海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
誰かに出来事を話すとき、包み隠さず全部話してと念を押される場面は、日常によくあるのではないでしょうか。
そんな場面にぴったりの「leave something out」を、『モダンファミリー』シーズン3第10話の終盤、母に近況を尋ねる家族のやり取りから、一緒に見ていきましょう。
「leave something out」の意味とニュアンス
leave something out
意味:(話や情報の一部を)省く、言わずにおく
leave something outは、話や説明の中で特定の部分を含めずに省くことを表す口語表現です。何かを外に(out)置いたままにする(leave)という文字どおりの意味から、物を出しっぱなしにする場面と、話の中で情報を省く場面の両方に使われます。話し言葉としてよく使われる、肩の力が抜けた響きを持つ表現です。
出来事を詳しく話すよう促す場面、報告書や説明で情報が抜けていることを指摘する場面、物を出しっぱなしにしておく場面など、幅広い文脈で使われる表現です。何を省くかは話し手の判断に委ねられているため、悪意ある隠し事にも、ちょっとした遠慮にも使える、幅の広さを持った表現です。
【ここがポイント!】
- 核は「話や物の一部を外に置いていく」というイメージ
- 物を出しっぱなしにする意味と、話を省く意味の両方を持つ
- Don’t leave anything out.のように、否定文で「全部話して」と促す形が定番の言い回し
『モダンファミリー』S03E10のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
母に声をかけた家族が、新しい彼氏の話を詳しく聞かせてほしいとせがむ場面です。そこから、姉弟の短い掛け合いが続きます。
Mitchell: Hi, mom!
(母さん、ハーイ!)Claire: Hi, mom!
(母さん、ハーイ!)Mitchell: Merry Christmas!
(メリークリスマス!)— So, um, tell us everything about the new boyfriend.
(えっと、新しい彼氏のこと、洗いざらい聞かせてよ。)Claire: Oh, yeah.
(そうそう。)Mitchell: Don’t leave anything out.
(何も省かず話してね。)Claire: You can leave some things out.
(いくつかは省いてもいいけど。)Modern Family Season3 Episode10 (Express Christmas)
シーン解説と心理考察
「母さん、ハーイ!」「メリークリスマス!」と声を掛けたミッチェルとクレアに続いて、新しい彼氏のことを洗いざらい聞かせてという問いかけが飛びます。序盤で語られた「新しい彼氏とクルーズに出かけた」という出来事の続報を、ミッチェルとクレアが聞き出そうとする様子がうかがえます。クリスマスの挨拶もそこそこに、待ちきれない様子で本題に入っていく勢いのよさも、この場面の見どころです。
ミッチェルが「何も省かず話してね」と念を押すと、クレアはすかさず「いくつかは省いてもいいけど」と軽口で返します。詳細をすべて知りたがる弟と、あえて一線を引こうとする姉という対照的な反応には、母の私生活にどこまで踏み込むかという家族内の距離感の違いがユーモラスに表れています。同じ「母のことを知りたい」という気持ちの中にも、何でも聞きたがる姿勢と、聞きたくない部分は聞かずにおきたい姿勢が同居している点が、この短いやり取りの面白さです。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
話の一部を「外に(out)置いていく(leave)」ように、伝える内容からその部分だけを外に置いたまま渡すイメージを持ってみましょう。
クレアの「いくつかは省いてもいいけど」という一言も、話全体からあえて一部分だけを取り除いて相手に渡す様子そのものでした。渡す内容から何かを外に置いたままにする、というイメージを持っておくと、話の一部を省きたい場面で自然に言葉が浮かんできます。わざと省く場合にも、うっかり抜ける場合にも使えるのがleave something outの特徴です。
例文で覚える「leave something out」
出来事を詳しく話す場面から報告書の指摘まで使えるleave something outを、3つの例文で確認していきましょう。
Don’t leave out any details when you tell the story.
(その話をするときは、どんな細かいことも省かないでね。)
詳しく話すよう頼む日常会話です。any detailsと組み合わせることで、細部まで省かないでほしいという気持ちが強く伝わります。
A: Did you tell them everything? B: Well, I left a few things out.
(A:みんなに全部話した? B:うーん、いくつかは省いたよ。)
報告の正直さを問う会話です。a few thingsのように具体的な量を添えると、どの程度省いたのかがイメージしやすくなります。
The report leaves out important financial figures.
(その報告書には重要な財務数値が抜けている。)
資料の不備を指摘するビジネスシーンです。important financial figuresと組み合わせることで、何が省かれているのかが明確に伝わります。この場合は意図的というより、うっかり抜け落ちてしまったというニュアンスで使われています。
あわせて覚えたい関連表現
skip over something
((話や作業の一部を)飛ばす)
leave something outが省いて触れないことに重点を置くのに対し、skip over somethingは順序の中で一部を飛ばして先に進むことに重点を置きます。
omit something
((意図的・非意図的に)省略する)
leave something outは口語的な句動詞であるのに対し、omit somethingはよりフォーマルな一語動詞で、書き言葉やビジネス文書でも使われます。
hold back something
((情報や感情を)控える、出し惜しむ)
leave something outが話の一部を省くことを指すのに対し、hold back somethingは意図的に出さないようにこらえる、感情的なニュアンスが強い表現です。
Note|skip over something / omit something / hold back something との使い分け
「省く」を表す英語表現はいくつかありますが、口語度や意図性という軸で並べてみると、それぞれの立ち位置がはっきりします。
まずskip over somethingは、話や作業の一部を飛ばして先に進むことに重点を置く表現です。省くというより、順序の中で通過せずに次へ進むイメージが中心にあり、意図的に隠すというより、単に取り上げずに先へ進むというニュアンスが強く出ます。一方omit somethingは、leave something outと似た意味を持ちながらも、よりフォーマルな一語動詞で、書き言葉やビジネス文書でも自然に使われます。同じ「省く」でも、話し言葉か書き言葉かによって選ばれる語が変わってくる好例です。ミッチェルが「何も省かず話してね」と念を押した場面でleave something outが選ばれているのは、口語的な家族の会話にふさわしい、くだけた響きを持つ表現だからです。さらにhold back somethingは、単に情報を省くというより、意図的に出さないようにこらえるという感情的なニュアンスが強く出る表現です。涙や本音をこらえるときにも使われるように、内側に押しとどめる力の強さが感じられる言い方です。3つの表現はどれも「省く」という核は共有していますが、口語度の高さや、意図的にこらえているかどうかで使い分けられています。
leave something outが選ばれるのは、家族や友人とのくだけた会話で、話の一部が抜けていないかを気にする場面です。口語度の高さを意識するだけで、3つの表現の使い分けがつかみやすくなります。かしこまった報告ではなく、気の置けない相手との会話だからこそ、leave something outのような柔らかい言い回しがしっくりきます。
まとめ|省かず話す、その距離感
leave something outは、話や説明の中で特定の部分を含めずに省くことを表す表現です。物を出しっぱなしにする意味と、話の中で情報を省く意味の両方で使われます。
出来事を詳しく話すよう促す場面にも、報告書の不備を指摘する場面にも、日常のちょっとした会話にも使える表現です。何をどこまで話すかという取捨選択そのものを言い表せる、汎用性の高い一言です。
詳細をすべて知りたがるミッチェルと、あえて一線を引こうとするクレアの対照的なやり取りには、母の私生活にどこまで踏み込むかという家族内の距離感の違いが表れていました。二人の反応の違いが、同じ家族でも人によって知りたい範囲が異なるという、ごく自然な感覚をユーモラスに映し出しています。誰かに出来事を洗いざらい話してほしいときは、表現の引き出しに加えてみてください。


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