海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン6 第9話に登場する、駐車スペースをめぐる言い合いに疲れたハワードが折れて謝り、シェルドンに駐車スペースを譲る場面です。ところがシェルドンは、素直に受け取るどころか、自分こそが器の大きい人間でなければ気が済まないと言い出し、思わぬ形で仲直りへと転がっていきます。
非を認めて折れる謝り方から、意地でも相手を上回ろうとする対抗心の表し方、そして仲直りの乾杯の一言まで、順番に見ていきます。
非を認めて折れる謝り方と、それを受け止める言い方
駐車スペースをめぐる言い合いに疲れたハワードは、ラージに付き添われてシェルドンのオフィスを訪れ、練習していたはずの謝罪の言葉を言い直しながら切り出します。
Howard: I had no idea how much that spot meant to you. Anyway, I called President Siebert and told him it’s not worth fighting over the spot, so you keep it, and I’ll park in the structure across the street.
(あのスペースがお前にとってどれだけ大事か分かってなかったよ。とにかく、学長に電話して、あの場所を取り合う価値はないから、お前がそのまま使い続けていい、俺は道路の向かいの立体駐車場に停めるって伝えておいた。)TBBT Season6 Episode9 (The Parking Spot Escalation)
I had no idea how much that spot meant to you. は、相手の気持ちの大きさに気づいていなかったと認める謝り方です。続けて学長への電話や駐車場所の変更という具体的な行動を報告する形で、口先だけではない譲歩であることを示しています。
この申し出を受けて、シェルドンは一度は素直に受け止めます。
Sheldon: Well, Howard, thank you. It’s quite a gesture on your part. You’ve shown yourself to be the bigger man.
(よし、ハワード、ありがとう。お前にしては大した心遣いだ。お前は自分が器の大きい人間だと証明したわけだ。)TBBT Season6 Episode9 (The Parking Spot Escalation)
You’ve shown yourself to be the bigger man. は、相手の譲歩を「器の大きい人間である証拠」として認める言い方です。the bigger man は、体格ではなく、争いの場で先に折れて度量の広さを示した側を指す表現で、ここでは素直な感謝の言葉として使われています。
意地でも相手を上回ろうとする対抗心と、仲直りの乾杯
ところが、シェルドンは “the bigger man” と認められたことに納得できず、一転して態度を変えます。
Sheldon: Which I find totally unacceptable. I must be the bigger man. Therefore, you may use my spot until such time as I learn to drive or get a Batmobile.
(それは到底受け入れられない。器が大きいのは僕でなければならない。よって、僕が運転を覚えるか、バットモービルを手に入れるまでの間、お前は僕のスペースを使っていいことにする。)TBBT Season6 Episode9 (The Parking Spot Escalation)
I must be the bigger man. は、相手に器の大きさで先を越されたことを認めず、自分こそがその立場でなければ気が済まないという対抗心の表し方です。相手の譲歩をそのまま上回る条件を即座に持ち出すところに、意地の張り合いの構造が表れています。Batmobile への言及は、シェルドンが好むヒーロー作品の車を引き合いに出した一言として使われています。
戸惑うハワードに、シェルドンはさらに言葉を重ねて認めさせようとします。
Sheldon: There is nothing to say. Except I’m the bigger man. I’m not kidding. Say it.
(何も言うことはない。僕が器の大きい人間だという以外はな。冗談じゃないぞ。言ってみろ。)TBBT Season6 Episode9 (The Parking Spot Escalation)
Say it. は、相手に特定の言葉をその場で口に出させようとする、強引な念押しの言い方です。根負けしたハワードは、ラージに促されて言葉を口にします。
Howard: You’re the bigger man, Sheldon.
(お前が器の大きい人間だよ、シェルドン。)TBBT Season6 Episode9 (The Parking Spot Escalation)
その後、二人はチーズケーキファクトリーで顔を合わせ、ハワードが仲直りの乾杯を持ちかけます。
Howard: I’d like to propose a toast, to burying the hatchet.
(乾杯といこう、仲直りに。)TBBT Season6 Episode9 (The Parking Spot Escalation)
I’d like to propose a toast, to… は、乾杯の対象をその場で宣言する定型の言い方です。burying the hatchet は、戦いの道具である手斧を地中に埋めるという言い回しに由来する表現で、争いを終わらせて和解することを表しています。
まとめ|意地の張り合いも、乾杯の一言で和解に変わる
非を認めて折れる謝り方、相手の譲歩をそのまま上回ろうとする対抗心の表し方、そして仲直りを宣言する乾杯の一言まで見てきました。素直に謝るだけでは終わらず、意地の張り合いを経てようやく和解にたどり着くやりとりに、二人らしい距離の詰め方が表れています。
次回も『ビッグバン★セオリー』の会話とともに、英語表現の型を見ていきましょう。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


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