海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン4 第15話に登場する、気の進まない社交をどうこなすかをめぐるやりとりです。大学の資金集めパーティーへの参加を打診されたシェルドンたちに対し、サイバート学長が、渋る本音を認めつつも参加を求める場面が描かれています。
誘いへの警戒の言葉から、しぶしぶ引き受けさせようとする側の言い回しまで見ていきます。
「windowless van」にたとえる、甘い誘いへの警戒
学食で、サイバート学長がシェルドンたちに声をかける場面から始まります。
Seibert: Yeah. So, listen, fellas, who’s up for a little party this Saturday night? Open bar, good eats, might even be a few pretty girls.
(よし、それじゃ聞いてくれ、諸君。今度の土曜の夜、ちょっとしたパーティーがあるんだが、誰か来ないか? 飲み放題に旨い食事、ひょっとしたら可愛い子たちもいるかもしれないぞ。)TBBT Season4 Episode15 (The Benefactor Factor)
who’s up for … は、気軽に参加者を募るときの定番の言い出し方です。Open bar は飲み物が飲み放題であることを、good eats はくだけた調子で「旨い食事」を指す言い方で、パーティーの魅力を手短に並べる話し方が見て取れます。
ラージとハワードはすぐに乗り気になりますが、シェルドンだけは即座に警戒を見せます。
Sheldon: Hold on. Just because the nice man is offering you candy, doesn’t mean you should jump into his windowless van. What’s the occasion?
(待ちたまえ。親切そうな男が飴をくれるからといって、窓のないバンに飛び乗っていいことにはならない。何の集まりなんだ?)TBBT Season4 Episode15 (The Benefactor Factor)
jump into his windowless van は、見知らぬ人から不審な誘いを受けたときの「安易に飛びつくな」といういましめを、誘拐まがいのたとえで表した言い方です。うますぎる話には裏があるという警戒心を、candy(飴)とwindowless van(窓のないバン)という具体的な小道具に乗せて表現しています。
「kiss a few butts」に滲む、しぶしぶの社交
学長が資金集めパーティーだと明かしても、シェルドンの追及はやみません。それでもなお参加を求めるサイバート学長は、渋る気持ちそのものを認めた上で、こう続けます。
Seibert: I understand your reticence, Dr. Cooper, and I sympathize, but the hard facts are, occasionally, we have to shake a few hands and kiss a few butts to raise money for our research.
(クーパー博士、君が渋る気持ちは分かるし、同情もする。だが厳然たる事実として、我々は時々、愛想よく握手をして回り、ぺこぺこ機嫌を取らなければならないこともあるんだ、研究資金を集めるためにね。)TBBT Season4 Episode15 (The Benefactor Factor)
reticence は「気が進まないこと」「口が重いこと」を指すやや硬い語で、日常会話よりも改まった場面で使われます。そして shake a few hands and kiss a few butts は、握手をして回りながらへつらう様子をまとめて言い表す口語的な言い回しで、気乗りしない社交義務をこなす場面によく重なる表現です。hard facts are という前置きも、都合の悪い現実を認めた上で押し切るときの型として押さえておきたいところです。
まとめ|渋る気持ちを認めつつ押し通す言い方
who’s up for、jump into his windowless van、reticence、shake a few hands and kiss a few butts。誘いへの警戒から、しぶしぶ社交をこなす態度の表明まで、一連の言い回しを見てきました。相手の気乗りしなさを認めた上で「それでもやってくれ」と押し通す型は、職場の付き合いなど日本語の場面にも通じるものがあります。
次回も『ビッグバン★セオリー』の会話を通して、英語表現の型を見ていきましょう。
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