「hold someone back」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S05E10で学ぶ英会話

「hold someone back」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

せっかくのチャンスが目の前にあるのに、なぜか一歩を踏み出せずにいる人を見て、何が足かせになっているのだろうと考え込んでしまうことがあります。本人は気づいていなくても、周りから見ると原因がはっきり見えていることも少なくありません。

そんな「足を引っ張っている何か」を語るときにぴったりの「hold someone back」を、『ホワイトカラー』シーズン5第10話の前半、部下のジョーンズが上司のピーターに向かって、昇進のチャンスを見送り続けている理由をずばりと指摘する場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「hold someone back」の意味とニュアンス

hold someone back
意味:人の前進・成功を妨げる、足を引っ張る

hold someone back は、直訳すると「(人)を後ろに引き止める」という意味になりますが、実際にはもっと比喩的に、人の昇進やキャリアの成長、成功のチャンスを妨げている要因を指して使われる表現です。妨げているのは人物であることもあれば、状況や本人の内面的な弱さであることもあります。

この表現の面白いところは、hold back(引き止める、抑える)という基本の句動詞に someone を挟み込むことで、「誰かの足を引っ張っている対象」を明確に主語に据えられる点です。「何が」「誰が」人を引き止めているのかを、そのまま文の主語にして語れるので、原因を名指しするときに便利な構文になっています。

日常会話でもビジネスの場面でも頻繁に登場し、キャリアの停滞を誰かのせいにする場合にも、自分自身の弱さを振り返る場合にも使える、幅広い応用力を持った表現です。

【ここがポイント!】

  • 「hold someone back」の核は、人の前進・成功を妨げている要因を主語に据えて指摘できる点
  • 妨げる対象は他人だけでなく、自分自身の弱さや状況であることも多い
  • キャリアの停滞理由を分析する場面でとりわけよく使われる

『ホワイトカラー』S05E10のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

FBIのオフィスで、ジョーンズがピーターに向かって、めったに巡ってこない好機がありながら動き出せていない現状をはっきりと指摘します。ピーターがはぐらかすように答えると、ジョーンズはさらに踏み込んで、その原因が特定の人物にあることをほのめかします。

Peter: So it is that obvious.
(じゃあ、そんなに分かりやすいのか。)

Jones: Well, Peter, you have an opportunity few agents in this bureau ever see, and you should have moved on to it by now. I mean, you’ve let one CI hold you back long enough.
(なあピーター、この捜査局じゃめったにない好機がお前にはあるんだ。とっくに動き出しているべきだったんだよ。つまり、たった一人の情報提供者に、もう十分長く足を引っ張らせてきたってことだ。)

Peter: I have a few loose ends here that need tying up.
(こっちには、まだ片付けなきゃいけない細かい問題がいくつかあるんだ。)

Jones: I’m all for tying up loose ends, as long as they aren’t Caffrey.
(未解決のことを片付けるのは大賛成だ、それがキャフリーの件じゃなければな。)

White Collar Season5 Episode10 (Live Feed)

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シーン解説と心理考察

「じゃあ、そんなに分かりやすいのか」というピーターの一言には、自分でも薄々気づいていた事実を部下にずばりと指摘された気まずさがにじみます。ジョーンズはそこで手加減せず、「めったにない好機がお前にはあるんだ、とっくに動き出しているべきだった」と踏み込み、その原因が「たった一人の情報提供者」に足を引っ張られ続けていることにあると、率直に言い切ります。

ピーターは「まだ片付けなきゃいけない細かい問題がいくつかあるんだ」とやんわりかわそうとしますが、ジョーンズは「未解決のことを片付けるのは大賛成だ、それがキャフリーの件じゃなければな」と、名指しで切り返します。曖昧な言い訳を許さず、本音をぶつけるジョーンズの姿には、上司であるピーターの将来を案じる部下としての誠実さと、いつまでも一人の協力者に気を取られているピーターへのもどかしさの両方が読み取れます。

短いやり取りの中に、ピーターとニールの関係が周囲からどう見られているかが端的に表れており、キャリアの岐路に立たされたピーターの内面の揺れも同時に浮かび上がってくる場面です。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

hold someone back を覚えるコツは、誰かの服のすそを後ろからぐいっと掴んで、前に進もうとするのを引き止めているイメージを思い浮かべることです。hold(掴んで引き止める)+ back(後ろへ)という組み合わせが、「前に進みたいのに、何かのせいで後ろに引っ張られて動けない」という感覚そのものにつながります。

劇中でも、ニールという存在がピーターを後ろに引っ張っているという文脈で使われていました。原因となる対象を主語に置いて「〜が私を引き止めている」と語るこの構文ごと覚えておくと、キャリアの停滞理由を分析する場面でとっさに口から出てくるはずです。誰かのせいにするだけでなく、自分自身の迷いを振り返るときにも使える柔軟さも、あわせて頭に入れておきましょう。

例文で覚える「hold someone back」

キャリアの停滞から自己分析まで、hold someone back を、3つの例文で確認していきましょう。

His fear of failure is holding him back from applying for the promotion.
(失敗を恐れる気持ちが、彼が昇進に応募するのを妨げている。)
昇進をためらう同僚の心理を分析するビジネスの場面です。fear of failure という原因を主語に置くことで、妨げの正体を明確に示しています。

Don’t let one bad experience hold you back from trying again.
(一度の悪い経験のせいで、もう一度挑戦するのをためらわないで。)
友人を励ますカジュアルな会話の場面です。let 〜 hold back という形は、相手に「妨げに屈しないで」と背中を押すときによく使われます。

A: Why haven’t you started your own business yet?
B: Honestly, my student loans are holding me back.
(A:どうしてまだ起業していないの?)
(B:正直、学生ローンが足かせになっているんだ。)
将来の計画について話す会話の一場面です。具体的な障害を率直に打ち明ける返答として自然に使われています。

あわせて覚えたい関連表現

get in the way of
(〜の邪魔をする)
hold someone back が「前進・成長の機会」を妨げる継続的な状況を指すのに対し、get in the way of は特定の行動や計画への一時的な妨害を指すことが多い表現です。

drag someone down
(人を引きずり下ろす、足を引っ張って落ち込ませる)
drag someone down はより否定的で、相手を「下降させる・悪化させる」ニュアンスが強い表現です。hold someone back は足踏みさせるイメージに近く、下降までは含意しません。

stand in someone’s way
(人の行く手を阻む)
stand in someone’s way は物理的・比喩的に「道をふさぐ」イメージが強く、意図的な妨害を示唆しやすい表現です。hold someone back は無意識の要因(自分の性格や状況)にも使える点が異なります。

Note|hold someone back / drag someone down / stand in someone’s way の使い分け

「妨げる」という意味を持つ英語表現はいくつもありますが、それぞれが思い描いている妨害のイメージには微妙な違いがあります。この3つを並べて比べてみると、頭の中の使い分けがぐっとクリアになります。

hold someone back が指すのは、「後ろから引っ張られて前に進めない」という足踏み状態です。原因は人であることも、状況や本人の弱さであることもあり、比較的ニュートラルな響きを持っています。一方 drag someone down は、単に足踏みするだけでなく、相手をより低い状態へと引きずり落とすという、下降のニュアンスを伴う表現です。落ち込んでいる友人に悪影響を与えてしまう関係性を語るときなどに使われ、hold someone back よりもネガティブな響きが強くなります。

stand in someone’s way はさらに毛色が異なり、「道そのものをふさいでいる」という物理的・比喩的な障害物のイメージが中心にあります。意図的に邪魔をしている、あるいは結果的に立ちはだかっているというニュアンスが強く、単なる足踏みとは一線を画します。

劇中でジョーンズが使った hold someone back は、ピーター自身の意思とは関係なく、情報提供者への義理立てという状況がピーターの足を引っ張っているという、まさに典型的な用法でした。「誰が・何が」妨げているのかを主語にはっきり据えられる点を意識しておくと、この3つの表現を状況に応じて自然に選べるようになります。

まとめ|前へ進めないのは、何のせい?

hold someone back は、人の前進や成功のチャンスを妨げている要因を指す表現です。原因となる人・物・状況をそのまま主語に置ける構文を覚えておくと、キャリアの停滞理由を語る場面で自然に使える一言になります。

誰かのせいで前に進めないと感じるときも、自分自身の迷いが原因だと気づいたときも、この表現があれば率直に状況を言葉にできます。

部下からずばりと本音を指摘されたピーターの姿には、頭では分かっていても行動に移せずにいる人間らしい迷いが表れています。その率直なやり取りごと、表現の引き出しに加えてみてください。

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