海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン4 第5話に登場する、barという一つの単語が意味を広げながらつながっていく言葉遊びです。レナードとシェルドンのアパートのリビング、ウェブカム越しのエイミーが出会いの場としてbarを勧めたところから、シェルドンが次々と別の意味のbarを挙げていくやり取りが始まります。
一つの単語が持つ複数の顔をたどっていきます。
「Have you tried a bar or tavern?」酒場としてのbar
レナードの不調をウェブカム越しに分析したエイミーは、出会いの場としてbarを勧めます。
Amy: I understand that some people find mates in social gathering places such as bars or taverns. Have you tried a bar or tavern?
(聞くところによると、酒場や居酒屋のような社交の場で伴侶を見つける人もいるそうね。酒場や居酒屋は試してみた?)Leonard: No, I’m not gonna try to pick up a woman in a bar.
(いや、バーで女性をナンパするつもりはないよ。)TBBT Season4 Episode5 (The Desperation Emanation)
bar はここでは「酒場」の意味で使われており、tavern(居酒屋)とほぼ同じ場面で言い換えられています。Have you tried …? は「〜は試してみた?」と、相手にすでに検討したかどうかを尋ねる定番の切り出し方です。エイミーの言い回しは学術的でやや硬めですが、barという単語自体はごく日常的な語彙として使われています。
juice bar、sushi bar、salad bar…広がっていく言葉遊び
レナードの返事を受けて、シェルドンは「バーで成功するには男らしい要素が要る、レナードにはそれがない」と決めつけます。エイミーはこの決めつけに「barにも色々ある」と返し、そこからシェルドンが単語の意味をどんどん広げていきます。
Amy: That’s not true of all bars. Juice bars, for example.
(すべてのbarに当てはまるわけではないわ。例えばジュースバーとかね。)Sheldon: Oh! Good point, Amy. Yeah, building on your premise, Leonard could frequent sushi bars, salad bars, oyster bars, the Apple Genius Bar, what are you doing?
(おお!いい指摘だね、エイミー。その前提に乗っかるなら、レナードは寿司バーやサラダバー、オイスターバー、Apple Genius Barにだって通えるわけだ。何してるんだ?)Leonard (exiting the apartment): Keep going. I’m listening.
(続けてくれ。ちゃんと聞いてるから。)TBBT Season4 Episode5 (The Desperation Emanation)
同じ bar という単語でも、意味の幅は場面ごとに変わります。ここまでに登場した表現を整理すると、次のようになります。
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| bar / tavern | 酒場 |
| juice bar | ジュースを提供する店・コーナー |
| sushi bar | 寿司を出す店・カウンター |
| salad bar | サラダを取り放題にできる売り場 |
| oyster bar | 生牡蠣を出す店・カウンター |
| (Apple) Genius Bar | Apple Storeの技術サポート窓口 |
酒を飲む場所から、食べ物を提供するカウンター、さらには実在の店舗窓口の名称まで、barという語は「対応してくれる場・カウンター」という核を保ちながら意味を広げています。シェルドンが Apple Genius Bar まで持ち出したところで、レナードは呆れて部屋を出ていきますが、その捨て台詞が Keep going. I’m listening.(続けてくれ、ちゃんと聞いてるから)です。実際には聞く気がないまま立ち去るという、言葉と行動が食い違うノリツッコミ的な使い方になっています。
まとめ|一つの単語が広げていく意味の幅
bar、tavern、juice bar、sushi bar、salad bar、oyster bar、Genius Bar。一つの単語が場面によって形を変えながらつながっていく様子が、この場面にはよく表れています。同じ単語でも組み合わせ次第で意味が変わることを押さえておくと、語彙の広がりを楽しみながら英語を眺められます。
次回も『ビッグバン★セオリー』の会話を通して、英語表現の型を見ていきましょう。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


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