海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン2第6話では、宝石店の窃盗事件をきっかけに、養子縁組をめぐる悪質な詐欺が浮かび上がります。潜入捜査を担うニールは自分を大きく見せたりしらを切ったりして相手を欺こうとし、一方のピーターは法の原則や取引条件を淡々と当てはめて場を締めていきます。誇張とはぐらかしで切り抜ける言葉と、筋を通して締める言葉が、この回の会話にはせめぎ合っています。
あらすじ(ネタバレなし)
宝石店の窃盗事件でおとり捜査中のニールたちは、逮捕された女性が幼い息子の親権を盾に脅されていたことを知る。その裏には養子縁組をめぐる悪質な詐欺が潜んでおり、チームは仕掛け人の弁護士を追い詰めるべく、ポーカーの賭博場を舞台にした潜入捜査に乗り出す。一方でモジーはケイトの最期に関わる手がかりを新たに手に入れ、ニールの周辺にも動きが訪れる。詐欺の被害者が抱える事情を知ったことで、いつもは飄々としているモジーの態度にも変化が生まれていく。『ホワイトカラー』S02E06のあらすじを追うときは、誰が本音を隠して駆け引きをし、誰が原則どおりに動いているかに注目したい。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. talk someone out of something
(人を)説得して思いとどまらせるという意味です。
Diana: Why is he trying to talk her out of it?
(なんで彼は彼女を思いとどまらせようとしているの?)
おとり捜査で宝石を売ろうとする女性を、ニールが言葉巧みに思いとどまらせようとする様子を、監視車両の中の捜査官たちが茶化す場面です。疑問形のまま茶々を入れることで、真剣な仕事ぶりを軽くからかっています。
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2. don’t hold your breath
あまり期待しない方がいい、期待して待つだけ無駄だという意味です。
Peter: Don’t hold your breath for a mother-and-son reunion.
(母子の再会を期待して待つだけ無駄だぞ。)
息子と引き離される母親の懇願に対し、簡単に親子の再会は望めないとピーターが突き放す場面です。同情を挟まず、現実だけを短く言い渡しています。
3. one size fits all
誰にでも一律に当てはまるという意味です。
Peter: Thing about the law… One size fits all.
(法律ってのはな……誰にでも一律に当てはまるものなんだ。)
前科がなくボランティア歴もある逮捕者を擁護するニールに対し、ピーターが法律は誰にでも等しく適用されると釘を刺す場面です。事情の同情に流されず、原則をそのまま言葉にしています。
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4. piece of cake
朝飯前、楽勝という意味です(ここでは皮肉を込めた逆の意味で使われています)。
Katherine: Piece of cake, right?
(楽勝でしょ、ってね。)
養子縁組詐欺で追加の10万ドルを1週間で用意しろと脅されたキャサリンが、とても楽勝ではないと皮肉を込めて漏らす場面です。言葉どおりの意味を裏返すことで、追い詰められた心境を語っています。
5. bring someone to their knees
(人を)屈服させる、ひざまずかせるという意味です。
Neal: At the risk of sounding immodest, my last gambling spree a few years back brought the sun city to its knees.
(謙虚さを欠くようだけど、数年前の僕の大勝負はサンシティを屈服させたのさ。)
偽名で賭博場に潜入したニールが、大物ギャンブラーを装って自らの「実績」を大げさに語る場面です。謙遜する前置きを添えながら、実際には自慢話を盛っています。
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6. the fruits of one’s labor
(努力の)成果、労働の実りという意味です。
Mozzie: So I’m guessing you haven’t listened to the fruits of my labor yet.
(じゃあ、僕の苦労の成果もまだ聞いてないんだろうね。)
サラの部屋から回収した録音データについて、苦労して手に入れた成果をまだ聞いていないのかとモジーがニールに催促する場面です。恨み言ではなく、大げさな言い回しに変えて不満を伝えています。
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7. not have an honest bone
一片の正直さも持ち合わせていない、根っからの食わせ者だという意味です。
Neal: You are convinced I don’t have an honest bone.
(君は僕に正直な骨など一片もないと決めてかかっているね。)
家宅捜索に来たサラに「どうやって忍び込んだのか」と問われたニールが、しらばっくれて軽くかわす場面です。反論するのではなく、相手の見立てをそのまま面白がって受け流しています。
8. leave something to chance
~を運任せにする、成り行きに任せるという意味です。
Peter: There’s no way you would have left it to chance.
(お前が運任せにするわけがないだろう。)
潜入捜査のポーカーで大勝ちしたニールに対し、ピーターがイカサマを疑いながらも運任せにするはずがないと言う場面です。疑いを率直に言葉にしつつ、相手の実力そのものは認めています。
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9. cut someone a deal
(人に)取引を持ちかける、便宜を図るという意味です。
Peter: I’m willing to cut you a deal.
(お前に取引を持ちかけてもいい。)
違法賭博の現場に踏み込んだFBIが、目当てのドノヴァンを差し出す代わりに見逃す取引を持ちかける場面です。感情を交えず、条件だけを淡々と提示しています。
10. cut someone in
(人を)仲間に入れる、取り分を分けるという意味です。
Donovan: I can get money from them, and I’ll cut you in.
(奴らから金を引き出せる。分け前はお前にも渡すよ。)
借金の取り立てで追い詰められたドノヴァンが、富裕な依頼人から金を引き出して分け前を渡すと持ちかける場面です。窮地に立たされてもなお、取引を持ちかける調子は崩れていません。
このエピソードの英語学習ポイント
ニールの言葉は、この回を通じて自分を実際以上に見せる方向に働いています。偽名で賭博場に潜入した場面では”At the risk of sounding immodest, my last gambling spree a few years back brought the sun city to its knees.”と、謙虚さを装う前置きを挟みながら、実績を大げさに盛って語ります。家宅捜索に来たサラに疑われた場面でも、”You are convinced I don’t have an honest bone.”と反論せずに受け流し、疑いをかわしてしまいます。誇張にせよはぐらかしにせよ、事実そのものを動かすのではなく、相手にどう見えるかを操作する話し方です。
対照的にピーターの言葉は、事情がどうであれ原則をそのまま適用する方向に働いています。前科のない逮捕者を擁護するニールに対しては”Thing about the law… One size fits all.”と法の平等性を言い渡し、母親の懇願には”Don’t hold your breath for a mother-and-son reunion.”と同情を挟まず現実を告げます。違法賭博の摘発では”I’m willing to cut you a deal.”と条件を淡々と提示するなど、感情に流されず一貫した基準で場を締めていきます。
この二人の対比の傍らで、モジーの言葉には珍しく素の感情がのぞく瞬間があります。普段は”So I’m guessing you haven’t listened to the fruits of my labor yet.”と、自分の苦労を大げさな言い回しに変えて笑いに逃がすモジーですが、養子縁組詐欺の被害者である子どもたちの話になると、誇張も皮肉も挟まずに”All they want is a fair shake and a chance to belong.”と、飾らない言葉で心情を語ります。誇張で自分を大きく見せるニール、原則で場を締めるピーター、そのどちらとも違う形で、モジーの言葉だけが素顔をのぞかせる瞬間です。
ドラマを見返すときは、モジーのこの一言が出てくる場面で、それまでの飄々とした口調から声のトーンや言葉選びがどれだけ変わっているかを聞き比べてみると、キャラクターの奥行きがつかみやすくなります。
キャラクター別|英語の特徴
ニール|自分を大きく見せる話術
偽名で賭博場に潜入し、”At the risk of sounding immodest, my last gambling spree a few years back brought the sun city to its knees.”(謙虚さを欠くようだけど、数年前の僕の大勝負はサンシティを屈服させたのさ。)と実績を誇張して見せます。家宅捜索では”You are convinced I don’t have an honest bone.”(君は僕に正直な骨など一片もないと決めてかかっているね。)としらばっくれ、疑いをそのまま笑いに変えて受け流します。誇張するときも、はぐらかすときも、事実を正面から否定するのではなく、相手の見方をやんわりとずらす言い回しを選ぶ点が共通しています。状況に応じて話を盛ったりはぐらかしたりする、話術の幅の広さが際立っています。
ピーター|原則論と交渉で場を締める話し方
“Thing about the law… One size fits all.”(法律ってのはな……誰にでも一律に当てはまるものなんだ。)のように法の原則を端的に述べるかと思えば、賭博場の摘発では”I’m willing to cut you a deal.”(お前に取引を持ちかけてもいい。)と冷静に取引を持ちかけます。息子を奪われる母親への”Don’t hold your breath for a mother-and-son reunion.”(母子の再会を期待して待つだけ無駄だぞ。)という言葉も、同情を挟まず現実だけを告げる点で同じ姿勢の延長線上にあります。相手が誰であれ、感情論に流されず筋を通す、捜査官らしい話し方が一貫しています。
モジー|苦労話の奥に自身の過去が滲む話し方
サラの部屋への侵入について”So I’m guessing you haven’t listened to the fruits of my labor yet.”(じゃあ、僕の苦労の成果もまだ聞いてないんだろうね。)と自分の苦労をアピールする一方、養子縁組詐欺の被害者である子どもたちの話になると”All they want is a fair shake and a chance to belong.”(あの子たちが望んでいるのは、公平な扱いと、居場所を持てるチャンスだけなんだ。)と、誇張のない言葉で心情を吐露します。里親制度で育ったという自身の過去がのぞくこの一言は、普段の飄々とした語り口とは違う響きを持っており、誇張と本音の落差がそのままモジーという人物の奥行きになっています。
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この回の前後を続けて見ると、モジーの心情の変化がたどれます。
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