海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン2第5話には、ニールの美術品窃盗事件でかつて対立した保険調査員サラが、新たな相棒として加わります。サラは警戒や評価をそのまま言葉にするのに対し、ニールは機知に富んだ自嘲でその場をかわし続けます。追う側と追われる側という緊張関係の中で、率直な物言いとはぐらかす物言いがどう変化していくかが、この回の見どころです。
あらすじ(ネタバレなし)
1億ドル相当の盗難債券の捜査に、保険会社の調査員サラが加わることになる。彼女はかつてニールを追い詰めた過去を持つ人物で、五年ぶりの再会は互いに気まずさを残したまま始まる。手がかりを追う中で国際的な不動産業者ハルブリッジと謎めいた仲介人の存在が浮かび上がり、ニールは危険な潜入捜査を任されることになる。捜査が進むにつれ、ハルブリッジが所有する古いアパートに隠された過去にも焦点が当たっていく。序盤は互いに探り合っていたニールとサラの距離感も、事件を追ううちに少しずつ変わっていく。『ホワイトカラー』S02E05のあらすじをたどるときは、二人がどんな言葉で相手への警戒を解いていくかにも注目したい。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. raise flags
警戒信号を出す、怪しまれるという意味です。
Peter: He can move them without raising flags.
(怪しまれずにそれを動かせる男だ。)
サラが持ち込んだ盗難債券事件で、容疑者に浮上した不動産業者ハルブリッジの手口をピーターが説明する場面です。感情を交えず、手口の危険性だけを端的に伝えています。
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2. slip through someone’s fingers
(捕まえられそうで)取り逃がす、するりと逃げるという意味です。
Neal: I’m the cunning art thief who slipped through her fingers.
(僕は彼女の手をすり抜けた、狡猾な美術品泥棒さ。)
5年ぶりに再会した保険調査員サラとどう組めばいいのか、ニールがピーターにこぼす場面です。かつて追われて逃げ切った過去を、深刻ぶらずに軽い自己紹介の形に変えています。
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3. nail someone to the wall
(人を)厳しく追い詰める、言い逃れできないようにするという意味です。
Sara: Everything you say to me can and will be used to nail your ass to the wall and recover my painting.
(お前が私に言うことは全部、お前を追い詰めて絵を取り戻すために使わせてもらう。)
ニールを揺さぶるために会話を録音していると告げ、盗まれたラファエロを取り返すためなら容赦しないとサラが釘を刺す場面です。警告と目的をひと続きの文で言い切り、逃げ道を残しません。
4. do the heavy lifting
(大変な)骨の折れる仕事をする、大変な部分を引き受けるという意味です。
Neal: I feel like I’m doing the heavy lifting.
(僕が大変な仕事を引き受けている気がするよ。)
Mr. Blackになりすまして潜入捜査を担うニールが、サラだけが報酬をもらう仕組みに不満をこぼす場面です。愚痴めいた言い分すら、深刻にならない軽い調子で述べています。
5. take over
(役割・仕事などを)引き継ぐ、代わるという意味です。
Sara: Kill me, another investigator takes over, and Halbridge knows that.
(私を殺しても別の調査員が引き継ぐだけ。ハルブリッジもそれを分かっている。)
命を狙われる理由を考える中で、サラが保険会社の一社員としての自分の立場を冷静に見つめ直す場面です。自分の代わりが利くという事実を、動揺せずに淡々と述べています。
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6. under lock and key
厳重に保管されて、鍵をかけて保管されてという意味です。
Mozzie: It’s under lock and key while they investigate her “death”.
(彼女の「死」を調査している間、それは厳重に保管されているんだ。)
サラの「死」が偽装された影響で、証拠品のコックピット録音記録が厳重に保管されてしまったといういきさつを、モジーがニールに説明する場面です。皮肉を利かせた言い回しの中に、事態の厄介さがにじんでいます。
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7. think outside the box
既成概念にとらわれずに考える、型にはまらない発想をするという意味です。
Neal: You got to think outside the box.
(発想を外に広げないとね。)
FBI庁舎から出られず息が詰まっているサラに対し、屋上に行こうと発想の転換を促す場面です。相手の不満をただ聞き流すのではなく、抜け道を提案する形で応じています。
8. a skeleton in one’s closet
誰にも知られたくない秘密、後ろ暗い過去という意味です。
Neal: He’s bound to have more than one skeleton in his closet.
(あいつには一つどころじゃない、後ろ暗い秘密があるはずさ。)
ハルブリッジの所有地から何かが掘り出される中、ニールが彼にはやましい秘密がいくつもあるはずだと皮肉る場面です。確信のない推測を、軽い決めつけの口調で言い切っています。
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9. kill two birds
一つの行動で二つのことを同時に成し遂げる、一石二鳥という意味です。
Neal: What if we could kill two birds, so to speak.
(言うなれば、一石二鳥を狙えないかな。)
ハルブリッジに正体を認めさせつつ債券のありかも突き止める、一石二鳥の作戦を思いつく場面です。so to speakと控えめに言い添えることで、思いつきをやわらかく提案しています。
10. have one’s moments
(人が)たまに見せ場がある、見直すような瞬間があるという意味です。
Sara: For an art thief, you certainly have your moments.
(美術品泥棒にしては、なかなかやるじゃない。)
美術品泥棒であるニールの働きぶりに、サラが皮肉交じりに一定の評価を示す場面です。序盤の警戒一辺倒の物言いとは違い、軽口を交えた素直な評価に変わっています。
このエピソードの英語学習ポイント
サラの言葉は、この回を通じて評価の質感が変わっていきます。序盤ではニールを揺さぶるために”Everything you say to me can and will be used to nail your ass to the wall and recover my painting.”と、警告と目的をひと続きに言い切り、逃げ道を与えません。自分が狙われる理由を考える場面でも”Kill me, another investigator takes over, and Halbridge knows that.”と、動揺を見せず現実を淡々と述べます。ところが事件が解決に近づくと、”For an art thief, you certainly have your moments.”と、皮肉を残しつつも素直な評価の言葉に変わります。警戒一辺倒だった物言いに、軽口を交わせる余地が生まれてくる変化です。
一方のニールは、終始一貫して深刻さを避ける自嘲の話し方を崩しません。サラとの再会を”I’m the cunning art thief who slipped through her fingers.”と軽い自己紹介に変え、報酬をめぐる不満も”I feel like I’m doing the heavy lifting.”と愚痴というより軽口として口にします。サラを見張りの持ち場から連れ出す場面では”You got to think outside the box.”と、相手の不満をそのまま流さず、発想の転換という形で応じてもいます。深刻な状況を茶化しながらも、相手の閉塞感には具体的な提案で応える、機知と気遣いが同居した話し方です。
この二人の変化を際立たせているのが、ピーターの一定した話し方です。”He can move them without raising flags.”のように、事件の状況を淡々と説明するピーターの言葉は、回を通じてほとんど揺れません。だからこそ、警戒から軽口へと変わるサラの言葉、自嘲を崩さないニールの言葉の変化が、対比としてくっきり浮かび上がってきます。
聞き取りの際は、サラの評価の言葉が回を追うごとに手厳しさから軽口へと変わっていく過程に注目してみると、二人の距離感の変化が声のトーンからも読み取れます。
キャラクター別|英語の特徴
ニール|自嘲の軽さで緊張をほどく話し方
かつて追われた相手であるサラに対し、”I’m the cunning art thief who slipped through her fingers.”(僕は彼女の手をすり抜けた、狡猾な美術品泥棒さ。)と自嘲交じりに自己紹介するところから、ニールの話し方の基調が見えてきます。潜入捜査で不満がたまる場面でも、”I feel like I’m doing the heavy lifting.”と深刻ぶらずに軽口で片づけます。サラの見張りが厳しく感じられる場面では”You got to think outside the box.”(発想を外に広げないとね。)と、相手の閉塞感にも軽い言い回しのまま向き合います。追われる立場という重い過去も、割の合わない仕事という不満も、相手の不満そのものも、深刻に踏み込まず笑いに変えて緊張をほどく話し方が一貫しています。
ピーター|端的に人物像を説明する話し方
“He can move them without raising flags.”(怪しまれずにそれを動かせる男だ。)のように、容疑者の手口を簡潔に言い切る説明口調が一貫しています。ニールとサラの間にどんな緊張があろうと、ピーターの言葉づかいは事件の進行に沿ってぶれることがありません。捜査官としての事実整理に徹した、無駄のない英語が特徴です。ニールとサラの言葉が互いへの態度で揺れ動くのに対し、ピーターの一定した話し方は、二人の変化を測るための静かな基準線になっています。
サラ|警戒から評価へと変わる率直な話し方
ニールを追い詰めるように”Everything you say to me can and will be used to nail your ass to the wall and recover my painting.”(お前が私に言うことは全部、お前を追い詰めて絵を取り戻すために使わせてもらう。)と釘を刺すサラですが、事件が進むにつれてその率直さの向きが変わっていきます。終盤では”For an art thief, you certainly have your moments.”(美術品泥棒にしては、なかなかやるじゃない。)と、皮肉を残しながらも相手を一目置く発言を見せます。警戒であれ評価であれ、思ったことをそのまま言葉にする率直さは変わらず、その矛先だけが事件の進行とともに変化していきます。ニールの自嘲が場をやわらげる方向に働くのに対し、サラの率直さは常に相手に対する明確な立場表明として機能しており、二人の話し方の違いがそのまま関係の距離感を映し出しています。
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この回の前後を続けて見ると、ニールとサラの関係の変化がたどれます。
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