「bear with someone」の意味と使い方|『モダンファミリー』S03E12で学ぶ英会話

「bear with someone」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

人前で何かを披露する前に、うまくいかないかもしれないからと先に断りを入れておいた経験はありませんか。

そんな前置きにぴったりの「bear with someone」を、『モダンファミリー』シーズン3第12話の中盤、来客を前に何かを披露しようとするミッチェルの一言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「bear with someone」の意味とニュアンス

bear with someone
意味:少し我慢して付き合う、大目に見てもらう

bear with someoneは、相手に一時的な不便や不完全さを我慢して付き合ってもらうよう頼む表現です。bearには「耐える」「持ちこたえる」という意味があり、そこにwith someoneが続くことで、その人(たち)の至らなさに耐えて一緒にいてほしい、というお願いの形になります。命令文の形を取りながらも、実際には相手への配慮を込めたやわらかい頼み方になる点が特徴です。

特にbear with me、bear with usという命令形のまとまりで使われることが多く、スピーチやプレゼンテーション、何かの発表の前置きとして登場します。準備不足や不慣れな状況を詫びながら物事を始める場面や、機材トラブルなどで相手を待たせる場面で重宝する言い回しです。相手に謝罪するというよりも、これから起きるかもしれない不手際を先に共有しておくような、予防線に近い響きを持っています。

【ここがポイント!】

  • 「bear with someone」の核は、一時的な不便に耐えて付き合ってもらうという依頼
  • bear with me/usの形でスピーチや発表の前置きによく使われる
  • 準備不足や不慣れさを詫びながら本題に入るための決まり文句

『モダンファミリー』S03E12のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

養子縁組に関わる相手であるリンジーを前に、ミッチェルとキャメロンが何かを披露しようとしている場面です。リンジーに頼まれて二人が歌うことになり、乗り気でなかったミッチェルが先に断りを入れ、キャメロンも聞き手への呼びかけを続けます。

Mitchell: Okay. Bear with us. We’re a little rusty.
(よし。大目に見てね。ちょっとブランクがあるから。)

Cameron: Yes, and please put all cell phones on vibrate.
(そうそう、それと携帯電話は全部マナーモードにしてください。)

Lindsay: Yeah, yeah. Thank you.
(うん、うん。ありがとう。)

Modern Family Season3 Episode12 (Egg Drop)

シーン解説と心理考察

「よし。大目に見てね。ちょっとブランクがあるから」というミッチェルの前置きです。気の進まない披露を前に、まず予防線を張っておくところにミッチェルらしさがよく表れています。

自信満々に振る舞うことの多いキャメロンとは対照的に、ミッチェルが先に断りを入れる組み合わせに、二人らしい役割分担が表れています。キャメロンも「携帯電話は全部マナーモードにしてください」と続けて聴衆に呼びかけており、二人がこれから人前で何かを披露しようとしていることが伝わってきます。演奏会さながらに携帯電話の注意まで添えるキャメロンの一言には、場を盛り上げようとする張り切りぶりが見えます。この後、二人は歌を披露し、それを見ていたリンジーが「うん、うん。ありがとう」と短く応じました。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

bear(耐える)という動詞に、with someone(誰かと一緒に)が続く形をイメージしてみましょう。「その人の至らなさに耐えながら、一緒にいてね」というお願いのニュアンスが浮かび上がります。

ミッチェルが本番前に見せた「大目に見てね」という一言も、うまくいかないかもしれない自分たちに、少しだけ我慢して付き合ってほしいという気持ちの表れでした。発表やスピーチの前に相手へ差し出す、小さな保険のような一言として覚えておくと、似た場面ですっと口から出てくるはずです。

例文で覚える「bear with someone」

スピーチや発表の前置きとして使いやすいbear with someoneを、ビジネス・日常・友人同士の3つの場面で確認していきましょう。

Please bear with me while I try to fix this technical issue.
(この技術的な問題を直す間、少々お待ちください)
会議中にトラブルが起きて対応する、ビジネスの場面です。相手を待たせることへの配慮が一言に凝縮されています。

Bear with us– we’re still getting used to the new system.
(大目に見てください。まだ新しいシステムに慣れていないので)
新しい仕組みに移行したばかりの職場での一言です。至らない点があるかもしれないと正直に伝えることで、相手の理解を得やすくなります。

A: Bear with me, I’m running a few minutes late.
B: No worries, take your time.
(A:ちょっと待ってて、数分遅れそう。)
(B:大丈夫、ゆっくりでいいよ。)
待ち合わせの遅れに対する、友人同士の会話です。

あわせて覚えたい関連表現

be patient with someone
(〜に対して忍耐強くいる)
bear with someoneが一時的な不便への辛抱を頼む場面で使われるのに対して、こちらはより一般的・継続的な忍耐を表す場面で使われます。期間の長さという点で、両者は住み分けができます。

hang in there
(くじけずに頑張る、持ちこたえる)
bear with someoneが相手に自分への辛抱を頼む表現であるのに対して、こちらは自分自身が苦境に持ちこたえることを表し、向いている方向が逆になります。

give someone some slack
(〜を大目に見る、多少の融通を利かせる)
bear with someoneが「少し付き合ってほしい」と辛抱を頼むのに対して、こちらは「多少の失敗や遅れを大目に見る」という寛大さそのものを表し、Give me some slack.(少しは大目に見てよ)やGive him some slack.(彼を大目に見てあげて)のように使います。

Note|「耐える」という直訳と、丁寧な前置きとして使われる実際の使われ方のギャップ

bear with someoneをそのまま日本語にすると「〜と一緒に耐える」という、なかなか強い響きの言葉になります。

けれども実際の会話で使われる場面を見ると、その印象とは裏腹に、かなり丁寧でやわらかい依頼として機能していることが分かります。bear with meやbear with usという形で発表やスピーチの冒頭に置かれると、「至らない点があるかもしれませんが、少々お付き合いください」という、聞き手への気遣いを込めた前置きになります。ミッチェルが披露の直前に口にした「大目に見てね」も、まさにこの用法どおりで、緊張や不慣れさを正直に認めた上で、聞き手に対して穏やかにお願いする言葉として選ばれていました。bearという動詞が本来持つ「重さに耐える」という強い語感が、丁寧な依頼表現の中では、ほとんど意識されないほどに和らいでいるのです。

直訳の強さと、実際の使われ方のやわらかさとの間にあるこのギャップを知っておくと、bear with meと言われたときに身構えすぎず、自然に「はい、大丈夫ですよ」と返せるようになります。bearという動詞は他にも「(重さを)支える」「(子を)産む」など幅広い意味を持ちますが、with someoneという形を取ったときだけ、この柔らかな依頼のニュアンスが前面に出てくる点も興味深いところです。

一つの動詞が持つ意味の幅の広さを、静かに実感させてくれる表現です。

まとめ|本番前のひと言が、聞き手との距離を縮める

bear with someoneは、相手に一時的な不便や不慣れさを我慢して付き合ってもらうよう頼む表現です。一時的な我慢をお願いするという前置きの姿勢そのものが、この表現の核にあります。

スピーチや発表の前置きとして、bear with me、bear with usの形で使うと、緊張や準備不足を正直に伝えながら本題に入ることができます。丁寧に頼む言い回しでありながら、堅苦しさを感じさせない気軽さも兼ね備えています。

本番を前にまず断りを入れたミッチェルの一言には、聞き手を思いやりながら自分の緊張もやわらげようとする気配りがにじんでいました。人前で何かを始める前に、表現の引き出しに加えてみてください。

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