海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン4第8話では、かつての相棒アレックスとの再会を通じてニールが本音をぼかしながら距離を測り、自分の管轄に口を出してきたNYPDの捜査官にはピーターが率直に言葉を突きつけます。親しい相手にこそ本音をぼかす言い方と、対立する相手にすら率直に言い切ってしまう言い方の対比が、この回の会話には表れています。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン4第8話では、かつての相棒アレックス・ハンターがニューヨークに戻り、高額な骨董品の盗難事件への関与が疑われる。ピーターはニールにアレックスへの接触を指示し、旧交を装いながら真相を探らせようとする。一方ニールは、亡きエレンが遺した古いカセットテープを受け取るが、それをモジーやピーターではなく謎の男サムと一緒に見ようとして周囲との溝を深めていく。骨董品を巡る捜査と、ニールの過去をめぐる私的な葛藤が並行して進んでいく。『ホワイトカラー』S04E08のあらすじを追うときは、誰が本音をぼかし、誰が率直に言い切っているかに注目すると、それぞれの人間関係の距離感が見えてくる。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. something bigger in your crosshairs
〜に狙いを定めている、〜を標的にしているという意味です。
Neal: If you’re letting him get the win, you got something bigger in your cross hairs, don’t you?
(彼に手柄を譲ってるなら、もっと大きな獲物を狙ってるんだろう?)
マイリックに小さな手柄を譲ったピーターの真意を、ニールが見抜いて問いただす場面です。get the winのようなくだけた言い回しを挟みながら踏み込む聞き方に、上司の駆け引きの裏を読もうとするニールの観察眼が表れています。
2. play catch-up
近況を語り合う、旧交を温めるという意味です。
Peter: I want you and Alex to play catch-up, see if she’s involved in that museum heist.
(君とアレックスで旧交を温めてきてくれ、彼女が美術館強盗に関わっているか探ってほしい。)
アレックスの経歴が判明した直後、ピーターがニールに再接触を指示する場面です。play catch-upという穏やかな響きの依頼の裏に、旧交を装いながら真相を探れという実際の指示内容が隠れています。
3. take evasive measures
回避行動を取る、危険を避けるための対策を講じるという意味です。
Mozzie: We need to take evasive measures.
(対策を講じないと。)
アレックスがニューヨークに戻ってきたと知り、彼女の逆鱗に触れることを恐れたモジーが対策を訴える場面です。need toという切迫した言い方に、普段饒舌なモジーが珍しく先手を打とうとする焦りが表れています。
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4. extrapolate from that
そこから推測する、類推するという意味です。
Neal: Well, actually, I was breaking someone out, but I can extrapolate from that.
(いや、実際は誰かを脱獄させる側だったんだけど、そこから類推はできるよ。)
独房に入った経験を持ち出したニールに、アレックスが直接の体験だろうと決めつけると、ニール自身が実は脱獄させる側だったと訂正しながら軽妙にはぐらかす場面です。can extrapolate from thatという学術的な言い回しを脱獄の武勇伝にあてはめてしまうところに、深刻な話題を軽くいなすニールの余裕が表れています。
5. some things never change
変わらないこともあるという意味です。
Neal: Oh, some things never change.
(ああ、変わらないものもあるんだね。)
アレックスの部屋に隠れながら、彼女の変わらない振る舞いに思わずつぶやく場面です。短いひとことにOh, some things never change.とため息を混ぜることで、旧知の相手への呆れと親しみが同時ににじみます。
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6. get comfortable with
〜に納得する、〜を受け入れられるようにするという意味です。
Peter: Help me get comfortable with this.
(これに納得できるよう、説明してくれ。)
証拠のない危険な計画を持ちかけられ、慎重に納得できる説明を求める場面です。Help meと相手に判断材料を差し出させる言い方に、頭ごなしに拒まず筋道を確認しようとするピーターの捜査官らしさが表れています。
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7. switch off
スイッチを切る、電源を止めるという意味です。
Parker Graham: Sherman, switch off the cameras in 2b.
(シャーマン、2bのカメラを切ってくれ。)
ギャラリーへの設置作業だと信じ込んだキュレーターのパーカー・グラハムが、アレックスから監視カメラについて尋ねられ、スタッフに電源を落とすよう指示を出す場面です。名前を呼んでから用件だけを告げる言い方に、来館者の求めに応じ段取りよく動こうとするグラハムの仕事ぶりが表れています。
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8. to be blunt
率直に言うと、単刀直入に言えばという意味です。
Peter: I didn’t have time, and, to be blunt… I don’t owe you that call.
(その暇がなかったし、率直に言うと……君にその電話をする義理はない。)
二度も潜入捜査を潰されたマイリックに管轄への通報義務を持ち出されたピーターが、率直に突っぱねる場面です。to be bluntと前置きしてから言い切る形に、相手への配慮を最小限にとどめつつ拒否を明確にするピーターの直截さが表れています。
9. dig into
詳しく調べる、深く掘り下げるという意味です。
Jones: Dug into the video NYPD sent over.
(NYPDから送られてきた映像を詳しく調べました。)
ピーターの短い呼びかけに、ジョーンズが調査結果を即座に報告する場面です。主語を省いたDug into ~という言い方に、前置きなく本題から報告を始める実務的なジョーンズの口調が表れています。
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10. one step ahead
一歩先を行く、常に先手を打っているという意味です。
Peter: And she’s been one step ahead of us the whole time.
(彼女はずっと私たちの一歩先を行っていたんだ。)
現場に残されたロシアの燭台を見て、アレックスに終始出し抜かれていたことにピーターが気づく場面です。the whole timeと言い添えることで、単発の失敗ではなく最初から策略にはまっていたという認識の重さがにじみます。
このエピソードの英語学習ポイント
アレックスに部屋を調べていたことを問い詰められたニールは、Would it help if I told you I didn’t have a choice?と、仮定法を使って言い訳を和らげる。旧知の相手を前にすると、都合の悪い事実ほど断定を避けてやわらげる話し方に、ニールの気遣いが表れている。
一方ピーターは、危険な計画を持ちかけてきたニールにHelp me get comfortable with this.と、相手に説明を差し出させる形で慎重さを求める。だが縄張り争いを仕掛けてきたマイリックに対しては、I didn’t have time, and, to be blunt… I don’t owe you that call.と前置きひとつで拒絶を言い切る。相手が信頼するパートナーか対立する相手かで、ピーターの言葉の慎重さは大きく変わる。
アレックスはこの温度差の外側にいる。ニールが仮定法でぼかす場面でも、アレックスはFor a man who’s capable of so many surprises, you’re becoming painfully predictable.と直球で切り返す。親しい相手であることが、言葉をぼかす理由にも踏み込む理由にもなり得るという事実は、And she’s been one step ahead of us the whole time.という終盤のピーターの気づきにもつながっていく。
この回を見返すときは、同じ気心の知れた関係でも、言葉を和らげる相手なのか、遠慮なく踏み込んでくる相手なのかを聞き分けてみると、登場人物ごとの距離の取り方の違いが見えてくる。誰に対して言葉を選び、誰に対しては選ばないのか。その線引きの違いこそが、この回の会話を動かしている。
キャラクター別|英語の特徴
ニール|親しい相手にほど本音をぼかす話術
アレックスの部屋を勝手に調べていたことを問い詰められると、ニールはWould it help if I told you I didn’t have a choice?(「選択の余地がなかったと言えば、気は楽になるかな?」)とはぐらかす。都合の悪い事実を仮定法でやわらげ、相手の感情を逆撫でしないよう配慮する話し方が持ち味だ。独房の経験を聞かれた場面でもWell, actually, I was breaking someone out, but I can extrapolate from that.(「いや、実際は誰かを脱獄させる側だったんだけど、そこから類推はできるよ。」)と、事実をそのまま述べず軽くずらして答えるところに、同じ気質が表れている。都合の悪い過去も、都合の良い過去も、正面から語らず一歩ずらして差し出す。この距離の取り方が、ニールなりの相手への気遣いになっている。
ピーター|敵対する相手にも要求は直截に突きつける話し方
信頼するはずのニールから危険な計画を持ちかけられると、ピーターはHelp me get comfortable with this.(「これに納得できるよう、説明してくれ。」)と、まず筋道を確かめようとする。相手が大切なパートナーであっても、根拠のない計画をそのまま飲み込みはしない。だが縄張りを主張してきたマイリックに管轄への通報義務を持ち出されると、I didn’t have time, and, to be blunt… I don’t owe you that call.(「その暇がなかったし、率直に言うと……君にその電話をする義理はない。」)と切り返し、感情論に流されず必要な要求だけを端的に突きつける。慎重に説明を求める相手と、前置きひとつで切り捨てる相手。この二つのやり取りの落差に、相手との関係の近さで言葉の重さを変えるピーターらしさが表れている。
アレックス|親しい相手にこそ遠慮なく核心を突く鋭さ
盗みを重ねてきた元恋人ニールに対し、アレックスはFor a man who’s capable of so many surprises, you’re becoming painfully predictable.(「あれだけ驚かせるのが得意なのに、あなたはだんだん予想通りになってきたわね。」)と切り返す。旧知の相手だからこそ遠慮なく弱点を突く言い方に、気心の知れた関係でも容赦しない率直さが表れている。ニールが親しい相手にこそ本音をぼかす一方で、アレックスは同じ親しさを逆手に取って踏み込む。同じ「親しい間柄」でも、ぼかす側と踏み込む側に分かれるところに、この回の会話の温度差が集約されている。
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