「She says it’s nice to meet you.」に見る、通訳を介した伝言の英語|『ビッグバン★セオリー』S05E04で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「She says it’s nice to meet you.」に見る、通訳を介した伝言の英語|『ビッグバン★セオリー』S05E04で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン5 第4話に登場する、手話通訳を介した初対面のやり取りです。チーズケーキ・ファクトリーで、ペニーがスピンクラス仲間のエミリーをラージに紹介する場面で、手話のできるハワードが二人の間に立ち、それぞれの言葉を相手へ伝えていきます。自分の言葉として話す場面と、相手の言葉をそのまま運ぶ場面とで、英語の型がどう変わるかが見どころです。

通訳者ならではの言い回しから見ていきます。

目次

通訳者自身の言葉で紹介する「This is our friend ~.」と、伝聞の「She says ~.」

チーズケーキ・ファクトリーで、ペニーがスピンクラス仲間のエミリーをラージに引き合わせます。

Penny: Um, Raj, there’s someone I want you to meet. This is my friend Emily. I know her from my spin class. Raj, relax. She can’t hear you. She’s deaf.
(ねえ、ラージ、紹介したい人がいるの。友達のエミリーよ。スピンクラスで知り合ったの。ラージ、落ち着いて。彼女には聞こえてないから。耳が聞こえないの。)

TBBT Season5 Episode4 (The Wiggly Finger Catalyst)

エミリーが聞こえないという事実は、ここでは深刻な説明としてではなく、この後のやり取りの前提として淡々と共有されています。手話通訳を担うのはハワードで、続けてエミリーに次のように伝えます。

Howard: Emily, this is our friend Raj.
(エミリー、こちらは俺たちの友達のラージだ。)

TBBT Season5 Episode4 (The Wiggly Finger Catalyst)

this is our friend ~. は、紹介する本人ではなく通訳者が自分の言葉として発する紹介文です。「his friend」ではなく「our friend」という所有格の選び方に、通訳者自身もその場の関係に含まれている感覚が表れています。

やり取りが始まると、ハワードは今度はエミリーの発言をラージに伝える役に回ります。

Howard: She says it’s nice to meet you.
(彼女、はじめましてって言ってるよ。)

Raj: Does she really mean that or was she signing it sarcastically?
(それ、本気で言ってるのかな、それとも皮肉っぽく手話してたとか?)

TBBT Season5 Episode4 (The Wiggly Finger Catalyst)

she says ~. は、第三者の発言を地の文のようにそのまま伝える伝聞の型です。通訳者は自分の意見を挟まず、相手の言葉を運ぶ立場に徹しています。一方でラージが返す Does she really mean that or was she ~ing it sarcastically? は、伝えられた言葉をそのまま信じるのではなく、真意を疑って確認する言い方です。皮肉屋のラージらしい切り返しと言えます。

相手への伝言を託す「Tell her ~.」

紹介が一段落すると、ハワードは今度はエミリーからの伝言をラージに届けます。

Howard: Raj says it’s nice to meet you, too. She says she has to go back to her family, but Penny has her number if you want to text her and get together.
(ラージも、はじめましてだって。彼女は家族のところに戻らなきゃいけないけど、連絡したいならペニーが番号知ってるって。)

Raj: Okay, I’m going to play it cool. Tell her, maybe. Whatever, babe.
(よし、ここはクールにいこう。伝えて、多分な、って。それじゃ、またね。)

TBBT Season5 Episode4 (The Wiggly Finger Catalyst)

tell her ~. は、相手に直接ではなく、通訳者を介して伝言を託すときの定型です。ラージは動揺を隠して「クールに」振る舞おうとしますが、この一言そのものが、緊張をごまかしきれていない証拠にもなっています。

このあと、ハワードが「テキストするってさ」とだけ伝えると、ラージは上機嫌でこの日をふり返ります。this is our friendshe saystell her。同じ「伝える」という行為でも、誰の言葉として話すか、誰の言葉を運ぶかによって、使う型が変わってくることが見えてきます。

まとめ|通訳者の言葉が、二人の間をつなぐ

this is our friend ~.、she says ~.、does she really mean that or was she ~ing it sarcastically?、tell her ~.。通訳という第三者を介したやり取りには、自分の言葉として話す型と、相手の言葉を運ぶ型がはっきり分かれて登場します。誰の発言として発話するのかを意識すると、伝聞表現の使い分けが整理しやすくなります。

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