「Penny.」の三連ノックに学ぶ、しつこい要求と韻を踏んだかわし方|『ビッグバン★セオリー』S05E02で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「Penny.」の三連ノックに学ぶ、しつこい要求と韻を踏んだかわし方|『ビッグバン★セオリー』S05E02で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン5 第2話に登場する、ペニーの部屋のドア越しでのやりとりです。拾い物の椅子の扱いをめぐってシェルドンが撤去を求めてノックを重ねる一方、ペニーはそのたびに韻を踏んだ軽い挨拶で応じ、要求を柳に風と受け流します。

しつこい要求と、それをひらりとかわす言い回しの応酬を見ていきます。

目次

深刻な要求と、まずはあっさりした切り返し

ペニーの部屋には、彼女が路上で拾ってきた椅子が置かれています。出どころを知ったシェルドンは健康被害の恐れがあると問題視し、撤去を求めてやってきます。

Sheldon: You need to remove that chair from the building. It’s a health hazard.
(その椅子は今すぐ建物から撤去してもらう必要がある。健康被害の元だ。)

Penny: Okay, relax. I took off the slipcovers, had them dry-cleaned and then fumigated the cushions.
(ちょっと、落ち着いてよ。カバーは外してドライクリーニングに出したし、クッションも消毒済みだから。)

TBBT Season5 Episode2 (The Infestation Hypothesis)

remove … from the buildinghealth hazard で深刻さを強調するシェルドンに対し、ペニーは take off、dry-clean、fumigate と対策済みであることを淡々と並べて返します。この時点では、まだ軽口の応酬にはなっていません。

しかしシェルドンは引き下がらず、ドアを三回ノックしては名前を三度呼ぶ、いつものルーティンで何度も訪ねてきます。ここから、ペニーの返し方が変わり始めます。

Penny: What’s up, buttercup?
(調子はどう、バターカップ?)

Sheldon: You have to get rid of the chair.
(あの椅子を処分してもらわないと困る。)

TBBT Season5 Episode2 (The Infestation Hypothesis)

get rid of は「厄介なものを処分する・取り除く」というくだけた言い方で、シェルドンの要求はここで一段と直接的になります。それでもペニーは buttercup(キンポウゲ)と韻を踏んだ呼びかけで、話をまともに受け取らない構えを崩しません。

韻を踏んだ挨拶で、権威づけの言葉をかわし続ける

ノックはさらに続き、シェルドンの言い回しもだんだんと大げさになっていきます。

Penny: What’s the word, hummingbird?
(どうしたの、ハミングバード?)

Sheldon: For your safety, please wait in my apartment as I call the authorities so they may remove the chair of death.
(君の安全のため、僕の部屋で待っていてくれ。当局に連絡して、あの死の椅子を撤去させる。)

TBBT Season5 Episode2 (The Infestation Hypothesis)

the chair of death という大仰な呼び方や call the authorities(当局に連絡する)という言葉選びから、シェルドンが状況を実際以上に深刻なものへ仕立て上げているのが伝わってきます。ペニーの hummingbird(ハチドリ)との韻も、深刻ぶった相手の言葉を軽やかに受け流す働きをしています。

三度目のノックでは、シェルドンはついに自分に権限があるかのような言い方まで持ち出します。

Penny: What’s the gist, physicist?
(要件は何、フィジシスト?)

Sheldon: Under my authority as a self-appointed member of the Centres for Disease Control street team, these premises are condemned.
(疾病対策センター、自称現地チームの一員としての権限により、この物件は使用禁止だと宣言する。)

TBBT Season5 Episode2 (The Infestation Hypothesis)

under my authority as … は「〜としての権限に基づき」と、まるで公的な立場であるかのように切り出す言い回しです。実際には self-appointed(自称の)権限に過ぎない点も含めて、大げさな肩書きを持ち出す型が見どころです。なお疾病対策センター(Centers for Disease Control)は米語表記では Centers とつづりますが、このセリフは台本表記のとおり Centres と残しています。ペニーの physicist(物理学者)との韻も、シェルドンの職業をそのまま返し文句に取り込んでいるのが面白いところです。

まとめ|しつこい要求は、韻を踏んだ一言でかわせる

health hazard、get rid of、the chair of death、under my authority as、call the authorities。深刻ぶった要求を繰り返すシェルドンに対し、ペニーが buttercup、hummingbird、physicist と韻を踏んだ呼びかけで応じ続けるやりとりを見てきました。しつこく畳みかけられたときに、軽い調子の一言でかわす返し方は、日常の会話にも応用できそうです。

次回も『ビッグバン★セオリー』の会話を通して、英語表現の型を見ていきましょう。

このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。

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