海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン4第7話では、デランシー裁判を巡ってピーターとニールが証言の意味そのものを言い争い、法廷の外側では噂と心理を駆け引きの道具にするシェパードという人物が捜査チームを揺さぶります。事実をそのまま扱おうとする話し方と、それを相手を動かす道具に変えてしまう話し方の落差が、この回の会話には表れています。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン4第7話では、亡きエレンと自分の父親の過去を知るという謎の男サムに、ニールがようやく接触する。だが警戒心の強いサムは、簡単には信用を示そうとしない。一方、ピーターが証言に立つデランシー裁判では、検事のジョシュが何者かに脅迫され、突如として弁護側に有利な展開を招いてしまう。脅迫写真の出所を追うチームは、”フィクサー”として知られる謎めいたコンサルタント、シェパードの存在にたどり着く。ニールとピーターは、裁判の行方とシェパードの正体という二つの謎を並行して追うことになる。『ホワイトカラー』S04E07のあらすじを追うときは、事実をそのまま示す話し方と、事実を駆け引きに使う話し方の違いに注目すると、この回特有の緊張感が見えてくる。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. all it takes
必要なのは〜だけという意味です。
Sam: All it takes is one report.
(必要なのは、たった一件の報告書だけだ。)
FBIとの協力を持ちかけるニールに対し、エレンの名がどうやって漏れたのかを引き合いに出しながら、ほんの些細なきっかけで身元が割れると釘を刺す場面です。All it takesという言い切り方には、警告を大げさな脅しではなく動かしがたい事実として突きつける、サムの流儀が表れています。
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2. wipe the floor with
〜を圧倒する、完全に打ち負かすという意味です。
Neal: I hear you’ve been wiping the floor with the Delancy defense.
(デランシー裁判の弁護側を、圧倒しているそうじゃないか。)
久しぶりに顔を合わせた検事ジョシュに向かって、ニールが噂話を切り出しながら距離を詰める場面です。事実確認というより相手の懐に踏み込むための水の向け方に、旧知の相手からも情報を引き出そうとするニールらしい話術が表れています。
3. step down
(役職や立場から)身を引く、辞任するという意味です。
Neal: And if you step down, there’s a good chance a criminal goes free.
(もし君が辞任すれば、犯罪者が野放しになる可能性が高いんだ。)
脅迫写真によって裁判を落とすよう迫られたジョシュに、ニールが辞任の重みを説く場面です。犯罪者が自由になるという事実を淡々と積み上げる言い方には、相手を責めずに翻意させようとする計算がにじんでいます。
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4. get in your head
(人の)心理を乱す、頭の中に入り込むという意味です。
Jones: She gets in your head.
(あいつは人の頭の中に入り込んでくるんだ。)
一年前にシェパードを尋問した際、心を読まれるような不気味な体験をしたと、ジョーンズが仲間に語る場面です。事実の報告というより実感のこもった短い一言に、シェパードという人物の異質さが言葉少なに表れています。
5. rumor has it
うわさでは〜らしい、聞くところによると〜らしいという意味です。
Peter: Rumor has it you know some powerful people.
(うわさでは、有力者と知り合いらしいね。)
取調室で謎めいたシェパードの人脈を探ろうと、ピーターが探りを入れる場面です。断定を避けたRumor has itという切り出し方には、事実を尋ねながらも相手の反応そのものを引き出そうとする捜査官の駆け引きがにじみます。
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6. by the book
規則どおりに、マニュアルに従ってという意味です。
Sara: Peter, I know Shepard isn’t by the book, but I had no idea she’d work for scum like Delancy.
(ピーター、シェパードが型破りなのは知っていたけど、デランシーみたいなくずのために働くとは思わなかったわ。)
シェパードを個人的に雇った経験を持つ保険調査員サラが、その型破りな流儀をチームに証言する場面です。isn’t by the bookと前置きしてから本題に入る言い方に、規則の外にいる人物を評するときの率直さが表れています。
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7. consider it done
任せて、それはもう解決したようなものという意味です。
Shepard: For one of my favorite clients, consider it done.
(お気に入りの依頼人のためなら、任せて。)
サラから元交際相手をめぐる厄介な依頼を持ちかけられたシェパードが、迷いなく引き受ける場面です。事情を確かめる間もなくconsider it doneと即答する言い方に、規則よりも自分の裁量で物事を決めるシェパードらしい流儀が表れています。
8. wing it
ぶっつけ本番でやる、その場の思いつきでやるという意味です。
Neal: Wing it.
(ぶっつけ本番だ。)
偽の情事写真を撮る段取りが定まらないまま、とにかくやってみようと開き直る場面です。短く言い切るWing it.という返し方に、綿密な計画よりも即興で乗り切ろうとするニールの余裕が表れています。
9. through the grapevine
人づてに、うわさでという意味です。
Delancy: Hey, I heard through the grapevine that, uh, Burke roughed you up pretty good last night.
(よう、聞くところによると、昨夜バークにこっぴどくやられたそうじゃないか。)
保釈中のデランシーが、バークに締め上げられたという噂を聞きつけ、偽名で潜入するニールに探りを入れる場面です。through the grapevineという回りくどい情報源の示し方に、噂話を装いながら相手の反応をうかがうデランシーの探り方が表れています。
10. take the stand
証言台に立つ、証人として出廷するという意味です。
Josh: Neal Caffrey, how’d you like to take the stand?
(ニール・キャフリー、証言台に立ってみる気はあるか?)
裁判の形勢を立て直す提案をしたニール自身が、思わぬ形で証人に指名されてしまう場面です。how’d you like toという丁寧な誘いの形を取りながら実質は指名という、ジョシュの切り返しの鋭さが表れています。
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このエピソードの英語学習ポイント
ピーターがシェパードの尋問で口にするRumor has it you know some powerful people.は、事実を確認する体裁を取りながら、実際には相手の反応そのものを引き出すための一手です。噂という形を借りることで断定を避けつつ、相手の懐に踏み込む余地を残しています。この回の別の場面でサラが口にするPeter, I know Shepard isn’t by the book, but I had no idea she’d work for scum like Delancy.は逆に、前置きをはさみながらも最終的には自分の驚きをそのまま言い切る形です。同じシェパードについて語る場面でも、噂の形を保つ話し方と、事実として断定する話し方の間には、はっきりとした温度差があります。
ニールが検事ジョシュに向けるI hear you’ve been wiping the floor with the Delancy defense.も、rumor has itと同じ探りの構造を持っています。ただしニールはその直後、And if you step down, there’s a good chance a criminal goes free.と、今度は事実を積み上げる言い方に切り替え、ジョシュを翻意させにかかります。同じ人物が噂の探りと事実の説得を使い分けるところに、ニールの話術の幅が表れています。
シェパードにとって、噂や心理は最初から駆け引きの道具そのものです。ジョーンズが評するShe gets in your head.、そして本人のFor one of my favorite clients, consider it done.は、いずれも規則や手続きを介さず、相手の内面や依頼をそのまま自分の裁量で扱ってしまう話し方です。ピーターの捜査官らしい事実確認と比べると、シェパードの言葉は最初から交渉の一手として設計されている印象を受けます。
この回を見返すときは、噂を切り出す一言が単なる情報収集なのか、それとも相手を動かすための布石なのかを聞き分けてみると、誰が誰に対して駆け引きを仕掛けているのかが見えてきます。
キャラクター別|英語の特徴
ニール|噂の探りと事実の説得を使い分ける話術
デランシー裁判で自分にも証言の機会が回ってきたことに気づいたニールは、証言は詐欺だと挑発的に言い切り、ピーターとの言葉の応酬の末にThen I stand corrected. Testifying is a two-man con.(「なら訂正するよ。証言は二人がかりの詐欺ってわけだ。」)と切り返す。堅い法廷用語すら自分の土俵に引き込んでしまう言い換えの巧みさに加え、久しぶりに顔を合わせた検事ジョシュには噂めいた探りを入れ(I hear you’ve been wiping the floor with the Delancy defense.)、直後には事実を積み上げて相手を翻意させる(And if you step down, there’s a good chance a criminal goes free.)。探りと説得という異なる二つの話法を、場面に応じて滑らかに切り替えるところに、ニールの言葉の余裕が表れている。
ピーター|言葉の定義に立脚して押し返す直截さ
証言が詐欺だと詰め寄るニールに対し、ピーターはNope. Conning involves deceit.(「いや、違う。詐欺には欺きが伴う。」)と簡潔に切り返し、”uncovered”と”recovered”の違いにまでこだわって反論する。取調室でもRumor has it you know some powerful people.と、噂という体裁こそ借りるものの、最終的には相手の人脈という一点に的を絞って畳みかける。回りくどさを排し、事実と定義に立脚して押し返す姿勢が、この回のピーターに一貫している。
シェパード|相手の心理を読んで揺さぶる話術
ダイアナの尋問中、腕のタトゥーを見ただけでSquares symbolize stability, foundation. The line connecting them signifies companionship. You must have been very much in love.(「四角は安定と基盤の象徴。それをつなぐ線は絆を意味する。よほど深く愛し合っていたのね。」)と言い当て、相手を動揺させる。サラから頼まれごとをされたときもFor one of my favorite clients, consider it done.と迷いなく引き受け、同僚のジョーンズがShe gets in your head.と評するとおり、事実を淡々と積み上げながら相手の内面に踏み込む話し方が特徴だ。規則を尋ねられても答えないという流儀そのものが、彼女の話し方に表れている。
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