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一度言い争いになった相手に、謝っても納得してもらえず、思わず「じゃあ、どうすればいいんだ」と投げかけてしまう場面が、誰にでもあるのではないでしょうか。謝罪の言葉だけでは気持ちが届かず、もう一歩踏み込んだ問いかけが必要になることもあります。
そんな場面にぴったりの「what’s it going to take」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン11第10話の中盤、気まずくなったハワードとラージが食堂で向き合うシーンから、一緒に見ていきましょう。
「what’s it going to take」の意味とニュアンス
what’s it going to take
意味:どうすればよいのか、何をすれば気が済むのか
what’s it going to take(口語では what’s it gonna take)は、ある結果や相手の納得を得るために何が必要なのかを尋ねる表現です。take はここでは「(何かを得るために)要する」という意味で使われており、単に How can I do it? と尋ねるよりも、相手の条件や要求を探るような、やや交渉的な響きを持ちます。
相手を説得したい場面、関係を修復したい場面、何らかの条件を交渉する場面などで使われ、自分から「何が必要なのか」を問いかける分、相手に対して一歩譲る姿勢も含まれています。
質問の形を取りながらも、実質的には「こちらは応じる用意がある」という姿勢を示す表現でもあり、単なる疑問文以上に相手との距離を詰めようとする働きを持っています。go は未来の行為を指す be going to の形がそのまま使われており、「これから何が必要になってくるのか」という見通しを尋ねる響きも含まれています。
【ここがポイント!】
- 「what’s it going to take」の核は、相手の条件や納得を探る問いかけであること
- How can I do it? よりも交渉的で、相手に歩み寄る姿勢を含む響き
- 説得・仲直り・交渉など、相手の反応を気にしながら使う場面で役立つ
『ビッグバン★セオリー』S11E10のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
食堂でハワードが座っている席を、ラージが避け続けます。謝罪が届かないことに戸惑うハワードが、折れようとするやり取りに注目です。
Howard: Really? You’re not gonna sit here?
(マジで? ここには座らないつもり?)Raj: I’ll sit there as soon as you leave.
(お前がいなくなったらすぐ座るよ。)Howard: You’re still on this? I said sorry.
(まだそれ気にしてるのか? 謝ったじゃないか。)Raj: Well, “sorry” doesn’t make up for years of emotional abuse.
(「ごめん」じゃ、長年の精神的な仕打ちの埋め合わせにはならないよ。)Howard: Well, what’s it gonna take? You want half my sandwich?
(はぁ。じゃあどうすればいいんだ? サンドイッチの半分、欲しいか?)Sheldon: What is going on?
(一体何が起きてるんだ?)The Big Bang Theory Season11 Episode10 (The Confidence Erosion)
シーン解説と心理考察
ハワードの隣に座るのをラージが拒む様子には、表面上は軽い口調を保ちながらも、積み重なった不満がはっきりと表れています。「謝ったじゃないか」というハワードの言葉に対して、「『ごめん』じゃ埋め合わせにはならない」と強い言葉で切り返すラージの反応には、簡単には引かない態度が見て取れます。
ハワードの「じゃあ、どうすればいいんだ? サンドイッチの半分、欲しいか?」という返しは、深刻になりすぎた空気をあえて軽いジョークでかわそうとする彼らしい態度です。本気で困っている様子と、笑いに逃げようとする様子が同時に伝わってくる一言でもあります。
その一方で、シェルドンの「一体何が起きてるんだ?」という問いかけは、傍から見てもただならぬ空気が漂っていたことを示しています。この場面は後に二人が本格的に気まずくなっていく展開の前触れであり、軽いやり取りの裏に確かな緊張が潜んでいることがうかがえます。
サンドイッチという身近な食べ物を差し出すという小さな提案は、深刻な話題を扱いきれずに、つい手近なものに頼ってしまうハワードらしい対応としても読み取れます。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
what’s it going to take を覚えるコツは、相手との間に隠れた「必要なもののリスト」を、手探りで探ろうとする様子を思い浮かべることです。take には「(何かを得るために)要する」という意味があり、相手の気持ちや結果を手に入れるために何を差し出せばいいのかを尋ねているイメージにつながります。
ハワードがジョークを交えつつも本気でラージの機嫌を探ろうとしていたように、交渉のための探りというイメージとセットで覚えておくと、険悪になった空気をやわらげたい場面でとっさに使いやすくなります。サンドイッチという具体的な品を差し出したように、抽象的な問いかけのあとに具体例を添えると、相手にも答えやすい流れを作れます。
例文で覚える「what’s it going to take」
仲直りの場面から仕事の交渉まで、what’s it going to take を3つの例文で確認していきましょう。相手の反応をうかがいながら使うのがこの表現のコツです。
What’s it going to take to convince you this plan will work?
(このプランがうまくいくと君に納得してもらうには、何が必要なんだろう?)
会議で提案を説得しようとするビジネスの場面です。convince you を添えることで、相手の納得そのものが目的であることが明確になります。
I don’t know what it’s going to take, but I’ll do whatever it is.
(何が必要なのか分からないけど、それが何であれやるよ)
強い決意を語る日常会話の場面です。but 以降を添えることで、条件が分からなくても取り組む姿勢が伝わります。
A: I’m still upset about last week.
B: What’s it gonna take for you to forgive me?
(A:先週のこと、まだ怒ってるんだ。)
(B:君に許してもらうには、何をすればいいんだ?)
友人や恋人との仲直りの場面です。for you to forgive me を添えることで、相手の気持ちをほどくことが目的だと明確に伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
what do I have to do
(私は何をしなければならないのか)
what’s it going to take は相手の条件・納得を探るニュアンスがありますが、what do I have to do は自分がすべき行動そのものに焦点があります。
what would it take
(何が必要になるだろうか)
what’s it going to take よりも仮定的・婉曲的な響きを持ち、より丁寧な交渉の場面で使われやすい表現です。
how can I make it up to you
(どうやって埋め合わせをすればいいか)
what’s it going to take よりも謝罪・補償に焦点を絞った表現です。
Note|what’s it going to take / what would it take / how can I make it up to you の使い分け
相手の条件や気持ちを探る表現は、状況の深刻さや相手との関係性によって、いくつかの言い方が使い分けられています。
what’s it going to take は、ハワードがラージに向けた場面のように、答えがまだ見えていない中で率直に問いかける表現です。これに対して what would it take は、would を使うことで仮定の響きが加わり、直接的な対立を避けたい場面や、少し距離のある相手にも使いやすい丁寧さを持ちます。さらに謝罪や埋め合わせに焦点を絞りたい場合は、how can I make it up to you がより的確です。この表現は「何が必要か」を探るのではなく、「自分から何をすれば償えるか」を提案する形になっている点が異なります。
3つの表現はいずれも相手との関係を修復したい場面で使えますが、率直に探りたいときは what’s it going to take、柔らかく尋ねたいときは what would it take、自分から動きたいときは how can I make it up to you、というように選び分けると、状況に合った言い方ができます。同じ「関係を修復したい」という気持ちでも、相手に条件を聞くのか、自分から提案するのかで、選ぶべき表現の向きが変わってくる点も意識しておきたいところです。
場面の深刻さに応じて、探る表現と提案する表現を切り替えてみると、相手との距離感に合った言い方がしやすくなります。
まとめ|軽いジョークに隠れた本気
what’s it going to take は、相手の条件や納得を得るために何が必要なのかを尋ねる表現です。How can I do it? よりも交渉的な響きを持ち、相手に一歩歩み寄る姿勢も含まれています。
ハワードがジョークを交えながらもラージの機嫌を探ろうとしていた場面のように、深刻な話題ほどあえて軽い言い方で切り出されることもあります。険悪な空気を和らげたいときは、この一言が会話の糸口になるでしょう。問いかけそのものが、相手への関心を伝える役割を果たすこともあります。
相手の納得を探るこの一言を、仲直りの場面で使える会話のレパートリーに加えてみてください。


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