海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
宿泊先での残り時間を気にして、あと少しで出発すれば余分な出費を避けられると計算してしまう経験は、旅先では誰にでもあるのではないでしょうか。
そんな場面にぴったりの「get out of here」を、『モダンファミリー』シーズン3第21話の後半、見栄を張りたかったと認めたジェイに、グロリアが思いがけない反応を返し、出発の支度が始まる場面から、一緒に見ていきましょう。
「get out of here」の意味とニュアンス
get out of here
意味:ここから出る、立ち去る
get out of hereは文字通り「その場所から出て行く」ことを表す表現です。getは「〜という状態になる」、out of hereは「ここから外へ」という意味を持ち、2語が組み合わさることで「今いる場所を離れる」という動きがそのまま言葉になっています。
会話では驚きを表す「まさか」「うそでしょ」という意味で使われることもあれば、命令形で「出て行け」と相手を追い払う意味で使われることもありますが、本来の意味は文字通り「その場を離れる」ことであり、宿泊先や部屋を出発する場面、時間を気にして早く移動しようと促す場面などで広く使われます。
くだけた言い方であるため、フォーマルな場面よりも家族や友人同士の会話で使われることが多く、急いでいる気持ちや、その場を離れたい気持ちを率直に表す時にぴったりの表現です。堅い言い回しを挟まずに済むぶん、テンポよく状況を伝えられるのも利点です。
【ここがポイント!】
- 「get out of here」の核は、今いる場所から実際に離れるという動き
- 文字通りの意味を軸に、驚きや命令など会話的な意味も持つ表現
- 前後の文脈で「移動」の話か「驚き」の話かを見分けるのがコツ
『モダンファミリー』S03E21のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。文字通りの意味がどんな流れで使われるのか、会話の展開に注目です。
旅の途中で立ち寄ったモーテルで、同窓会の仲間に自分を見せびらかしたかったのかと問い詰めたグロリアが、ジェイの答えを聞いて一転、出発の準備を始める場面です。ジェイが「そうだ」と認めた直後、グロリアは「それならそう言ってくれればいいのに、トロフィーになってあげる」という趣旨の言葉を返しています(引用では省略)。母の号令に、しっかり者のマニーが現実的な計算で応じます。
Gloria: So this is all about you parading me around like a trophy?
(つまり、あなたは私をトロフィーみたいに見せびらかしたいだけなの?)Jay: Yes.
(そうだ。)Gloria: We need to get this up to Pebble Beach. Manny! We’re leaving! Get ready!
(この私をペブルビーチまで連れていかなきゃ。マニー! 出発するわよ! 準備なさい!)Manny: Oh, good. If we get out of here in the next ten minutes, we don’t have to pay for the second hour.
(ああ、良かった。あと10分でここを出れば、2時間目の料金を払わずに済むね。)Modern Family Season3 Episode21 (Planes, Trains and Cars)
シーン解説と心理考察
グロリアが「つまり、あなたは私をトロフィーみたいに見せびらかしたいだけなの?」と問い詰めると、ジェイは短く「そうだ」と認めます。それまで本音を隠していたジェイが、ようやく見栄を正直に認めた瞬間です。
ジェイの見栄を知ったグロリアは、責めるどころかトロフィー役を引き受け、「この私をペブルビーチまで連れていかなきゃ。マニー! 出発するわよ! 準備なさい!」と、すぐさま出発の指示に移ります。息子マニーに向けたこの呼びかけには、家族を仕切る母親らしい行動力が表れています。マニーが「あと10分でここを出れば、2時間目の料金を払わずに済む」と現実的な計算をするところにも、年齢に不釣り合いなほどしっかり者のマニーらしさがにじんでいます。
見栄を張られたと知っても、怒るどころか張り切って出発を急ぐグロリアの反応が、このやり取りの見どころです。そこへ、料金の計算をしながら出発を歓迎するマニーの一言が重なり、同じ「出発」をめぐる二人の温度差が対照的に並んでいます。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
今いる場所から、外へ体を動かして抜け出す様子をそのまま思い浮かべてみましょう。「その場を出る」という文字通りの動きが、そのままget out of hereの基本的な意味になります。足を踏み出して視界の外へ移っていくような、シンプルな移動のイメージを持っておくのがコツです。
マニーが計算した「あと10分」も、まさにこの実際の移動そのものを指していました。驚きの意味に引っ張られず、まずは文字通りの「移動」として捉えておくと、場面に応じた読み取りがしやすくなります。相手の話への返しとして発せられる一言なのか、時間や条件と一緒に語られる一言なのかを見比べる習慣をつけておくと、意味の取り違えを防げます。
例文で覚える「get out of here」
文字通りの意味と会話的な意味の両方を持つget out of hereを、3つの例文で確認していきましょう。どれも出発の時間や段取りを話す場面なので、旅行や外出の前にそのまま使えます。
If we get out of here by six, we’ll beat the traffic.
(6時までにここを出れば、渋滞を避けられるよ。)
出発時間を調整する場面です。byで具体的な時刻を添えると、移動の計画がはっきり伝わります。
We need to get out of here before the checkout time.
(チェックアウトの時間までにここを出ないといけない。)
宿泊先を出発する準備をする場面です。beforeで期限を示すと、急いでいる理由が明確になります。
A: Can we get out of here now?
B: Sure, just let me grab my bag.
(A:もうここを出られる?)
(B:うん、カバンを取るだけだよ。)
待ち合わせや外出前の会話です。now(今すぐ)を添えると、急ぎたい気持ちがより伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
head out
(出発する、出かける)
get out of hereが「特定の場所から離れる」ことに焦点を当てるのに対し、head outは行き先を問わず「出発する」動作そのものを表します。
leave
(立ち去る、出発する)
get out of hereがくだけた口語表現で急いでいるニュアンスを含むのに対し、leaveはフォーマルな場面でも使える中立的な表現です。
clear out
((その場を)片付けて出る、立ち退く)
get out of hereが単に「出発する」意味で使えるのに対し、clear outは荷物をまとめて場所を空けるニュアンスが強い表現です。
Note|文字通りの「移動」と驚きの「まさか」、2つの顔の見分け方
get out of hereには、文字通り場所を離れる意味と、驚きを表す会話的な意味の2つの顔があります。同じ形なのに意味が変わる理由を整理しておきましょう。
文字通りの意味で使われる時は、今回のマニーの発言のように、in the next ten minutesやby sixのような具体的な時間や条件を伴うことが多く、実際に体を動かして場所を離れる話をしています。一方で驚きを表す会話的な意味で使われる時は、Get out of here! I can’t believe you did that.のように、冗談や信じられない話を聞いた直後の返しとして発せられるのが特徴です。つまり、文の中でget out of hereの前後に具体的な移動条件があるかどうかが、2つの意味を見分ける手がかりになります。条件付きで語られていれば実際の移動の話、相手の話への返しとして使われていれば驚きの表現、というように、周りの文脈がこの表現の意味を決めていると整理できます。なお、Get out of here!が「出て行け」と相手を追い払う命令として使われる場合は、文脈上すぐに命令だと判断できます。
今回のシーンでマニーが使った表現も、in the next ten minutesという具体的な条件を伴っていたため、文字通り「ここを出る」という移動の意味だとすぐに読み取れました。条件の有無に注目する読み方は、この表現を誤解なく理解するための手がかりになります。
まとめ|同じ言葉に宿る2つの意味を読み分ける
get out of hereは、文字通り場所を離れる意味と、驚きを表す会話的な意味の両方を持つ表現です。
時間や条件と一緒に語られているか、相手の話への返しとして使われているかに注目すると、どちらの意味なのかを読み分けやすくなります。同じ4語の並びに、まったく違う2つの表情が宿っているところも、この表現の面白さと言えます。
現実的な計算で出発を後押ししたマニーの言葉のように、日常のちょっとした場面ですっと口に出せる表現です。旅先での小さな判断を左右する場面でも、自然に口をついて出るフレーズとして覚えておきたいところです。


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