海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
周りの家庭がこっそり先に動いていたと知って、自分たちだけ準備が遅れていると焦った経験はありませんか。
そんな気持ちにぴったりの「fall behind」を、『モダンファミリー』シーズン2第5話の前半、娘リリーの保育園入園準備について話すミッチェルとキャメロンのやり取りから、一緒に見ていきましょう。
「fall behind」の意味とニュアンス
fall behind
意味:(進度・順位などで)遅れを取る、後れを取る
fall behindは、周囲や基準となるペースについていけず、相対的に後方に取り残されることを表す口語表現です。fallは「落ちる」、behindは「後ろに」という意味で、この二つが組み合わさることで、順調に進んでいたはずの流れから外れ、後方に置き去りにされていく様子が浮かび上がります。
学業の進み具合や仕事の納期、ローンの返済スケジュールなど、継続的な進行や維持が求められる場面で幅広く使われる表現です。単に「遅い」という一時的な状態を指すのではなく、周囲との比較の中で相対的な位置がじわじわと下がっていく、という時間的な変化を表す点に特徴があります。fall behind in(分野)、fall behind on/with(作業や支払い)のように、後に続く前置詞によって遅れの対象が変わる使われ方をします。自分の意志とは関係なく、周りが先に進んでいくことで相対的に取り残されてしまう、という受け身の感覚が根底にある点も押さえておきたいポイントです。
【ここがポイント!】
- 「fall behind」の核は、流れの中で自分だけ後方に落ちていくイメージ
- 学業・仕事・支払いなど、継続的な進行が求められる場面で幅広く使える表現
- fall behind in/on/withと続く前置詞で、遅れの対象が変わる点に注意
『モダンファミリー』S02E05のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
保育園の入園枠をめぐって、周囲の家庭がすでに動いていたと知ったミッチェルとキャメロンが、娘リリーの準備が遅れていることに気づく場面です。冗談交じりの会話が、じわじわと切迫した空気に変わっていく流れに注目です。
Mitchell: She said that they all sent their kids to preschool.
(彼女が言うには、みんなもう子どもを保育園に入れたんだって。)Cameron: What? We agreed to wait till next year.
(え? 来年まで待とうって決めたじゃないか。)Mitchell: It was a fake-out to make sure that their kids got a spot.
(あれは、自分の子の枠を確保するためのブラフだったんだよ。)Cameron: Those skinny bitches.
(あの意地悪な連中め。)Mitchell: We have got to get her into school, or else she’s gonna fall behind.
(早くあの子を入園させないと、遅れを取っちゃうよ。)Cameron: Don’t you think I know that?
(そんなの分かってるだろ?)Modern Family Season2 Episode5 (Unplugged)
シーン解説と心理考察
「彼女が言うには、みんなもう子どもを保育園に入れたんだって」というミッチェルの報告に、キャメロンは「来年まで待とうって決めたじゃないか」と驚きを隠せません。周囲の家庭が抜け駆けしていたと知った瞬間の戸惑いが、この短いやり取りに表れています。
さらにミッチェルが「早くあの子を入園させないと、遅れを取っちゃうよ」と切迫した様子で告げると、キャメロンは「そんなの分かってるだろ?」と少しいらだちながら返します。焦りを見せる相方への軽いツッコミの中にも、二人が同じ危機感を共有していることがうかがえる場面です。教育熱心な親として周囲に遅れを取りたくないという気持ちと、思うようにいかない状況へのいらだちが、短い掛け合いの中ににじんでいます。他の家庭の動きを知ったことをきっかけに、これまで気に留めていなかった課題が一気に現実味を帯びてくる、そんな切り替わりの早さもこの場面の見どころです。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
同じペースで前へ進む行列の中で、自分だけふっと後ろ(behind)に落ちて(fall)しまう場面を思い浮かべてみましょう。周りは変わらず前進しているのに、自分の足だけが止まってしまったような感覚です。
ミッチェルが「遅れを取っちゃうよ」と口にしたのも、まさにこの、列から一人だけ離れていくイメージそのものでした。追いつこうと足を速めなければじわじわ差が開いていく、そんな様子とあわせて覚えておくと、似た状況に出会ったときにすっと言葉が浮かんできます。歩調を合わせていたはずの隊列から、ふと気づけば自分だけ離れていた、という距離感を思い出すのがコツです。
例文で覚える「fall behind」
学業や仕事、支払いなど、さまざまな場面で使えるfall behindを、3つの例文で確認していきましょう。
If you miss too many classes, you’ll fall behind in your studies.
(授業を休みすぎると、勉強で遅れを取ってしまうよ。)
出席の大切さを伝える場面です。fall behind inの形で、遅れが生じる分野を示しています。
Our team fell behind schedule after the server issue last week.
(先週のサーバー障害以来、私たちのチームはスケジュールで遅れを取っています。)
プロジェクトの進捗を報告するビジネスシーンです。fall behind scheduleのように、目的語を直接続ける形もよく使われます。
A: Are you keeping up with the reading? B: Honestly, I’ve fallen behind this month.
(A:読書課題、ちゃんとついていけてる? B:正直、今月は遅れを取っちゃった。)
友人と勉強の進み具合を話す会話です。keep up withとfall behindが対になって使われている点にも注目です。
あわせて覚えたい関連表現
lag behind
(遅れる、立ち遅れる)
fall behindが「遅れた状態になる」という変化そのものを表すのに対し、lag behindは継続的に遅れている状態そのものに重点を置いた表現です。
keep up with
(ペースについていく)
fall behindとは逆方向の状況を表す表現です。周囲のペースに遅れずについていけている状態を示し、fall behindと対になる言い方として覚えておくと便利です。
catch up
(追いつく)
fall behindが「遅れる」という状態を表すのに対し、catch upはその遅れを解消して「追いつく」という動きを表します。fall behindした後の展開を示す表現として、一緒に覚えておくと会話の幅が広がります。
Note|fall behind / lag behind / keep up with の使い分け
「遅れる」というひとことでも、英語にはいくつか似た表現があり、それぞれが微妙に異なる時間軸を指しています。
fall behindは、それまで順調だった状態から後方に落ちていく「変化」そのものに焦点がある表現です。ミッチェルの「fall behind」という一言も、周囲がすでに動き出していると知った瞬間に生まれた、状況の変化への焦りを映していました。一方でlag behindは、変化の過程よりも「遅れている状態の継続」を示すことが多く、たとえば業界内で技術力が長期的に立ち遅れている企業について語るときなどに使われます。keep up withはこの二つとは逆方向の表現で、周囲のペースに遅れずについていけている状態そのものを表します。
この三つを並べてみると、fall behindは「遅れ始める瞬間」、lag behindは「遅れている状態の継続」、keep up withは「遅れていない状態の維持」と、それぞれ違う時間軸を切り取っていることが見えてきます。たとえば同じクラスメートの様子を話すときでも、「最近ついていけていない」と言いたいならfall behind、「もともとずっと苦手意識がある」と言いたいならlag behindのほうが状況に合う、という具合に使い分けの幅が生まれます。
同じ「遅れ」という現象でも、どの瞬間・どの状態を指しているかによって選ぶ表現が変わってくる、という整理をしておくと役立ちます。
まとめ|列から一人だけ遅れないために
fall behindは、周囲や基準となるペースについていけず、後方に取り残されていく様子を表す表現です。
学業や仕事、支払いなど、継続的な進行が求められる場面ならどこでも使え、fall behind in/on/withのように前置詞を変えることで遅れの対象を細かく示すこともできます。
保育園の入園準備に焦るミッチェルとキャメロンの姿は、多くの人にとって覚えのある「気づいたら周りに置いていかれていた」という感覚そのものでした。順調に進んでいたはずのことが、ふとした情報をきっかけに一変する、そんな身近な焦りを思い出させてくれる場面でもあります。同じような焦りを感じたときの一言として、表現の引き出しに加えてみてください。


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