海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン1第7話では、高級ブティックのダイヤモンドすり替え事件の容疑がニールにかけられ、彼自身が疑いを晴らすために動き出します。取り調べや捜査会議で交わされる言葉には、容疑を型どおりに処理していく捜査側の言い回しが並びます。一方でニールは、疑われる立場にありながらも仮定法や機知に富んだ切り返しで容疑をかわしていきます。淡々と処理する言葉と、それをかわす言葉の対比が、この回の英語には表れています。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン1第7話は、高級ブティックで展示中の希少なピンクダイヤモンドが偽物にすり替わっていたという発覚から始まる。犯行時にニールの追跡用アンクレットの記録が何者かに消されていたことから、彼は最有力容疑者として拘束されてしまう。護送先から忽然と姿を消したニールは、内部監査部門から派遣されたフォウラーの不審な動きに気づき、独自の調査に乗り出す。エリザベスの手も借りて身を潜めながら、ピーターに手がかりを託していくニールの動きから目が離せない。捜査班もまた、盗難の手口に詳しい別の容疑者候補を洗い出しながら、事件の全体像を追いかけていく。『ホワイトカラー』S01E07のこの攻防を追うと、容疑を処理する側の言葉と、疑われながらも切り返す側の言葉の違いが見えてくる。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. inside job
内部の者が関わった犯行という意味です。
Peter: You think it’s an inside job.
(内部の人間の仕業だと思っているんだろう。)
OPRのフォウラーから捜査状況を探られたピーターが、相手の言わんとすることを先回りして言い当てる場面です。You think ~という言い方に、相手の疑念をそのまま言葉にして突き返す率直さが表れています。
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2. pull off
(困難なことを)やり遂げる、成功させるという意味です。
Peter: Cameras don’t scare him, and he has the facilities to pull this off.
(カメラなど怖がらないし、これをやり遂げるだけの設備も持っている。)
容疑者候補トゥレインの手口を検討する場面で、ピーターが彼なら実行できるとみて容疑を絞り込みます。has the facilities toという実務的な言い回しに、証拠から人物像を組み立てていく捜査官らしい分析が表れています。
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3. be in touch
連絡を取り合うという意味です。
Peter: I’ll be in touch.
(また連絡する。)
容疑者トゥレインへの聴取を切り上げる際、ピーターが型通りの言葉で会話を締めくくる場面です。I’ll be in touch.という決まり文句の軽さに、手がかりを掴めなかった苛立ちを表に出さない捜査官らしい引き際が表れています。
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4. at the top of the list
リストの一番上にいる、最有力候補であるという意味です。
Neal: I’m sure I’m at the top of the list.
(どうせ僕がリストの一番上に載ってるんだろう。)
事件の容疑者として自分が真っ先に疑われる立場にあることを、ニール自身が自嘲気味に認める場面です。I’m sure ~という確信めいた言い方が、疑いに反論するのではなく先回りして受け入れる余裕を感じさせます。
5. let someone down
(人)を失望させる、裏切るという意味です。
Peter: You let me down, Neal.
(お前には失望したよ、ニール。)
ダイヤ偽造の容疑でニールを逮捕した直後、ピーターが率直に失望を口にする場面です。Neal,と名前を添えて言い切る短さに、感情を飾らずそのまま伝える直截さが表れています。
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6. make a pit stop
(目的地に向かう途中で)ちょっと立ち寄るという意味です。
Mozzie: Once the request went through, he made a pit stop at a local dumpster.
(要求が通ったらすぐ、あいつは近くのゴミ捨て場に立ち寄ったよ。)
フォウラーを尾行していたモジーが、途中でゴミ捨て場に立ち寄ったという行動をニールに簡潔に報告する場面です。make a pit stopという寄り道を表す言い回しが、尾行対象のちょっとした不審な動きを的確に切り取っています。
7. on the straight and narrow
(道を踏み外さず)まっとうな道を歩んでいるという意味です。
Peter: You know, I’ve been working my a*s off keeping this kid on the straight and narrow.
(いいか、俺はこいつをまっとうな道に留めておくために身を粉にしてきたんだ。)
ニールの脱走騒ぎで責められる中、ピーターが彼をまっとうに導こうと努力してきたことを訴える場面です。keeping this kid on the straight and narrowという言い回しに、頑固な保護者にも似た苛立ちと責任感が同居しています。
8. words to live by
座右の銘にすべき言葉、心に留めておくべき助言という意味です。
Peter: Words to live by.
(肝に銘じておくべき言葉だな。)
関与を否定できる状況をあえて保っておこうとするニールの提案に、ピーターが皮肉交じりに同意する場面です。台本ではこの直前にPlausible deniability?というニールの問いかけがあり、それを型どおりの相槌のようなひとことで受け止めています。
9. cover one’s tracks
(自分の)痕跡を消す、足がつかないようにするという意味です。
Neal: Add a few minutes for him to double back and cover his tracks.
(何分か余分に見ておけ、そこで引き返して足跡を消したはずだ。)
金庫室に侵入した覆面の犯人の映像を分析しながら、逃走の手口を読み解く場面です。add a few minutes forという推測の言い回しに、映像だけでは分からない部分を経験から補って読み解こうとする姿勢が表れています。
10. off the hook
(疑い・責任から)解放されるという意味です。
Cruz: Yeah, you’re off the hook.
(ええ、あなたの容疑はもう晴れたわ。)
濡れ衣が晴れ、事件解決を祝う場面で、捜査官クルーズがニールに疑いが晴れたことを伝える場面です。offという一語に、それまでニールにのしかかっていた重荷がふっと外れた様子が表れています。
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このエピソードの英語学習ポイント
ニールの受け答えを追うと、容疑をまっすぐには否定も肯定もしない話し方が見えてきます。手口を検討する場面でWhat about you?と水を向けられたニールは、If I were legally allowed within 50 feet of the right equipment, maybe.と、仮定法を使って疑いをやんわりとかわします。容疑者として名指しされる場面でもI’m sure I’m at the top of the list.と、疑いを否定するのではなく先回りして認めてみせる余裕があります。
一方でピーターの言葉は、疑いを型どおりの言い回しで淡々と処理していきます。フォウラーの探りにYou think it’s an inside job.と応じ、容疑者への聴取を切り上げるときはI’ll be in touch.という決まり文句で締めくくります。感情を大きく動かさず、必要な場面で必要な定型句を選ぶところに、捜査官としての一貫性が表れています。
この二つの話し方が正面からぶつかるのが、逮捕直後の一幕です。You let me down, Neal.と告げるピーターに、ニールはI let you down?と問い返したあと、And you told me to look at your bonds under a polarized light, remember?と、かつて自分が授けた助言をそのまま切り返します。型どおりに処理する言葉と、機知で切り返す言葉が同じ会話の中でぶつかり合うところに、この回らしい面白さがあります。二人のやり取りを見返すときは、疑いをかける側とかわす側とで、それぞれどんな言い回しが選ばれているかに注目してみてください。
キャラクター別|英語の特徴
ニール|仮定法と皮肉で容疑をかわす英語
容疑をかけられ拘束される中でも、ニールはIf I were legally allowed within 50 feet of the right equipment, maybe.と、仮定法を使って自分への疑いをやんわりとかわします。台本ではこの直前にWhat about you?と水を向けられており、あえて核心を仮定の話にすり替えることで、疑いに正面から答えない受け答えをしています。
取り調べの場面では、I’m sure I’m at the top of the list.と自分が真っ先に疑われる立場にあることを自嘲気味に認め、I am the list, aren’t I?とさらに突き放すように言い換えます。否定して弁明するのではなく、疑いをいったん丸ごと引き受けてみせるところに、この容疑者ならではの余裕が表れています。
ピーター|型どおりの言葉で容疑を処理していく英語
OPRのフォウラーへの応対でも、ピーターはYou think it’s an inside job.と、相手の言わんとすることを先回りしてそのまま言葉にします。容疑者トゥレインへの聴取を切り上げるときも、I’ll be in touch.という型どおりの一言で会話を締めくくり、余計な感情を挟みません。
その徹底ぶりは、ニールへの失望を告げる場面でも変わりません。You let me down, Neal.と、名指しでまっすぐに気持ちを伝えます。ただし関与を否定できる状況を保とうとするニールの提案にWords to live by.と皮肉交じりに同意する場面もあり、型どおりの言葉の奥に、ニールとの関係だからこそ許される軽い駆け引きも顔をのぞかせています。
モジー|OPRを語るときだけ一段と衒学的になる英語
フォウラー率いるOPRについて尋ねられると、モジーはOPR is like this giant, sucking black hole…と大仰な比喩で語り出し、Accountable only to the DOJ.とまくし立てます。DOJの意味を尋ねられればWell, DOJ is just a euphemism, of course, for the military industrial complex.とさらに話を広げていくところに、この人物らしい衒学的な饒舌さが表れています。
ところがフォウラーを尾行した報告では、Once the request went through, he made a pit stop at a local dumpster.と、要点だけを簡潔に伝えます。台本ではこの直後にHe shredded these.と続き、陰謀論を語るときの饒舌さとはうって変わった実務的な報告ぶりが対照的です。同じ人物の中に、話を広げたがる饒舌さと、必要なことだけを伝える簡潔さが同居しているところに、この回のモジーらしさが表れています。
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