海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
予算は決まっているのに、あれもこれもと欲しくなって、そろそろ財布の紐を引き締めなければと思った経験はありませんか。
そんなときに使える「rein in one’s spending」を、『モダンファミリー』シーズン4第18話の序盤、パウダールームの設備が予算を超えたとクレアがキャメロンに伝えるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「rein in one’s spending」の意味とニュアンス
rein in one’s spending
意味:出費を抑える、支出に歯止めをかける
rein in one’s spendingは、放っておくと増えていく出費に歯止めをかけて、増え過ぎないように制御する表現です。reinは馬の手綱を指す名詞で、rein inは手綱を引いて馬の勢いを抑える動作をそのまま置き換えた形になっています。勢いよく走る馬にあたるのが、ここでは出費です。
one’sの部分には、my / your / Cam’sのように、出費の持ち主を表す所有格が入ります。今回のシーンでは「Cam’s spending」と人の名前に所有格が付き、「キャメロンの出費」を抑えるという形で使われています。自分の出費にも他人の出費にも使えるのが、この形の便利なところです。
spendingの位置には、costs / expenses / budgetなど、お金に関わる別の語も入ります。この表現は「減らす」という結果よりも、「増え過ぎないように制御する」という動きに重点があります。限りなくゼロに近づけるまで削り込む言い方ではなく、勢いのあるものに手綱をつけて、ちょうどよい範囲に収めるニュアンスです。家計の見直しから会社の経費の調整まで、お金の流れを管理する話題で広く使えます。主語を自分にして「rein in my spending」と言えば、自分の出費に手綱をつける宣言にもなります。
【ここがポイント!】
- 「rein in」の核は、手綱を引いて馬の勢いを抑える動き。増え過ぎるものに歯止めをかけるイメージ
- 「one’s」の位置には、my・your・Cam’sのような所有格が入り、誰の出費かを示せる
- 「削る」よりも「増え過ぎないよう制御する」寄りの表現で、costsやbudgetも後ろに置ける
『モダンファミリー』S04E18のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
クレアがキャメロンに、パウダールームの設備が手に入らなかったと伝える場面です。理由として予算の超過額を挙げたクレアは、そのまま面積の比率や削る金額まで、数字を次々に並べていきます。そのやり取りの途中には、キャメロンを「キャム」と三人称で呼ぶ一文がはさまり、rein inはその一文に出てきます。
Claire: By the way, we couldn’t get the powder room fixtures you wanted.
(ちなみに、あなたが欲しがってたパウダールームの設備は手に入らなかったわ。)Cameron: What? Why?
(え? どうして?)Claire: Well, they’re 23%, or $982, over the budget. Keeping in mind, that space is only 12% of 1,462 square feet. Whenever I need to rein in Cam’s spending, I employ something that I like to call “the number dump. So unless you wanna cut 16%, or $1,764 from somewhere in the flooring budget, we’ve gotta find another 4% overall.
(だって予算を23%、つまり982ドルも超えてるのよ。しかもあの空間は、1,462平方フィートのたった12%なんだから。キャムの出費を抑えたいときはいつも、私が「数字の大量投入(ナンバー・ダンプ)」って呼んでる手を使うの。だから、床の予算のどこかから16%、つまり1,764ドルを削るつもりがないなら、全体であと4%、削れるところを探さなきゃならないわ。)Cameron: Yeah. No, as long as they’re pretty, it’s fine.
(ああ。いや、見た目がきれいなら、それでいいよ。)Modern Family Season4 Episode18 (The Wow Factor)
シーン解説と心理考察
クレアの最初の一言は「ちなみに」から始まり、手に入らなかった設備の知らせが、予算の話へとつながっていきます。キャメロンが「え? どうして?」と聞き返すと、クレアは予算を23%、金額にして982ドル超えていると答え、その空間が1,462平方フィートのわずか12%だという数字まで重ねます。理由の説明が、ほぼ数字だけで組み立てられている点が見どころです。
rein inが出てくるのは、その続きです。クレアは「キャムの出費を抑えたいときはいつも」と前置きして、自分の手を「the number dump」と呼びます。ここで実際に並ぶのが、16%、1,764ドル、あと4%という数字です。「Cam’s spending」と、キャメロンの名前が三人称の形で置かれている点も、この一言の特徴です。
数字を次々に示されたキャメロンは、「見た目がきれいなら、それでいいよ」と答えます。細かい数字を次々に並べる側と、それを短い返事で受け入れる側の関係が、ごく短いやり取りに表れています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
馬の手綱をぐっと引いて、走り出そうとする勢いを抑える場面を思い浮かべてみましょう。馬にあたるのが、放っておくと増えていく出費です。手綱を引く手の動きが、rein inにあたります。
クレアの一言では、数字を次々に並べる「the number dump」が、その手綱の役割を果たしていました。予算の超過額、面積の比率、削る金額と、数字がひとつ並ぶたびに、出費の勢いに枠がはまっていきます。「rein in」と聞いたら勢いのあるものに枠をはめる手の動きを、「spending」と聞いたら財布から出ていくお金を思い浮かべておくと、フレーズ全体の絵が頭の中でつながります。
例文で覚える「rein in one’s spending」
所有格を入れ替えるだけで、自分にも他人にも使えるrein in one’s spendingを、3つの例文で見ていきましょう。
We need to rein in our spending before the holidays.
(休暇シーズンの前に、出費を抑えないとね。)
家族や夫婦で家計を見直す場面です。ourを使うと、自分たち全員の出費に歯止めをかける、という響きになります。
The manager promised to rein in costs by the end of the quarter.
(マネージャーは四半期末までにコストを抑えると約束しました。)
会議で経費の方針を伝える場面です。spendingの代わりにcostsを置いても、同じ形で使えます。
A: Why did you cancel the trip?
B: I’m trying to rein in my spending this month.
(A:どうして旅行をキャンセルしたの?)
(B:今月は出費を抑えようとしてるんだ。)
友人に節約中の理由を説明する会話です。this monthのように期間を添えると、いつまでの取り組みなのかが伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
cut back on spending
(出費を切り詰める)
cut back onは量そのものを減らす言い方です。rein inは増え過ぎないように制御するという点に重点があり、「歯止めをかける」意図がより前に出ます。
keep spending in check
(出費を抑えた状態に保つ)
keep … in checkは、抑えた状態を維持し続ける言い方です。rein inが抑え込む動作に重点があるのに対し、こちらは抑えた状態を保つことに重点があります。
tighten one’s belt
(倹約する、生活を切り詰める)
tighten one’s beltは、生活全体を切り詰める言い回しです。rein in one’s spendingは、出費という対象を特定して制御する点が違いです。
Note|rein inの後ろに置ける語を並べて、抑える対象の広がりを確かめる
rein inは、後ろに置く語を入れ替えるだけで、抑える対象が大きく変わる表現です。今回のフレーズを、rein inの後ろに続く語の並びから見直してみます。
今回のシーンで使われているのは、Cam’s spendingという形です。この位置には、spendingのほかにcostsやexpensesなど、お金に関わる語が入ります。「rein in costs」なら会社の費用を抑える意味に、「rein in expenses」なら支出全般を抑える意味になります。さらに、rein in one’s temperのように感情や勢いを表す語を置くこともできます。このrein in one’s temperなら、怒りの勢いを抑える意味です。お金を抑えるときも感情を抑えるときも、共通しているのは、放っておくと勢いが増していくものに手綱をつけるという発想です。後ろに置く語が変わっても、rein inそのものの動きは変わりません。
クレアの一言に戻ると、Cam’s spendingは「キャメロンの出費」という、お金に関わる対象でした。rein inが手綱を引く動作を置き換えた言い方だと分かっていれば、後ろに置く語が出費でも経費でも感情でも、同じ絵で意味を思い浮かべられます。
抑える対象が変わっても、手綱を引く動きは同じです。
まとめ|数字で手綱を引く、クレアの流儀
rein in one’s spendingは、放っておくと増えていく出費に歯止めをかけて、増え過ぎないように制御する表現です。
手綱を引いて馬の勢いを抑える動きが、そのままお金の使い方の話に置き換わっています。one’sの位置に自分や相手の所有格を入れれば、誰の出費なのかまで言い分けられます。costsやbudgetなど、後ろに置く語を入れ替えれば、家計の話から会社の話までカバーできます。
パウダールームの設備が予算を超えた場面で、クレアが自分の手をnumber dumpと呼びながら数字を並べていく様子には、出費に手綱をつける側の進め方が表れていました。家計や経費の話題で使いたい場面が思い浮かんだら、表現の引き出しに加えてみてください。


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