登場する場面だけを取り上げます。『CHUCK』S05E08のあらすじを手がかりに、本音を求める言葉と、情報を渡さない言葉、その両方を確認できる構成です。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. hear me out
意味の目安は「最後まで話を聞いてほしい」です。
Chuck: Hear me out.
(最後まで話を聞いてくれ。)
行き先も告げずに出ていこうとするサラを、チャックが呼び止めて言い分を聞いてもらおうとする一言です。二語だけの命令文でありながら、これから続く長い説得の前置きとして機能しており、まず相手の耳を確保しようとする切実さが表れています。
2. keep one’s mouth shut
意味の目安は「口を閉じておく、黙っている」です。
Casey: You sure you can keep your mouth shut this time?
(今回はちゃんと口を閉じておけるんだろうな?)
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ブダペスト行きを前に、口の軽いチャックに念を押すケーシーの一言です。this timeという限定の言葉が、過去に何度も同じ問題があったことをほのめかしており、信頼しきれていない相手への念押しという実務的な物言いになっています。
3. give someone the benefit of the doubt
意味の目安は「(疑わしくても)相手を信じてあげる」です。
Morgan: Sure, I just think maybe you should give Sarah the benefit of the doubt.
(まあ、サラのことは疑わずに信じてあげた方がいいと思うけどな。)
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サラの秘密主義に納得できないチャックに対し、モーガンが助言する場面です。I just think maybe youという控えめな前置きを重ねることで、意見を押し付けるのではなく、そっと差し出すような助言の形にしています。
4. can’t do something to save one’s life
意味の目安は「(どうやっても)まったくできない」です。
Casey: That blabbermouth can’t keep a secret to save his life.
(あのおしゃべりは、どうやっても秘密を守れない男だ。)
口の軽いチャックには何も話せないと、ケーシーがモーガンに念を押す一言です。to save his lifeという大げさな言い回しを平然と使うところに、相手への評価を遠慮なく言い切る、この人物らしい率直さが表れています。
5. above one’s pay grade
意味の目安は「自分の権限を超えている」です。
Ryker: I’m afraid that’s above your pay grade.
(残念だが、それは君の権限を超えている話だ。)
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赤ん坊の行方を尋ねるサラに対し、ライカーが情報を渡そうとしない場面です。I’m afraidという丁寧な前置きを添えながらも、結局は情報を渡さないという結論に変わりはなく、礼儀正しい言い方で拒絶する組織人らしい話し方になっています。
6. keep one’s options open
意味の目安は「選択肢を残しておく」です。
Alex: Well, I’m keeping my options open.
(まあ、選択肢は残してあるってこと。)
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モーガンとの将来について踏み込んだ話題になった際の、アレックスのはぐらかすような返しです。Wellという間を置く言葉から始めることで、即答を避け、まだ決めていないという立場をやんわり示す言い方になっています。
7. speed things along
意味の目安は「物事を早く進める」です。
Ellie: Okay, let’s, uh… let’s speed things along here.
(よし、じゃあ、ちょっと先に進めましょうか。)
ゲームナイトの進行を急がせようとするエリーの一言です。let’sを二度繰り返す言い淀みが、気まずい空気をこれ以上長引かせたくないという、進行役としての焦りをそのまま表しています。
8. pull out all the stops
意味の目安は「できることを全部やる、全力を尽くす」です。
Devon: So I pulled out all the stops.
(だから、できることは全部やったんだ。)
エリーと別れた過去を振り返り、よりを戻すために手を尽くしたと語るデヴォンの一言です。Soという結果を導く接続語から始めることで、それまでの苦労話を締めくくる決め台詞のような響きを持たせています。
9. a wild card
意味の目安は「予測のつかない危険な人物」です。
Graham: He’s a wild card.
(彼は何をしでかすか分からない男だ。)
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電話越しにサラへ状況を伝えるグラハムが、ライカーの読めなさを警告する一言です。断定形のシンプルな一文で言い切ることで、詳しい説明を省いても伝わる、警告としての重みを持たせています。
10. get ahold of
意味の目安は「(人に)連絡をつける」です。
Sarah: Did you get ahold of Morgan?
(モーガンとは連絡取れた?)
娘を守ろうと車を走らせながら、サラがモーガンと連絡が取れたかをチャックに確認する一言です。短い疑問文で用件だけを尋ねる言い方に、感情を処理する余裕もないまま任務を進める緊迫感がにじみます。
このエピソードの英語学習ポイント
行き先も告げずに出ていこうとするサラに、チャックは「Hear me out.」と呼び止めます。たった二語の命令文ですが、この後に続く長い説得のための前置きとして機能しており、まず相手の耳を確保しようとする切実さが表れています。これに対しライカーは、サラ自身が知りたがっている情報についても「I’m afraid that’s above your pay grade.」と、丁寧な前置きを添えながらも結局は何も渡しません。同じ「情報を求める側と渡さない側」の構図が、夫婦の間でも、元上司と部下の間でも繰り返されている点が、この回の言葉づかいから見えてきます。
一方でアレックスの「Well, I’m keeping my options open.」は、情報を渡さないというより、まだ自分の中で決められていないことをやんわり伝える言い方です。above your pay gradeのようにきっぱり線を引く拒絶とは違い、Wellという間を置く言葉ひとつで、答えを保留する余地を残しています。同じ「はっきり言わない」でも、権限の壁によるものか、まだ決めかねているだけなのか、その違いを聞き分けると、この回の会話の温度差がよく見えてきます。
ケーシーの「That blabbermouth can’t keep a secret to save his life.」のように、チャックの人物評を遠慮なく言い切る発言も、情報が誰に渡り誰に渡らないかという回全体の構図を補強しています。誰が何を知っていて、誰には教えないのか。その線引きが夫婦、同僚、元上司と部下という三つの関係でどう違って表れるか、それぞれの場面のトーンを聞き比べてみてください。
キャラクター別|英語の特徴
チャック|一度立ち止まってでも言い分を伝えようとする粘り強さ
行き先も告げずに出ていこうとする妻を前に、チャックはまず相手を引き止めるところから始めます。台本では、Chuckの発話「Hear me out.」が確認できます。たった二語の命令文でありながら、この後に続く説得のための前置きとして機能しており、妻の秘密主義に納得できないまま、それでも歩み寄ろうとする姿勢が言葉づかいに表れています。まず相手の耳を確保してから本題に入るという順番そのものに、粘り強さが表れる話し方です。
ケーシー|感情を交えず要点だけを突き放す話し方
ケーシーの言葉は、相手の欠点や信用のなさを遠慮なく指摘する方向に向かいます。台本では、Caseyの発話「You sure you can keep your mouth shut this time?」が確認できます。this timeという限定の言葉に、過去に何度も繰り返された不信がにじんでおり、「That blabbermouth can’t keep a secret to save his life.」のように、事実だけを短く言い切ってそれ以上は語らない話し方が一貫しています。情報を渡す相手を選ぶ判断が、遠慮のない物言いとして表れる人物です。
サラ|任務の緊張と家族への配慮が同居する口調
サラの言葉づかいには、任務モードと家族を思う気持ちの切り替えがそのまま表れます。台本では、Sarahの発話「Did you get ahold of Morgan?」が確認できます。短い疑問文で用件だけを尋ねるこの言い方には、感情を処理する余裕もないまま次の行動に移らなければならない緊迫感が表れています。ライカーからは情報を渡されない立場でありながら、家族に対しては実務的な確認の言葉を投げかける、板挟みの位置にいる人物らしい話し方です。
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